教養ドキュメントファンクラブ

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7/13 BSジャパン 新美の巨人たち「世界遺産・白川郷『和田家』×要潤…日本の原風景であり続ける理由」

 今回は白川郷を要潤が訪問・・・とうとう美術番組という看板まで捨てて、完全に紀行番組になってしまったようです

 白川郷といえば合掌造りだが、あの茅葺き屋根の厚さは1メートルもある。その理由は保温のため。茅葺き屋根の屋根裏ではかつては蚕が飼育されていたので、その保温が必要なのである。また茅葺き屋根は20~30年で吹き替えるが、古い茅は蚕の餌である桑を育てるための肥料になる。茅葺きは養蚕に非常に適しているわけである。

 ただこの茅葺きを維持するのには費用がかかるのが最大の問題。白川郷ではその費用を秘密の副業で調達していた。それは火薬の原料の焔硝(硝酸カリウム)の製造。カルシウムを含む蚕の糞に、アンモニアを含む尿、ここにわらなどを混ぜて発酵させることで焔硝を製造していた。元々焔硝は日本では産出しなかったためにこれは大きな資金源となった。山中にある白川郷の立地が機密を守るのに最適だったのである。

 また白川郷が今日まで続いているのは、人が住み続けていることが大きい。住民は毎日囲炉裏に火をくべるが、この煙が茅葺き屋根の防虫・防腐に作用しているのである。


 というわけで今回の内容は、美術番組の片鱗もありません。100パーセント紀行番組、NHKの「小さな旅」みたいなものです。いっそのことメインテーマもあのピアノ曲から大野雄二の哀愁溢れるテーマ曲に変えたらどうだと言いたくなりますね。旅先で朝にテレビをつけた時、あのテーマ曲が流れてくるとなぜか涙が出そうになるんですよね。どうせ紀行番組を見るならあっちの方がよっぽど良い。

 


忙しい方のための今回の要点

・白川郷の茅葺き屋根は養蚕の保温のためのものである。また吹き替えた古い茅は桑を育てるための肥料にもなる。
・白川郷では昔、蚕の糞に尿やわらを混ぜて火薬の原料の焔硝を製造しており、その富で茅葺き屋根を維持した。
・白川郷の合掌集落には今でも住民が暮らしており、そのことが茅葺き屋根が今日まで残る理由となっている。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・もうここまで来たら「美の巨人たち」の名を名乗らないで欲しいですね。いっそのこと全く別の番組になりましたということなら諦めも付くのですが。
・今回の内容にしても、これが「美の巨人たち」でなくて、単に「要潤が訪ねる白川郷合掌集落」という番組だったら、それで良いんですが、なぜ「美の巨人たち」を名乗る。こういうのを「看板に偽りあり」と言うんです。ここまで来ると詐欺に等しい。