教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/18 BSジャパン 新美の巨人たち「田中麗奈×奈良美智『あおもり犬』作者本人が語る故郷への思い」

 今回のテーマは青森県立美術館にある「あおもり犬」。目つきの悪い女の子の絵で有名な奈良美智の作品だが、それを目つきの悪い田中麗奈(笑)が訪問する。

 彼女がこの作品を見た時の感想は「なにか悲しそうな顔に見える」というものですが、これは一般的。で、番組はこの後、この美術館の近くにある三内丸山遺跡の説明になり、このあおもり犬が置かれている場所は遺跡の発掘現場をイメージしているというようことを言っているんだが、これって作者に確認してるの?

 で、学芸員の説明に続いて作者ご本人登場。ただこの手のアーティストにありがちなことですが、ご本人の説明はかえって何を言っているのかがよく分かりません。どうやら彼には子供の時に犬を捨てに行かされたことがあり、それが一種のトラウマとなって犬というのは虐げられる弱い立場の象徴らしい。もっともこのあおもり犬が虐げられているというわけではないようだが。

 最後は田中麗奈があおもり犬を「仏像のように見える」とビデオレターを作者に送って終わり。作者コメントは「それはよく言われること」とのことで、何をしたいんやらさっぱり分からん・・・。そもそも作者ご本人が登場するのなら、その上にゲストを持ってくる意味がない。しかも三内丸山遺跡なんて観光案内のために持ってきたみたいで、結局は作品とはろくに絡んでないし。

 なんか意味のあるようなないような、中身のあるようなないような、どうでもいい内容でしたね今回も。来週はまた又吉登場とのことだし、そろそろ本気でしんどくなってきた。

 


忙しい方のための今回の要点

・青森県立美術館には地元出身の奈良美智の作品が多数あるが、一番の目玉は巨大な「あおもり犬」。

忙しくない方のためのどうでもよい点

・田中麗奈ご本人が、奈良美智の少女と似ていると言われると言っておりましたが、それはやっぱり目つきが悪いということですよね(ご本人は目が小さくてゴニョゴニョと何か言ってましたが)。
・青森県立美術館を訪問すると、このあおもり犬のそばで記念写真を撮るというのが定番です。実際に横に立つとその大きさが分かります。
・ちなみに青森県立美術館は奈良美智の作品以外の目玉としては、ウルトラマンシリーズを手がけた成田享の怪獣デザイン原画なんかもあります。その中にはウルトラマンの初期稿(もっと怪獣っぽくておどろおどろしいもの)なんかもあります。
・で、青森に行ったらお勧めするのが、青森駅前の商店街にある「おさない」の醤油で食べる「ホタテフライ」。私が青森に行った時はいつもこれを食べてましたね。ただ最近は口コミで有名になったのか、店に行列が出来てたりするのは困りますが・・・って新装開店のこの番組の主旨に合わせて観光案内などをしてしまいました。
・ここまで番組の中身がなくなってしまったのなら、いっそのこと路線バスを乗り継いで美術館を回る番組にでもするか? 当然のように美術館の後は温泉付きで。