教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/3 NHK ガッテン「1個20円のワンダーランド!目玉焼き&卵焼き極うまSP」

玉子の有効活用法を紹介

 物価の優等生なんて言葉もあり、家計の見方でもある玉子。安くても料理方法は様々なのだが、その玉子をさらに有効活用しようというお話。

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昔は高級品、今は安くて助かる玉子

 

意外と日持ちする玉子

 まずは気になる玉子の日持ちなんだが、これについては4ヶ月前の玉子を食べてしまったという猛者寮生が登場。それでも腹を壊さなかったというのは、何も彼の胃腸が鉄の胃腸だったというわけでなく、玉子は本来は非常に腐りにくいものであり、冷蔵庫の中なら4ヶ月程度、常温でも2ヶ月程度は腐らないのだという。なぜ玉子がそんなに腐りにくいかと言えば、卵白の中に抗菌成分があり、腐りやすい卵黄は常に玉子の中央にあるようにカラザで固定されているからだという。玉子が腐るのはこのカラザが弱って卵黄が殻に接触してしまった時であり、それまでが冷蔵庫内だと大体4ヶ月という話らしい。しかし玉子の賞味期限は大体2~3週間ほどに設定されているのはなぜかだが。これはごく稀に鶏が菌に感染していることで玉子が生まれた時から卵黄内に菌を含む場合があるからとのこと。それがあったとしても菌が増殖して危険なレベルに達するまでこれ以上かかるというわけらしい。ちなみにその頻度だが、3万個の玉子に1個の割合らしいから、相当に運が悪くないと出くわすことはまずないが、それでも用心を期しているのはいかにも日本的。つまりは賞味期限内だと安心して生で食べられるということ。なお賞味期限が切れてから食べる時は加熱してくださいとのことで、それも賞味期限が切れてから2週間以内というのが生産者側からの要望。で、NHKとしましては、無難にそれを紹介(もし4ヶ月後の玉子を食べて腹を壊してもそれは「自己責任」です)。

 

目玉焼きは玉子の割り方で決まる

 次は目玉焼きの作り方なんだが、実はこれがほんの少しの差で決定的な違いが出るのだとか。番組では料理自慢の妻と夫が目玉焼きを競うのだが、スタッフからあるコツを一点伝授された夫が勝利という、良くあるタイプの実験である。さてそのポイントだが、玉子を割る時の高さなのだとか。通常は10センチぐらい上で割って落とす人が多いが、それだと卵黄に強い衝撃が加わるので、卵黄の組織が破壊されてしまうのだという。そうならないようにフライパンスレスレで玉子をそっと割る(ただしフライパンに触れてやけどしないようにの注意付き)のが正解という。それだけのことで卵黄の柔らかさが全く変わってしまうのだとか。

 

卵焼きのコツと古い玉子の活用法

 次は卵焼きのコツだが、ポイントは混ぜ方。箸を立てて軽く切るようにして混ぜすぎないこと。達人が混ぜたものは白身の塊が残っている状態。この方が焼いている時に気泡が抜けないのでスポンジような弾力のある卵焼きになるのだという。さらに火加減は強火。弱火でじっくり焼くとやはり気泡が抜けてしまうので、強火で手早く畳むように数回巻いて出来上がり。こうすると出汁がじんわりと滲む柔らかい卵焼きになるとのこと。

 さらには少々古めになって白身が緩い感じになってしまった玉子の活用法。こういう卵白は泡立ちやすいので泡立てて使うのが良いという。まずは泡立てた白身をご飯に載せてから、後で黄身をかけるフワフワ玉子ご飯を提案。さらにゆで卵も古い玉子の方が弾力が高いという。これは卵白内の二酸化炭素ガスが抜けるからとか。新鮮な卵でゆで卵を作る場合は底を茹でる前に割っておくのだとか。

 最後は玉子を割ってからラップの上で保育器に入れて雛が生まれるまでを観察した映像を紹介して終わり。最後はまあ付け足しのようなものです。

 

 以上、玉子の活用法です。私も卵焼きぐらいは作ることがあるのですが、焼き方が下手なせいでカチカチになりがちなんですよね。よくよく考えると私もトロトロと弱火で焼いてました。強火でチャレンジしてみますか・・・といってもモタモタしてるとすぐ焦げちゃうんですよね。

 今回の内容は言われてみたら随分昔に見た記憶はあったのですが、見事に詳細は忘れておりました。目玉焼きのコツの回なんて10年前ですからね・・・完全に忘れてました。なお小野アナの若いこと(志の輔氏も白髪が少ないですが)。この頃だと40歳ちょっとですか。ちなみに私が小野アナとお会いしたのはさらに5年以上前ですので、まだ彼女は30代でした。正直なところ、眩しくて目が眩みましたよ(笑)。気がつけば彼女も既に五十路でNHKのベテランアナウンサーに。一方の私はと言いますと、謎の会社員から既に「存在価値自体が不明の会社員」に進化(?)してしまいました。

 

忙しい方のための今回の要点

・玉子の使い方を紹介。まずは玉子の日持ちだが、玉子は菌に強い構造なので、実は冷蔵庫内では4ヶ月ぐらいは腐らないという。ただしごくごく稀に菌の入っている場合があるので、それを考慮して賞味期限は2~3週間に設定しているとのこと。
・目玉焼きを作る時は、黄身に衝撃を与えないように低い位置でそっと割ることによって、黄身の組織がそのまま残ったふわっとした目玉焼きになる。
・卵焼きについては、まずあまり混ぜすぎないこと。またプロは強火で手早く畳むように焼く。こうすると気泡が残ってふわっとした卵焼きになる。
・少し古めで卵白が緩くなってしまった玉子は、卵白を泡立てて調理。フワフワ玉子ご飯などがおすすめ。
・ゆで卵は古い玉子の方が弾力のあるゆで卵になる。これは卵白内のガスが抜けるから。新しい玉子を使う場合は底を軽く割ってから茹でるとガスが抜ける。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回もコロナ対応で小野アナも志の輔氏もモニター出演で、内容も過去の総集編となっておりました。通常の形態に戻れるのはいつのことやら。それにしてもガッテンってアーカイブがかなりあるから、過去の総集編だけでも丸一年は余裕でつなげられます。もっとも現在のスタッフで昔の放送内容を知っている人ってもういないのではと思いますので、結局は振り返りが出来るのは21世紀になってからぐらいが限界の模様。正直なところ、リニューアル前の「ためしてガッテン」の時の方が今よりも中身が濃かったですけどね。

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