教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/24 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「~身体の不調を大改善!~距骨ケア&かかと落とし」

 足の骨と脛の脚の骨をつなぐ位置に距骨と呼ばれる小さな骨があるのであるが、その骨が傾くことで体のあらゆる不調につながるという話。

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距骨(出展:https://www.mylohas.net/2018/07/169560.html)

 

全身のバランスを支える距骨

 距骨がなぜ重要かというと、全身を支える位置にあるために、この骨が傾くことで全身のバランスが崩れてしまうので、そのことが体の不調の原因になるのだという。実際に番組では距骨の矯正をすることで膝などの不調が解消したという総合格闘家の女性が登場している。

 例によってこの番組のお約束で体に不調を感じている男女3人が登場している。男性2人は肩こりなどの肩の不調が中心。女性は腰痛が出ている。

 柔道整復師の志水剛志氏によると、距骨は歩いたりするときに前後に回ることで滑らかに動けるのであるが(もしこの骨が動かなかったら、ロボットのようなギクシャクした歩きになるとう)、それを繰り返しているうちに誰でも前後に傾いてしまうのだという。すると姿勢が崩れるので腰や肩の筋肉に影響を与えたり、背骨がゆがむことで自律神経に影響を与え、睡眠障害やむくみなど全身症状も出ることがあるという。

 距骨の傾きのパターンは、前に傾く場合と後ろに傾く場合がある。前に傾いた場合には重心が前にずれるため、体の後ろ側が緊張して、肩こり、腰痛、太ももの裏などの体の裏側に不調が出るという。後ろに傾い場合にはその逆で体の前側が緊張するので五十肩、股関節やひざ・脛などに不調が出るという。

 

傾きのチェック法と矯正エクササイズ

 番組では自分がどちらにか向いているかを判断する簡単チェック方法を紹介している。まずはつま先を正面に向けて足を肩幅に広げてそのまましゃがむ。この時にかかとが浮かない人は後ろに傾いている可能性がある。次は正座をする。この時に両足が重なる人は後ろ、重ならない人は前。最後は椅子に座ってものを書く時、猫背になる人は前、背筋の伸びる人は後ろとのこと。2つ該当する方がその人のタイプとのこと。私は明らかに前タイプで確かに腰痛持ちである。

 これを矯正するエクササイズも紹介。まずは隣り合う足の指をそれぞれ手で開かせる。さらには足の親指と小指、人差し指と薬指をそれぞれ開く、これを5回ずつ。次はくるぶしの下を指で固定して足首を左右に10回ずつ回転させる。回しづらい方向にはさらに10回追加。最後はかかとを掌で包み込み、手の力で左右に10往復させるというもの。これを体が柔らかくなる入浴中に行うのがお勧め。先ほどの体の不調を訴えていた3人も、このエクササイズをしただけで体の緊張がほぐれて柔軟性が増したとのこと。このストレッチを毎日行うとのこと。

 なお距骨の傾きを防ぐには足に合った靴を選ぶのが重要で、靴を合わすときにはつま先ではなくて、かかとをトントンと合わすのがポイントとのこと。

 

最近注目の「かかと落とし」

 最後は現在注目されているエクササイズ「かかと落とし」を紹介。「かかと落とし」と言っても格闘家の技ではなくて、つま先立ちしてからトンとかかとを落とすだけという地味なエクササイズ。しかしこれで骨に衝撃を和えることで、骨芽細胞を活性化し骨粗鬆症を予防できるのみでなく、オステオカルシンが分泌されるのがポイントとのこと。オステオカルシンは高血糖予防や動脈硬化予防、肥満予防などにつながるという。1日30回のかかと落としだけで全身効果があるとのことなので、これはやってみて損はなかろう。

 最後に筧氏が専門家にO脚の矯正法を聞いているが、これは太ももの内側の筋肉を鍛えるために、ひざにペットボトルやボールなどの弾力のあるものを挟んで締めるという運動が効果あるとのこと。また距骨の矯正も姿勢をよくするという意味では効果があるかもとの話。


 以上、距骨という私も初めて聞く骨が健康に重要な働きをしているという話。それにしても人体ってつくづく精密機器であり、全身のバランスが重要だということがよくわかる。

 

忙しい方のための今回の要点

・足の骨と脛の下の脚の骨をつなぐ位置にある距骨が傾くと、全身の不調が出ることがある。
・距骨が前に傾くと重心が前にずれて腰など体の後ろ側の筋肉に、後ろに傾くとひざなど前側の筋肉に不調が出る。
・番組では自分がどちらに傾いているかのチェック法も紹介。また5分間のエクササイズも紹介している。
・さらにかかとを持ち上げてストンと落とすかかと落としも注目されている。骨に刺激を与えることで骨芽細胞を活性化して骨粗鬆症を防ぐだけでなく、オステオカルシンが分泌されることで高血糖の抑制や動脈硬化予防も期待できるとのこと。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・かかと落としなんかはあまりに劇的すぎるために「本当かいな」という気がしますが、要はよく歩いて常に足を刺激していたら本来はあったはずの効果ということです。あえてこういう運動をするということは、現代人が歩いてないということと関係あるんでしようね。やっぱり自然に生きるってことが、一番健康にはいいようにできているようです。
・なおかかと落としはかなり以前にガッテンでも紹介してました。多分ネタ元は同じでしょう。

 

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