食生活で健康を保つビジネス
現在食生活があらゆる場面で注目されている。まずは健康の維持のため。中性脂肪値や血糖値が気になる人が増えてきているが、そういう人のために健康を正面に出したレストランが人気を博している。
また従業員の健康管理は会社にとっても大きな問題である。東京渋谷のIT企業ディライテッドは社員の平均年齢31歳という若い会社である。この会社の最年長は41歳の鈴木諭氏。財務責任者という重責を担っているが、健康診断で脂質異常を指摘されており、脂肪肝の疑いがあると言うのである。食生活を見てみると、昼は仕事をしながらコンビニ弁当といった調子で、しかもマヨネーズが大好きと来ている。もし彼に倒れられでもしたら大変である。そこで社長の橋本真理子氏が一計を案じる。シェフを派遣して脂肪分の少ない食事を指導してもらおうという考え。早速鈴木氏夫妻は管理栄養士と共にメニューを選定。管理栄養士から豆腐に練りごま、酢、ミソなどを加えたマヨネーズ代わりの調味料に使った紫キャベツのサラダ(紫キャベツは栄養豊富)にナッツ類(ビタミン類が豊富)を加えたものやサーモンを使ったノンオイルの蒸し焼きなどを教えてもらう。明日から奥さんが参考にするようだ。シェフの出張料理は1回5日分で7480円だそうだが、一部は会社が負担するらしい。鈴木氏はよほど会社にとって重要な人物なんだろう(私なんかだったら、倒れようが死のうが会社からは完全にスルーされるだろうな・・・)。
給食の現場などで問題となっている食物アレルギー
食事は健康を保つというだけでなく、命に直結している場合もある。最近給食の現場で問題となっているのはアレルギー対応。それを間違えると児童がアナフィラシーショックを起こして死んでしまった例まであるのだから、対応する玄蕃は大変である。今日も卵アレルギーの子供の人数を調べて、その人数分だけ卵抜き(わずかでも混入すると大変だから、卵を加える前に除けておく必要がある)の料理を用意することになっている。
最近は食物アレルギーが増加しており、大人の食物アレルギーも増えている。程度は人によるが、強いアレルギーの場合は間違って摂取するとアナフィラキシーショックで命に関わるため、アレルギーを持っている人は食事に非常に気を使う必要があり、日常生活のストレスになっている。またレストランによってアレルギー対応は出来ないと断られることも少なくない。
アレルギーや持病に対応した料理を作るシェフ
そんな中で食物アレルギーなどの客に正面から対応しているシェフがいる。東京・元麻布のエピキュール。オーナーシェフの藤春幸治氏は病気による食事制限やアレルギーの客のために対応するメニューを客に応じて工夫している。糖尿病の男性から予約が入った時などは、血糖値を抑える効果があるという菊芋を使用したメニューを作る。事前に実際に菊芋を食べてみて、自分で血糖値の上昇をチェックするという念の入れよう。やはり人の命を預かっているという意識が強いのだという(単なるシェフではなく、意識が半分は医者である)。しかし彼の料理は単にアレルギーなどを起こさないというだけのものではない。一緒に来た家族などが食べても非常に美味しい料理を作るのである。糖尿病の客も満足して帰って行った。さらに次は卵アレルギーのある子供いる家族のため、藤森シェフは卵を使わないオムライスを作る。初めてオムライスを食べる子供は大喜び。今まで食事で苦労してきた母親は感激で涙する場面も。
さらに藤森シェフが長年夢見ていたのがのが、卵や牛乳のアレルギーがある子供でも食べられるアイスクリームの開発。これに協力したのが愛知の乳製品メーカーである日進乳業。ここで1年をかけて多くの試作を重ねた結果、甘酒と豆乳、おから、こんにゃくなどを原料にして卵や牛乳を使わないアイスクリームの開発に成功。味見をした藤森シェフも納得の出来である。これが今までアイスクリームを食べることが出来なかった子供達の笑顔を呼ぶ。
日進乳業さんでは早速宣伝しているようです
また他のメーカーからもこういうものもあるようです。
タイトルからおっさん向けの健康レストランの話かと思っていたら、アレルギー対応の藤森シェフの話が大半でした。藤森シェフはかなり凄いことをやっていると思うが、ただ現在このようなことをしているのが彼ぐらいというのが問題ではある。ビジネスとしてやっていくのはかなり大変だと思われるので、同じようなことをする者が他に出るかどうかである。
それにしても昨今は食物アレルギーが異常に増えているように感じられる。今まで認識されていなかったのが病気として表に出ただけという考え方もあるようだが、それにしてはやはり多すぎるというのが私の印象。そばを食べただけでアレルギーを起こして死ぬなんて例が出ていたら、原因が分からなかったとしても例えば「蕎麦あたり」なんて病気が昔から伝わっていてもよいはずである。私の考えではやはり農薬や添加物などによる食品汚染が原因になっているのではと考えている。人間の体内にこのような毒が溜まっていくことによって、本来は毒でないはずの食品内のわずかな添加物に体が過剰反応しているというように感じる。恐らく母体を通して子供も汚染されているのだろう。昨今の自己免疫疾患由来の病気の多発も同じ原因であると推測している。つまりは社会の歪みや利益追求一辺倒の体制が種としての人類自身を毀損しているのである。
忙しい方のための今回の要点
・最近は健康を気にする人が増えてきているが、それに合わせた健康レストランが人気を呼んでいる。
・また社員の健康を守るために、派遣シェフに健康メニューを家庭で調理してもらうなんてことを行う会社も。
・さらに深刻なのは食物アレルギー対応。東京・元麻布のエピキューのシェフ・藤森幸治氏は病気で食事制限のある人やアレルギーの人に対応した料理を提供している。
・彼は乳業メーカーと協力して、新たに卵や牛乳のアレルギーがある子供でも食べられるアイスクリームの開発に成功した。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・現代社会ってやっぱりどこかがおかしくなってるんですよね。人体の汚染によって生態的におかしくなってきているのと、社会の歪みによって精神的おかしくなってきているのが複合して、一億総病気時代になってきたような気がします。そもそも日本って、首相自身が完全に倫理観が欠如した病人ですから。
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