教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/14 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「ステイホームで嫌なニオイに夏の体臭対策2020」

 この番組もようやくスタジオ収録に戻ったようですが、出演者がソーシャルディスタンスを取ったかなり寒々とした光景になってます(スタジオ内に出演者が点在している印象なので、カメラを切り替えないとワンカットで複数人を撮れない)。なんか見ていると、出演者が仲が悪いんだろうかと思えてしまう光景でもあります(笑)。

 

ステイホームで体が小便臭くなる?

 さて今回のお題はステイホームで体臭が悪化するというお話。ステイホームしている間に体が小便臭くなるというのである。なお体臭というのはなかなか自覚しにくいものなので、それを感じる方法としては、一日着たシャツを袋に入れ、一旦外の空気を嗅ぐなどして嗅覚をリセットしてから嗅いでみるのだそうな(あんまりしたい気はしない)

 さて小便臭さの原因はアンモニアであるという。それも血液中から皮膚に浸みだして臭っているので、体を洗ったからと言って取れないというタチの悪いもの。この原因は肉食。ステイホームの間に食習慣が乱れて肉や魚などに食べ物が偏ったら、これらが消化される際にアンモニアが発生するのだという。さらにこの際に発生したアンモニアは肝臓で処理されるのだが、ステイホームストレスで肝機能が低下することで、処理しきれないアンモニアが血中に出て行くということになるとか(と言うことは、そもそも肝機能が低い人は常に小便臭い体臭をしているのか?)。

 

体から染み出すニオイの対策

 改善のためにはヨーグルトなどで腸内細菌を整えるというようなことになるとか。善玉菌を増やせと言うことらしい。ラクチュロースというオリゴ糖(ビフィズス菌を増やすらしい)が特にお勧めとのこと。さらにストレス改善。特に無自覚なストレスに注意とのことだが、これなんかは例によって「どうすりゃいいねん」の世界。私なんかテレビに安倍が出てくる度にストレス値が跳ね上がる。で、対策は直ちに安倍を辞任させる・・・というのも難しいので、番組が勧めているのはキノコ類のオルニチンを摂取するというもの。シメジがお勧めという。

 なお皮膚から出てくるニオイ成分については確認されているだけで300種類以上あるという。有名なところではニンニクを食べた後に体から臭ってくるとか、便秘の時に体が臭くなるとか、無理なダイエットで脂肪燃焼による甘酸っぱいニオイがするなどがあるという(だから体臭から病気を判定するという研究も聞いたことがある)。また酒を飲み過ぎた時にはアセトアルデヒド臭がすることになる。口から出てくるガスは1時間程度で収まるが、体から出てくるニオイは10時間以上続いたりするという。要するにアル中の奴が常に酒臭いのは、もうアセトアルデヒド臭が体に染みついているということのようである。

 

加齢臭の対策は

 さらに体臭と言えば話題になったのが加齢臭。男性の加齢臭は40歳ぐらいから増加するらしい(枯れ草などのニオイとのことなので、やはり人間が枯れるのだろう)。ニオイの原因は体表で皮脂が酸化することによるという。なおこのようなニオイには女性の方が敏感だとか(男はそもそも自分がそのニオイを出しているから慣れているんだろう)。ただしこれらのニオイは体表での反応によるものだから、夜と朝に入浴することで防げるとのこと。カンゾウ根エキス入りのシャンプーをお勧めするとのこと。やけにお勧めが具体的なんだが、この番組のスポンサーは確かシャンプーは出してなかったな。

 なお加齢による体臭の変化は女性にも起こるという。女性の場合は若い時にはラクトンという桃のようなニオイがしているのだが、これが30才ぐらいでほとんどなくなってしまうらしい(若い美女のかぐわしさを桃にたとえたりするのには根拠があったのか)。そして男性の加齢臭の原因にもなるノネナールが女性もこの年齢ぐらいから増えてくるらしい。また女性は加齢によって頭皮が乾燥することで皮脂が過剰に分泌されがちで、これがニオイの原因になるとのこと。なおラクトンが回復できるのかだが、ヨーグルトなどでの腸内環境の改善や抗酸化作用のある食品(果物)などで「若干の」回復は可能と言っているのだが、何やら望み薄なニュアンスを感じる。なお体を洗う場合にはゴシゴシと洗いすぎないことが大切(皮脂の分泌が増えてしまう)。

 

夏の汗のニオイに汗かきトレーニングを

 さらに夏に問題になるのが汗のニオイ。室内に籠もっているなどで汗をかかない環境にいると、休眠汗腺が増えてくるのでいざ汗をかいた時にミネラルを多く含んだベトベトした汗になるという(ミネラルの排出が増えると言うことは、夏バテにもつながりそうである)。本来は汗の成分のほとんどは水分なので汗自体は臭わないものなのだが、このようなベトベトした汗は菌を繁殖させやすいので、これが悪臭につながるのだという。対策としては汗をかくトレーニングをすること。というわけで41度の湯に15分以上浸かってじっくり汗をかくというのがお勧めだという。

 

 以上、体臭対策について。日本人はそもそも体臭が弱いと言われていたが、それは野菜類が中心の食生活にじっくりと湯船に浸かる生活習慣が影響していたか。ということは欧米化してきて肉食が増えた上にシャワーで済ませるようになってきた最近の日本人は明らかに体臭が増加しているということか。確かに欧米人なんかと会いますと、とにかく強烈な体臭に難儀するという経験は何度もあります。彼らは肉食の上に日本人ほどまめに入浴しませんから、とにかく体臭がきついです(若い美女でさえ大概体臭がきついですから、脂ぎったオッサンとなればもう・・・)。欧米で香水文化が盛んだったわけに何となく頷けるし、欧米人がダウニーのような鼻がひん曲がるような強烈なニオイを使うわけも分かります。ちなみに日本人はろくに風呂に入ってなかった平安時代でさえ、お香ぐらいで十分だったようですから、食生活の影響は大きいでしょう。

 なお私の場合も年齢的に加齢臭をバンバンさせているようです。そのせいか見事なほどに私の周囲に女性は近寄ってきません(ニオイ以外の問題がかなりあるような気もするが・・・)。一応不潔にはしていないつもりなんですが、人間どうしても「不潔でなくても不潔に見える見た目」というのはありますので。端的に私の身なりについて「小汚い」と評されてしまったことも。やはり少々ニオイがしてもイケメンならまた話が違うんでしょう。なお「清潔感」と「清潔」というのは本質的に違うものです。真面目そうに見える男が実は女狂いだったりするみたいに。そう言えば以前に「人は見た目が9割」という本が話題になったことがありますね。悲しいかなこれは現実だったりします。私なんか女性からは見た目の一次審査でふるい落とされるので、二次審査以降に進めないんですよね・・・いかん、段々愚痴になってきた。世の中、オッサンの愚痴ほど見苦しいものはないです。若いイケメンが少し弱音をはいたりするのは女性がグッときたりするんですが(笑)。というわけで結論は「ただしイケメンに限る」・・・って少し違うか?

 

忙しい方のための今回の要点

・ステイホームなどで生活が乱れると体臭が悪化することがある。
・肉食中心でストレスの多い生活は、消化によるアンモニアの発生とそれを処理する肝機能の低下をもたらし、血中に溶け出した未処理のアンモニアが血管から皮膚を通じて体臭につながってしまう。
・防止にはヨーグルトなどによる腸内環境の改善と抗酸化食品の摂取。
・また男性の加齢臭は入浴などで洗い流すことが可能。
・女性も30才ぐらいを境に加齢臭が増えてくる。また頭皮の乾燥から皮脂が増加してニオイの元になったりする。
・汗を日頃からかいていないと、ミネラル分の多いべたついた汗になり、細菌の繁殖でニオイの元になる。入浴などで汗をかくこと訓練をすることが大事。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ体臭ってのは、本人には分からないのが問題なんですよね・・・。実際に驚くぐらい強烈で異常な体臭を放っているオッサンに出くわしたことが何度かありますが、あれなどは明らかに何か重篤な内臓疾患を抱えているだろうと思いました。
・一方、全く逆に自分の体臭を気にしすぎる心身症というのも増加していると言います。道路の向こう側にいる人が自分の体臭のせいで顔を背けたと言い出すそうです。こういう心身症の増加もストレスフルな現代社会の影響の一つですが(洗剤やシャンプー等を売りたいメーカーによる過剰なアピールも一因ではあります)。

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