今回は東京浅草の老舗ブラシ屋「かなや刷子」の天然毛を用いたブラシの宣伝・・・というか、要は天然毛によるブラシがプラスチック製のブラシに比べてどのような優位性を持っているかという話。
目的ごとに天然毛を使い分ける
創業106年というこの店では天然毛を用いたブラシを製造しており、バリエーションは400種にも及ぶとか。またオーダーメイドなども受け付けているらしい。用いる天然毛は馬、豚、山羊、イノシシなどを使い分けているとか。豚は硬い毛質であり、イノシシはさらに硬く、山羊の毛は非常に柔らかく水分や空気を溜め込みやすい。そして馬はさらに柔らかくツルツルとしているという。
では天然毛の性能はということで、山羊毛とナイロンの料理刷毛で実験。水を含ませて線を引いて何メートル引けるかという勝負。結果は結果は天然毛はナイロンの2倍近くということで天然毛の圧勝である。
静電気を起こしにくい豚毛のヘアブラシ
さらにヘアブラシの場合、静電気を起こさないという特徴が有るという。静電気を起こさないので髪のキューティクルを荒らさないので髪に良いのだという。そこで番組ではプラスチック、静電気除去ブラシ、豚毛のブラシで静電気チェックをしているが、結果は豚毛の圧勝である。帯電列というのがあって、これが近いほど静電気が発生しにくいが、やはり豚毛は人毛と性質が近いために摩擦した時に静電気が発生しにくいのだという。
ちなみにブラッシングには血行促進効果があるので、男女を問わずにやった方が良いとのこと。また天然毛のボディブラシは肌の負担が少ないので良いとしている。
以上、天然毛ブラシの良さを紹介。実を言いますと私は豚毛のヘアブラシを使っています。明らかにプラスチックと違うのはブラッシングをするだけで髪の毛がしっとりしてくること。確かに静電気を帯びないのは感じていましたが、自然の皮脂などを髪に馴染ませる効果があるようで、髪がパサつかずに適度な油分を帯びる感覚があります。最初は半信半疑で使用してみたのですが、実際に使ってみると確かに良いのは感じました。
なおヴァイオリンの弓が馬の尻尾の毛を使っているのは有名です。あれも多分適度な滑りと摩擦があるのでしょう。未だにあれを化学繊維に変えたという話は聞いていない所を見ると、やはり化学繊維では上手くいかないのでしょう。
忙しい方のための今回の要点
・浅草の老舗ブラシ店「かなや刷子」では400種類ものブラシを売っているが、大部分は天然毛を用いたものである。
・用いる天然毛は馬、豚、イノシシ、山羊など。この中で豚やイノシシは硬いのでヘアブラシなどに、山羊や馬は柔らかいので食品用刷毛に使用されている。
・山羊の毛による食品用刷毛はナイロンなどよりも水を含みやすい。
・また豚毛のブラシは静電気を起こしにくいので、髪を傷めない性質を持っている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・老舗のこだわりのようなものの紹介でしたが、100年も続いているようなものと言えば、必ずその理由があるというものです。そうでないと既に淘汰されている。やはり他では真似できないオンリーワンと言うことです。