教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/24 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「お腹のトラブルの原因は「小腸」にアリ!」

小腸が原因となるお腹のトラブル

 お腹の張りや便秘、また下痢などのトラブルに悩む人も多いが(かく言う私もしょっちゅう下痢で悩まされる)、20歳以上の7人に1人は何らかのお腹のトラブルを持っているという調査結果もあるとか。しかも現在のようなお籠もり生活が続くとお腹のトラブルが発生する人が増える。さてこのようなトラブルであるが、小腸が原因になっている場合があるのだというのが今回の内容。

 まずは小腸とはなんぞやという話だが、つまりは胃と大腸の間にある細長い腸で、その長さは何と6~8メートルに及ぶ。この長さは栄養吸収という重要な役割を果たしているためであるという。

 

SIBOが様々なトラブルの原因となる

 で、番組では例によってお腹のトラブルを抱える被験者が登場するのだが、最初は食事を摂るとそんなに食べていないのにお腹がポッコリ出るという女性。本人は胃下垂を疑っているようだが、本日の専門家・江田クリニックの江田証院長によると、胃下垂は胃が下に伸びるだけなのでお腹が出ることはないという。実はSIBOの可能性が考えられるのだという。

 SIBOとは何ぞやという話になるが、本来は細菌がそんなに多くない小腸内(実は腸内細菌のほとんどは大腸にいる)で細菌が過剰に増殖するトラブルだという。腸内の細菌がガスを発生するので、それが腸を膨らませてお腹が出ているのだと推測できるとのこと。

 SIBOの可能性のチェックだが、1.少ししか食べなくてもお腹が張る 2.下痢気味または便秘気味 3.頻繁に腹痛がある 4.おならがよく出る 5.お腹がギュルルルと鳴る とのことで、ウーン、私はかなり可能性ありそう。

 次は便秘に悩む被験者と下痢に悩む被験者だが、細菌が発生させるガスが大腸の働きを過剰にしたり逆に抑制したりするので、それがお腹の調子を悪化させるのだとのこと。

 さらに単にお腹の調子で終わらないケースもあるという。長年お腹の調子に悩んでいた女性がSIBOであることが判明。服薬や食事や運動の指導で改善したところ、彼女は風邪なども引きにくくなったという。腸内には免疫機能が集中しているので、この機能が低下すると免疫力低下につながってしまうのだという。

 

SIBOの原因「ヨーグルトが逆効果!?」

 ではSIBOの原因ですが、はい、出ました毎度の「ストレス」。これが原因と言われると私などは「そんなの対処しようがないじゃん」となってしまいます。ストレスが小腸内の食べ物を移動させる機能を低下させるので、食物の腸内の滞留時間が延び、その結果として腸内の細菌が栄養十分で大増殖と言うことらしい。

 しかし大きな落とし穴はお腹に良いとされているヨーグルトがこの場合には逆効果なのだという。ヨーグルトに含まれる糖質が細菌の餌になってしまって細菌増殖に寄与してしまうのだとか。オリゴ糖などが良くないとのことで、パスタ、パン、リンゴ、玉ネギ、納豆、ニンニクなどが要注意に上げられている・・・のだが、納豆なんかはむしろ腸には良いと考えられている食べ物。ちなみにもっともガスを発生させにくいのは「米」とのこと。さらに間食は食物が腸内に残りやすくなるので良くないらしい。要するに三食規則正しく米食ってろってことか?

 

予防及び対処法

 最後が予防法になるが、まずは食事前の歯磨きで口の細菌を体内に入れないようにするのだとか(一般的に歯磨きは食後にしろと言われているが・・・)。さらに「適度に立つ」。これによって胆汁(細菌増殖抑制効果がある)の分泌量が増えるのだとか。また腹巻きでお腹を温めて血流を良くするのも効果的。そして最後はお腹をJの字にさするJさすりでお腹に刺激を与えるなんて方法もあるらしい。なおウォーキングもお勧めとか。つまり適度に腸を刺激しろと言うことらしい。

 

 以上、地味な裏方イメージある小腸について。よく「腸内の善玉菌を活性化する」としてヨーグルトや納豆が勧められていたが、あれは大腸内の腸内細菌を活性するのが目的であって、小腸内で細菌が増殖してしまっている人の場合は、その細菌まで活性化されてしまって逆効果というのは目からウロコであった。お腹の調子が良くないから毎日ヨーグルトを摂るようにしたが効果が・・・というような人は、先のSIBOのチェックをしてみて、しばしヨーグルトをやめて上記の対策を打ってみたら改善するという可能性もあるかもという話になる。

 ちなみに小腸の長さは6~8メートルという言い方をしていた上に、「日本人では」という注釈までついていたところを見ると、個人差や人種差が結構多いのだろうと予測される。そう言えば「日本人は腸が長いから肉食が向かない」と言った政治家が以前にいた記憶がある。実際に野菜類を消化しようとすれば長い腸は必要だろう。よく長くてウネウネしたものを「羊腸」などと言うが、実際に羊などの草食動物の腸はかなり長いのに対して、肉食動物の腸はかなり短いとか。人間はその中間だから雑食というのを聞いた記憶がある。

 もっとも肉食耐性っての年齢の影響が大きそう。私が最近になって、肉を大量に食ったり、牛乳を飲んだりしたら腹を壊すようになり、老化したなとつくづく身に染みている。以前にガッテンが「肉を食べる高齢者ほど元気」とやっていたが、そもそも肉を食べられる高齢者はその時点で元気とも言える。

 

忙しい方のための今回の要点

・食後のお腹の張りや便秘・下痢などのトラブルはSIBOが原因の可能性がある。
・SIBOとは小腸内で細菌が過剰増殖するトラブルで、細菌が発生させるガスが腸を刺激して上記のトラブルを起こす。
・原因はストレスなどで腸の働きが悪くなることで、食品の腸内での滞留が増えることによって細菌が増殖してしまうこと。
・対策は、食事前に歯を磨くことで口内の細菌を入れない、腹を温めたり、Jさすりやウォーキングで腸を適度に刺激するなどがある。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・ヨーグルトや納豆が逆に腸に悪い場合が・・・ってのは目からウロコですね。まさに「どんな食品でも良いところと悪いところがある」ってのの典型例。結局は毎度の大原則「バランス良く適度な量を」になってくる。

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