教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

3/29 TBS系 世界遺産「もう一度みたい!世界遺産ベスト10」

 今回は春の番組改編期ということもあるのでしょうか。今までで高視聴率だった回から視聴者1000人によるアンケートで選んだ人気ベスト10とのこと。

第10位 イスタンブール歴史地区(トルコ)

 アジアとヨーロッパの接点であるエキゾチックな都市・イスタンブール。キリスト教の聖堂をモスクに変えたアヤ・ソフィア。建造当時は世界最大のドーム建築だったという。修復のために漆喰をはがしたら、下から聖母子像のモザイク画が出てきたという。またスルタンの居城であったトプカプ宮殿などもあり、豪華だったスルタンの生活が偲ばれる。そう言えば昔「飛んでイスタンブール」という歌があったっけ。

第9位 アルルのローマ遺跡とロマネスク建築(フランス)

 南フランスのにあるかつてのローマ帝国の大都市アルルには多くのローマ建築が残っている。2000年前に作られた闘技場は今でも使用されており、ローマ水道の遺跡なども残っている。また2011年には川の底から古代ローマの木造船が引き上げられ、この地が貿易の中継地であったことを物語っている。そう言えばゴッホの絵に「アルルの跳ね橋」っのがありましたっけ。

 

第8位 古都トレド(スペイン)

 王が暮らす都だったトレドは川に囲まれた小高い丘の上にあり、グルリと城壁で囲まれている。町の中心には大聖堂があり、そこには黄金を惜しみなく使われた金の祭壇がある。

第7位 ナスカとパルパの地上絵(ペルー)

 未だに誰が何のために描いたのかが不明の巨大な地上絵。最近になって新たな地上絵も見つかっているという。まあ飛行機などを使わなくても描けることは分かってますので、宇宙人などの関与が不要であることは明らかとなっていますが、描いた目的は不明。やはり宗教的なものと考えるのが一番無難でしょう。

第6位 ドゥルミトル国立公園(モンテネグロ)

 原生林が覆う深い峡谷。蛇腹のような地層が複雑に隆起した山脈などの絶景があり、氷河期に作られた湖が点在する。

 

第5位 ポンペイの遺跡地区(イタリア)

 ヴェスヴィオ火山の噴火によって一夜にして火山灰に埋もれた悲劇の都市。1万2千人が暮らす大都市が5メートルもの厚さの火山灰に埋もれた。その火山灰に埋もれた遺体が19世紀になって発見されている。整然と区画され水道も整備された高度なローマの都市であり、華やかな壁画が描かれた部屋なども見つかっている。

第4位 ハワイ火山国立公園(アメリカ)

 世界で最も活発な火山であるキラウエアは、2014年10月にも噴火をし、溶岩量が麓の村を襲っている(ハワイの溶岩は粘性が非常に低い)。住民が避難した村を溶岩が飲み込んだ。その時の溶岩は5ヶ月経っても熱を帯びており、雨が降ると湯気が立ち上るとか。

第3位 エトナ山(イタリア)

 シチリア島の50万年前から噴火を繰り返している火山。番組では噴火口をレポートしている。世界遺産のカターニャの町は、溶岩の被害から復活した町で、溶岩を切り出してバロック様式の建造物を築いたという。

 

第2位 マチュピチュ歴史保護区(ペルー)

 アンデスの天空の都市。番組ではドローンを使用しての空撮を実施。急なインカの階段(滅茶苦茶急で幅の狭い階段なんで、高所恐怖症の私はまず登れません)を登った北側の山頂には月の神殿があり、古代インカ帝国の祭祀が行われていたという。

第1位 小笠原諸島(日本)

 火山島の小笠原諸島は独自の生態系で知られる。母島の亜熱帯のジャングルには殻が必要なくなってほとんどなくなりつつあるオガサワラオカモノアラガイや天敵がいないために地上で過ごすようになった鳩・アカガシラカラスバトなどの固有種が生存している。

 

忙しい方のための今回の要点

・今回は番組改編期の特番で人気ランキングです。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ妥当なところが挙がっているという印象ですね。小笠原は多分自然遺産にノミネートされた直後の放送だろうと推測されるのでタイムリーだったんでしょう。2位のマチュピチュは鉄板中の鉄板。ただこの手のランキングだったら大抵は上位にくるアンコールワットとかイエローストーン国立公園、タージマハルなんかがありませんね。飽きられたんですかね。

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