教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/10 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「~風邪・ぜんそく・疲れがとれない~実は恐ろしい口呼吸」

 今回のテーマは口呼吸。これが万病の元になるという話。タイトルを見ているとかつての「たけしの本当は怖い家庭の医学」みたいでおどろおどろしいですが、内容は至極真っ当なのでご安心を(笑)。

口呼吸による健康への悪影響

 番組はまず口呼吸の悪影響について検証。ここで口呼吸のせいで体調に不調を感じているという三人が登場する。それぞれの症状は「寝ても疲れが取れない」「乾いた咳が出る」「風邪をひきやすい」。この時点でそれぞれの病名が「睡眠時無呼吸症」「ぜんそく」「免疫力の低下」と推測が付くのですが、それがどう口呼吸と関係するかとの話。ところでこの手の番組の毎度のことなんだが、どうやってこういう被験者を集めているかが謎です。スタッフのコネ? ちなみにここで適当な被験者が集まらなかった時に、よく「やらせ」が起こることになります。

 

口呼吸で風邪をひきやすくなる

 まずは歯科を訪れているが、そこでの話では、口呼吸はのどに乾燥した空気が流れ込むので風邪をひきやすくなるし、さらには虫歯にもなりやすくなるとのこと。と言うのは唾液が減少してしまうので殺菌効果が弱まるのだという。鼻呼吸だと鼻の粘膜によるフィルターのおかげで菌が直接に入り込みにくくなるのである。

口呼吸がぜんそくを悪化させる

 次は呼吸器内科を訪れているが、口呼吸がただちにぜんそくの原因になるというわけではないが、口呼吸がぜんそくを悪化させるということはあるという。ホコリやダニなどがアレルギーを引き起こすので、これが乾燥した空気と共に口呼吸で入ってくるとぜんそくが悪化するのだという。つまりは元々ぜんそくを持っている人が口呼吸すると、特に空気が乾燥したこのシーズンなどには症状が悪化しやすいということになる。

睡眠時無呼吸症にも

 さらに口呼吸が睡眠時無呼吸症の原因となっている可能性もあるとのこと。口呼吸の人は口の周りや舌の筋肉が衰えているので、のどが塞がりやすくなるのだとか。この被験者の場合、睡眠時無呼吸症の診断基準にまでは達していないが、それでも睡眠中の呼吸停止は見られており、兆候はあるとの話になった。なお睡眠時無呼吸症になると疲れが取れないのは、酸素不足から心臓が心拍を上げるので疲れるのだとか。また心臓に負担がかかるので突然死の原因になったりするという。

 

口呼吸の原因となる口輪筋の衰え

 では口呼吸の原因だが、アレルギー性鼻炎などによる鼻づまり、そして口周辺の筋肉である口輪筋の衰えが考えられるという。チェック法としては口笛でドレミファソラシドが吹けるかというのがあるという。特に高音を吹こうとすると口をすぼめないといけないからだとか。スタジオでは筧氏は高音が吹けないし、西尾氏に至ってはドさえでないと惨憺たるもの。なお私はゲストの藤井サチ氏と同じでそもそも口笛自身が吹けません。

改善のための「あいうべ体操」

 では改善方法だが、まずは腹式呼吸だという。鼻から吸ってお腹を膨らませることを意識することで鼻呼吸の習慣がつくという。

 さらに勧めているのが口輪筋体操。名付けてあいうべ体操。これは単純で口を上下に大きく開けて「あ」、横に引っ張って「い」、すぼめて「う」、舌を出して「べ」というのを1回10セット3回をするというもの。これって、以前にガッテンでも紹介していた。なお口の周りの筋肉が緩みきっていてどうしても口を閉じられない場合には外科的手術という選択肢もあるとかなり昔に聞いたことがありますが、今でもそういうことをやってるんだろうか?

 番組では最後に筧氏が医師に「鼻毛は切らない方がいいのか」と聞いているが、これについての医師の回答は「奥まで切ったりはしないほうが良い。またワックスでの脱毛などは粘膜を傷つけるので良くない。」との全く予想通りのもの。そりゃ医学的にはそうであって、これは美容とは無関係の話である。無茶な痩身といい、昔からなぜか美容の中には体にとって有害なものが多い(甚だしきは昔の中国には纏足なんて悪習慣もありました)。

 

 さて口呼吸の問題であるが、私がもろにそうです。そして原因は子供の頃からアレルギー性鼻炎がキツく、年がら年中鼻が詰まっているから。筧氏のやっているという口にテープを貼って寝るというのを試したところ、筧氏は「それでも隙間から口呼吸していた」とのことだが、私の場合は窒息しそうになって目が覚めました。そして口呼吸のせいで、昔から風邪はひきやすいし虫歯も多いし、ぜんそくもある上に最近は睡眠時無呼吸症の診断まで受けたというフルコンボです。元々コーラス部なので腹式呼吸の仕方を知らないわけではないのですが、それが続かない(というか鼻が詰まるので続けられない)という状態。ですので、口呼吸の弊害よりも、どうやったらアレルギー性鼻炎を治せるかの話の方が必要です。

 

忙しい方のための今回の要点

・口呼吸は万病の元になる悪癖なので止めたほうが良い。
・口呼吸の弊害としては、まず菌類が直接に体内に入ることによる風邪などの感染症、さらに口内が乾燥することによる虫歯の増加などがある。
・さらにはアレルゲンが直接に体内に入り込むことによるぜんそくの悪化なども考えられる。
・また口呼吸の習慣のある人は口の周りの筋肉が衰えているので、睡眠時無呼吸症も発症しやすくなる。
・改善法法としては口の周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」などがあり、さらには腹式呼吸で鼻呼吸の習慣をつけることが必要。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・口呼吸の問題については私は「わかっちゃいるけどやめられない」という状態です。アレルギー性鼻炎の治療についても、学生時代に減感作療法をやりましたが、1年程度で挫折という状態でして、こうなると「高齢化による免疫力低下」ぐらいしか改善の可能性がなさそう(笑)という状態です。
・というわけで口呼吸以前に「アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)の画期的治療法が欲しい」というのが私の本音。
・ちなみに花粉症については、いろいろ薬を試した結果、エバスチンなる処方薬が私の体質に合ったようで、これのおかげでかなり楽になりました。ただアレルギー性鼻炎が完治したわけではないので、ちょっとホコリなどがあるとくしゃみや鼻水が止まらなくなるという状態です。

 

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