今回のテーマは焼き肉。家で焼く焼き肉と店で焼く焼き肉の二本立ての内容。
部屋が汚れない家焼き肉の仕方
まず家で焼く焼き肉と言えば、何と言っても問題になるのは脂と臭い。これがなかなか取れなくて困った経験は良くある話。この原因は何かと言えば、ホットプレートから立ち上るオイルミスト。番組ではレーザーでこれを見せているが、なかなかの衝撃映像でもある。
ではオイルミストをなるべく出さないで焼き肉を美味しく焼く方法。番組ではこれの開発を焼肉店のオーナー中原健太郎氏に丸投げした模様。中原氏の実験によると、オイルミストが上がるのは220度ぐらいからなので、ホットプレートの温度設定を200度にすればオイルミストはほとんど上がらない。これで目出度し目出度し・・・と思っていたら、この温度で焼くと肉が生ぬるい上に生臭くてパサパサするという。
で、中原氏は一ヶ月の試行錯誤を行った模様。その結果たどり着いた方法は、ホットプレートの上で肉を動かすという方法。ホットプレートに肉を乗せるとその部分は温度が低くなってしまうので、肉を温度の高い部分に動かすことで高温で焼くことができるということ。こうすると肉も良い加減に焼けて油も飛び散らずに目出度し目出度し。
店の焼き肉を絶品に変える方法
次は店での焼き方だが、焼き肉研究家(なんてのがいるらしい)のチョン・デソン氏。彼によると日本で焼き肉が登場したのは戦後の闇市で、この頃には端の方の肉や内臓などを店の人が焼いて出していたらしい。しかしその後、自分で焼く焼肉屋のスタイルが登場(食道園と出てましたね)、これが爆発的にヒットして今日に至っているのだが、この過程で大事な焼き方のコツが消滅してしまったのだという。
ではどういう焼き方が正しいかだが、ここで先ほどの中原氏が再登場。彼の焼き方を観察するのだが、その特徴は結構頻繁にひっくり返していること。40秒ぐらいで1回ひっくり返し、次にさらに40秒ちょっとでもう1回ひっくり返し、後は10秒に1回ぐらいひっくり返しながら2分ほどで焼き上がりというやり方。普通の人は大体ひっくり返すのは1回だというから、かなり頻繁にひっくり返している。
この理由は肉の組織にある。肉には組織を構成しているタンパク質と、肉汁を保持しているタンパク質などの成分があるが、まず肉に火が通ってくると組織を構成しているタンパク質が分解して軟らかくなる。しかしここにさらに火を通すと肉汁を保持しているタンパク質が壊れて肉汁がしみ出してしまう。そこでひっくり返したら肉汁が抜けてしまうと言うこと。つまりは肉汁がしみ出す前にひっくり返して、肉汁を保持したまま軟らかくするのだとか。要は火を通しすぎないということである。こうすると柔らかい絶品焼き肉になるとのこと。ただし番組の注意点は、この方法はロースやカルビなどに限るべきで、ホルモンや豚肉、鶏肉などは中までしっかり火を通さないと食中毒の危険があるから注意とのこと。毎度のことながらNHKらしい配慮です。そう言えば、調理の箸と食べる箸は変えてくれとしつこいほどに字幕で警告もしてました。
以上、焼き肉の焼き方。例によってのこの番組らしい実用知識でした。ちなみに新築祝いでの焼き肉バーティーというのは確かに最大の嫌がらせです。我が家はかつてはホットプレートを使っていたのですが、引っ越してからは焼き肉は封印となってしまいました。もっとも年を取ってくるとなかなか焼き肉をガッツリというようにはいかなくなるんですよね。私も同僚の送別会で若い連中と一緒に焼き肉食べ放題に参加したら、翌日に激しい下痢で仕事を休む羽目になってしまいました。もう焼き肉の消化がキツい年齢になってきたようです。最近は和食の方がありがたくなってきたな・・・。
忙しい方のための今回の要点
・家で焼き肉をする時は、ホットプレートの温度設定を200度にして、肉を動かしながら焼くのが良い。こうするとオイルミストがあまり上がらない上に肉は良く焼ける。
・お店で焼き肉をする時は、頻繁に裏返す方が良い。裏返さずに放置していると、温度が上がりすぎて肉汁が出てしまうので、その前に裏返すのが良い。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・焼き肉食べ放題という言葉で心が動くかどうかというのも、若さのバロメータでしょうか。私は今はこの言葉はむしろNGワードです。年が行ってくると、高級な肉を少しだけ食べる方が合ってくるんですよね。そう言えば以前にある番組で、長寿の人は肉が好きと言ってましたが、それって高齢になっても肉をモリモリ食べられるぐらい胃腸が丈夫な人だから、長生きできているという意味でもあるんですよね。この番組でも以前に「高齢者こそ肉を食え」と言ってたんですが、実際にはなかなかそれがツラくなります。
次回のガッテン
前回のガッテン
