教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/22 NHK ガッテン「新型コロナの今こそ!"ハッピーホルモン"で不安ストレス撃退」

 今週も前回と同じでスタジオ収録が出来ない状況なので、過去の再放送の編集です。志の輔氏だけでなくとうとう小野アナもモニター越しになってしまいました。多分NHKでも不要不急番組は製作停止状態なんでしょう。テレビ朝日なんかは報道ステーションからクラスター出てしまったりしてるぐらいですし。

 

タッチケアで分泌される"ハッピーホルモン"オキシトシン

 で、今回はかなり前に放送された"ハッピーホルモン"ことオキシトシンの話。オキシトシンはハグなどの身体接触で分泌されるらしい。実際に番組では夫婦や友人で5分間ハグしてもらってオキシトシンの分泌が増えるという実験をしている。ちなみにもっとも増加したのが女性の友人二人なんだが、なんかまるで百合展開みたいでオイオイって雰囲気でしたが(笑)。

 タッチケアなんかで分泌されるとのことで、精神を落ち着かせてストレスを和らげるなどの効果のあるホルモンのようである。実際にリウマチの患者などがこのタッチケアを受けることによって痛みが和らいだなんかの報告がなされている。スウェーデンなんかではこのタッチケアを重視して、かなり積極的に取り入れているとか。そもそもオキシトシンは社会性を保つためのホルモンと考えられているらしく、猿などの行動を見ても、攻撃衝動の後にハグなどで鎮めるといった行動が見られたとのこと。

 

電話でのコミュニケーションでも効果が

 さらには高齢者の認知症などにも効果があったという話もある。深夜徘徊が出てかなり攻撃性も増していた高齢者に対して、タッチケアを行うことによってかなり状態が安静化して症状が軽減したのだという。特に高齢者は孤立することで認知症などの危険が増すので孤立させないことが重要とのこと。

 とは言うものの、このご時世でタッチケアというのは「濃厚接触」がタブーとなっている中では難しい。実際にイタリアなどでの蔓延はこのハグに見られる濃厚接触文化が一因ではなんて言われている。そこで接触なしにオキシトシンを分泌する方法に電話での会話を上げている。電話で親しい人と話をするなんてことでもオキシトシンは分泌されるらしい。また電話というのもポイントか。先週のオレオレ詐欺の話で、人間は耳元で囁かれると精神に影響を受けやすいということで、電話の影響力を紹介していた。そう言えば昔から妖精さんなんかも耳元で囁くと相場が決まっているし、愛を囁く時も密着して耳元でってのが一番効果がある(らしい)。

 ここでさらに効果を上げる方法として、あの有名な人型アンドロイド開発で知られる石黒浩教授が提案したクリオネのようなスタイルの抱き枕の頭部にスマホを入れられるようにした人形が登場している。これで「耳元で囁く」と「タッチの触覚」の両方を満たすことでオキシトシン分泌効果を二重でアップということらしい。実際に高齢者にこれで遠くの孫と会話してもらっているが、なかなか落ち着くという反応。もっとも本人達はそれ以上に恥ずかしそうであったが。

 

高齢者は肉を食え

 で、番組の尺が余ったのか、ここで無理矢理もう一つ話題をぶっ込んでいる。高齢者との会話のネタとして「母さん、もっと肉食いなよ」をもってこいという話。高齢になるとタンパク質の摂取が少なくなりがちで、それが筋力低下につながって寝たきりなどの原因になると言うことで、高齢者こそもっと肉を食べましょうという話。実際に肉をモリモリ食べる元気な高齢者というのをよく見かける。ただ私自身痛感しているが、年を取ってくると肉を消化すること自体がしんどくなってくるということがある。無理して食い過ぎると腹を壊す(実際に私も若者と焼肉に行った翌日に猛烈な下痢で寝込むことになり、己の衰えを痛感せざるを得なくなった)。

 

 現在の緊急事態が近日中に解除する可能性は極めて低いであろうことを考えると、これからしばらくはガッテンもこの調子か。代わりに入れる特番を作ることさえ出来ない状態だろうから、NHKに限らずどこのテレビ局も必然的に再放送は増えていくだろうと思われる。そう言えば民放の方も春ドラマの収録が出来なくて壊滅状態とか。NHKは民報よりも余裕を持ったスケジュールで収録しているので、目下のところは朝ドラも大河も通常通り放送されているが、今後緊急事態が長引くとこれらのドラマも総集編なんかで凌ぐことになる可能性もあり得る。もしそんなことになると、それでもなくてもエリカ様の事件で収録がドタバタして話数短縮になった大河が、さらに悲惨なことになる可能性が出てくる。

 

忙しい方のための今回の要点

・タッチケアなどで分泌されるオキシトシンが痛みを和らげたり精神を落ち着かせる効果が注目されている。
・なおオキシトシンは接触しなくても親しい者と電話で話すなどでも分泌されるとのこと。
・高齢者はタンパク質が不足して筋力が低下することが多いので、高齢者ほど意識して肉を食べた方が良い。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・それにしてもL字状にコロナ情報が出っぱなしのところで再放送されるガッテンというのは、嫌でも現在の異常時感を強めることになります。実はこういうのも微妙に世間の緊張感を高めてストレスにつながっていたりするんですが。

次回のガッテン

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