教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/1 BSジャパン 新美の巨人たち「要潤×高橋由一『豆腐』ユニークな題材をアルに描いたサムライの油絵道」

 今回のテーマは日本の油絵の先駆者・高橋由一が描いたリアルな豆腐の絵。これを要潤が予算削減でリニューアルした本番組にしては比較的遠くになる香川県の金刀比羅宮まで見に行ってます。ここで琴電に乗っている要潤というどうでも良い映像でかなり時間をつぶします。そしてかなり時間がかかった挙げ句にようやく高橋由一館に到着しますが、例によって「木綿豆腐を描いている」とかどうでも良いことを唸っているだけです。しかし良く考えると、前回の要潤登場の回も香川の善通寺に行ってるので、もしかして2本まとめ撮りでさらにお安く作ってるのか?

 番組の解説によると高橋由一は幕末の侍で、絵を狩野派に習ったことがあったのだが、西洋からの多色刷り版画を見てそれに魅了され、油絵に生涯をかけることを決めたのだという。しかし当時は画材もなければ技法も分からない。由一は横浜の居留地にいた画家・ワーグマンの元に通って油絵の技法を学んだという。とこれらをサラッと、例によってあくまでサラッと流す。

 で、後は金のかからない東京藝術大学を訪問して有名な「鮭」の絵を紹介したり、これまた金のかからない東京の豆腐屋で要潤が絵の豆腐の積み方を再現するという全くどうでも良いことで時間をつぶす。

 そして由一が豆腐を画題に選んだ理由は、誰もが知っているものを画題にすることで、西洋の油絵がいかにリアルに物の質感を表現できるかを示しているのだろうとの見解を示すのだが、そんなもの今更言う必要もない。大体、西洋でも普通に果物を描いた静物画が大量にあるのに、何も豆腐を画題にしてはいけないなんて理由はない。

 最後は日本画家に頼んで豆腐の絵を描いてもらって、やっぱりこういう質感表現の場合は油絵の方が優れているという結論を付けて終わり。全く中身がない。先週にある程度予想はしていたが、予想以上に中身がない。そして来週は貫地谷しほりが東京で開催中のクリムト展を訪れるようだ。また金がかかってない。制作費は貫地谷しほりのギャラが半分ほどだろう。そんなにギャラの高いタレントとも思えないので、制作費はトータルで数十万程度か? よっぽど番組制作費をケチられたんだろうな。スポンサーのキリンさん、中途半端に金をケチってこんなしょぼい番組を垂れ流ししてたら御社のイメージも下がりますよ・・・。

 


忙しい方のための今回の要点

・日本油絵の先駆者・高橋由一が豆腐を描いた作品が金刀比羅宮の高橋由一館にある。
・由一は油絵のリアルな表現に魅せられて、それに生涯をかけた。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・やっぱりこの番組のリニューアルの目的は制作費の削減だったんだろうな・・・。内容がショボくて時間枠を埋めることさえ出来ないから、タレントのどうでも良い映像とか、どうでも良いコメントとかで時間をつぶしている印象。これだったらタレント抜きにして15分で淡々と作品だけ紹介する番組にした方がまだマシな気がする。
・まあどちらにしても、やっぱり「美の巨人たち」は消滅したと断言した方が良いんでしょうね。どうも昨今は優良な番組からなくなって、どうでもいいくだらない番組だけが生き残る。テレビ界もいろいろと末期症状だ。