メキシコのアメリカ国境近くカリフォルニア湾に面した場所に砂漠と溶岩台地が隣接している地域がある。これが世界遺産ピナカテ火山とアルタル大砂漠。
巨大クレーターに囲まれた火山
ピナカテ火山の周辺には直径1キロにも及ぶクレーターがいくつもある。これらのクレーターは地下水がマグマに触れることによって水蒸気爆発を起こした際に出来たものだという。またあちこちに巨大な溶岩のドームがあるが、これは吹き出した溶岩が表面から固まり、そして中の溶岩が抜けたところが空洞になったのだとか。
独特の星形砂丘の砂漠
隣のアルタル大砂漠はコロラド川から運ばれて海岸地域に溜まった砂が、風で吹き飛ばされて蓄積したものだという。この地域は季節によって風向きがいろいろ変わるので、複雑な形態をした星形砂丘と呼ばれる模様が出来ているのが特徴である。
巨大サボテンと命の大地
砂漠との境界に近い溶岩台地には高さ10メートルの巨大サボテンが生えている。これらのサボテンは根を浅く横に広げることで、少ない雨をキャッチしようとしているという。また根を深く張る植物の根に自らの根を絡めることでその巨体を支えるのだとか。
まとまった雨は年に数回程度しかないというこの地域では、雨が降ると風景は一変する。植物は一斉に開花などの営みを始め、それに合わせて虫たちも活動し、さらにそれを餌にする鳥たちもやって来る。意外に生態系はしぶといのだという。
忙しい方のための今回の要点
・メキシコの国境近くのカリフォルニア湾沿岸に砂漠と溶岩台地の世界遺産がある。
・火山周辺には地下水の水蒸気爆発で出来たクレーターが点在している。
・砂漠の方は複雑な風向きの影響で、星形砂丘と呼ばれる複雑な文様を形成している。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・サボテンって、10メートルぐらいまでなっても自重を支えられるだけの強度があったんですね。意外に丈夫なんだな。
・こういう番組を見る度に思いますが、こんなところを車で現地まで行くのって大変だよな。ヘリで上空をさっと旋回して撮影してくるだけだったら楽ですけど。道がしっかりとあるようには見えなかったので、位置はGPSで確認しながらでしょうか。目印もなさそうだし、かなり大変に思える。