教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/18 BSテレ東 ガイアの夜明け「消費税増税から1ヶ月…"大増税時代"を生き抜く道!」

増税に対応するため仕事に出た主婦

 消費税が増税となり家計の負担が増し、仕事に出ることを考えた主婦の冨士越代氏。二人の娘の今後の成長を考えると家計は苦しくなる一方、こうなると収入を増やすしかない。

 彼女が仕事として選んだのはシェアダイン。料理の出張作り置きサービスを運営しているシステムである。実は彼女は調理師の資格を持っているとのことで、注文主から予算を聞いて、その予算内で食材を調達してから家に出向き、そこのキッチンで料理を出すというシステムである。依頼主の家庭も外食費がかさむので、節約のためにこのサービスを利用したとのこと。やや緊張気味の冨士氏、食材が予算をオーバーしてしまうというトラブルもあったが、それは注文主との交渉で解決。手際よく5人家族4日分のおかずを調理する。作業時間3時間で時給2000円。子供たちのためにも頑張る。

 何にやら先週の続きのような内容。もしかして先週用に取材していたのが、尺の関係で入らなくてこっちに回したのではと言う気もしないではない。

 

キャッシュレス狂騒曲

 次は増税に伴うキャッシュバックで注目されているキャッシュレスサービス。しかしまだ現金の方がよく分かるという話も多い。まずはそういう頑固親父(と言っても50代である)に息子がペイペイを体験させるという話。グダグダ文句を言っていたが、実際に使ってみるといきなりクジが当たったらしくてご満悦の親父。

 次はお年寄りの原宿こと巣鴨を江口洋介が取材。店を調べたらどうもペイペイとメルペイ(メルカリが運営しているらしい)を入れている店が多いが、利用はまだ今ひとつの模様。実はメルペイについては巣鴨で社員が設定をサポートする一大キャンペーンを行ったとのこと。やはり特に高齢者には最初の導入のハードルが高いようである。メルカリでもこれからは各地でこういうキャンペーンをして普及を図りたいとしている。

 キャッシュレスサービスもいろいろありますが、私はスマホ決済はまだ利用してません。専らクレジットカードかEdyばかりです。どうもスマホに何でもかんでも集中させるのはセキュリティその他の面で信用できませんので(またタイミング良くセブンペイが見事にこけましたし)。

 

ここからは経団連のPRです

 で、この番組はこれからが本番らしい。日経新聞の専門家が出てきて消費税は10%では破綻するから15%は必要と一説ぶる。流石に経団連の広報誌である日経と、その広報番組らしい展開である。

 ただ一方的に消費税を上げる話だけだと見かけのバランスが悪いと言うことでか、ここで消費税廃止を主張している山本太郎氏に少しだけ密着。彼は各地を回って意見などを吸い上げているようだ。彼の主張は極めて簡単で「取るのならあるところから取るのが当たり前」という非常に説得力のあるものであるが、それ以上密着するのはこの番組の本意ではないので、さっさと離れて、政府の社会保障検討会議に参加している財界人にインタビュー。すると消費税は17%は必要とかの意見をペラペラ言っている。

 正直なところ、ここで私はぶち切れそうになりました。そもそも消費税をいくら上げてもきりがないのは、消費税を上げる度にその分を法人税の減税や金持ちの減税に回しているからである。だから彼らの主張の本心は「消費税を上げろそしてその分法人税を下げろ」である。本当に国の将来を考えるのなら「我々の法人税も上げてくれ」とでも言ってみろってんだ

 よく金持ちを減税するとその分が事業などに回って景気が良くなるから、結果として社会全体が潤うなどという論が持ち出されるが、そんなものはウソ八百なのは既に数十年前から経済学的には明らかであり、現実もそれを証明しているのである。現にここ20年ほど日本はひたすらに金持ちを優遇して法人税を下げてきたが、その間にも景気は停滞し、賃金は低下、増えたのは経営トップの給料と大企業の内部留保だけだったのである。これだけ優遇しもらってそれでも経営が良くないのなら「私は無能でございます」と白状しいるようなものである。それにも関わらずさらに政府に金を渡して、労働者をただでこき使えるように労働基準法を廃止してくれとか、外国から奴隷を入れてくれと嘆願しているのである。

 また財界人の無能さもさることながら、今の政権だと収入が増えたらその分をモリカケなどの利権に回すのは明らか。既に東北復興を名目にして集めた税金は、利権ピック絡みの事業に回して内輪で分け分けして懐に入れてしまっている。こんな状況では消費税を20%にしようと、30%にしようと無意味である。

 久々にこの番組が経団連の広報番組だったということを思い出させてくれました。そのせいでこの番組は時々変な回があります。例えばトヨタ様の新型車を延々と宣伝するだけの内容だったり・・・。本当にビジネスの参考なりそうな有用な内容の時もあるんですがね。


忙しい方のための今回の要点

・経団連の主張「消費税をもっとあげろ!そしてその分、法人税を減らせ!」


忙しくない方のためのどうでもよいよくない点

・寝言は寝て言え!

 

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