今回は幕末から明治にかけての古写真で当時の京都の様子を見ようという内容。以前に東京の古写真の回があったので、その第二弾というところだろうか。
まず最初は京都の玄関口だった三条大橋の写真から。幕末の写真だが、石の土台に木製の橋であることが分かる。ちなみに歌川広重の東海道五十三次の絵では木製の橋になっているが、これは嘘だというのは
で放送していた。なおこのアングルはまさに広重の絵とほぼ同じなのだが、当然のように比叡山は見えない。
後は清水寺やら二条城やらの写真を紹介しているが、いずこも変わっていると言えば変わっているんだろうが、東京などに比べるとほとんど変わっていないというのが私の印象。やはり戦争や震災で完全に丸焼けになってしまった町と違って、町割などに昔の面影がそのまま残っているようである。
新撰組絡みの場所の写真やら池田屋の写真なども登場するが、池田屋跡は今では「はなの舞」になってしまっている。また竜馬が暗殺された近江屋も登場するが、ここは今では「かっぱ寿司」になってしまっているのは、この番組の
で既出。
町の次は幕末の志士たちの写真を紹介しているが、新撰組隊士から土佐藩士など諸々の写真があるが、実はこれらの写真は同じ写真館で撮られているという。1863年に堀与兵衛という人物が京都に写真館を開いており、彼らの写真はすべてそこで撮られているのが写っている敷物などで分かるのだとか。ただそれだ写真館で新撰組と尊皇派の志士が出くわして大騒動なんてことにならないかが心配だが、そこはそのような場所では騒動を起こさないという不文律のようなものがあったとのこと。非常に殺伐とした時代である一方で妙な長閑さを感じさせる。
幕末の志士たちが残した写真と言えば、中岡慎太郎が満面の笑顔で写っている写真があるのだが、この写真は実は左側が消してあって、よく見ると女性の着物の袖が写っているという。実は中岡慎太郎の顔を支えている手は女性の手であり、彼はデレデレの笑顔を見せているという次第だとか。なんじゃい、そりゃ。
ちなみに日本最古の風景写真は徳川慶喜が撮影しているとか。彼の写真趣味はかなり有名であるが、一体何をやってるんだか・・・。
番組最後は当時のガラス湿板写真の再現。方法としてはガラス板にコロジオンで膜を作り、そこに硝酸銀水溶液で反応させるというもの。こうして作成したガラス湿板は湿っている内に使う必要があるとか。ただ実際に再現してみるとかなり高精細の高品質な写真が撮れている。「今の写真よりも綺麗かも」というようなことを宮本氏も言っていたが、それは何と言っても版の大きさが効いているんだろう。フィルムのサイズはあれに比べるとはるかに小さいし、最近のデジカメのCCDのサイズはさらに小さい。やはり情報量がまるで違うということ。
以上、古写真の分析・・・ということだが、何か京都観光ガイドみたいで特に中身のない内容だったな・・・。