放送塔である東京スカイツリーだが、実はここに世界最先端の研究施設があるというのである。
雲の観測によってゲリラ豪雨を予測する
研究施設があるのは一般客が入ることが出来る展望回廊のさらに上の458メートル地点。ここは雲の中に当たるために、雲の研究がなされているという。このデータはゲリラ豪雨の予測などに使われる。雲の中の雲粒と呼ばれる水滴や氷の粒の数や大きさを測定したところ、都会の上空は空気の綺麗な土地に比べ、小さい雲粒が非常に多いということが判明したという。これは大気中に微少な粒子が多く浮遊しているためであり、こういう微少な雲粒が上空に上がり、急激に成長することで都市型のゲリラ降雨が発生するというメカニズムが分かってきたという。
最新の雲レーダーを駆使すると雨雲以外のすべての雲の成長が観察できるようになったが、これらのデータとスカイツリーでの実測データを照らし合わせることで予測の正確さを判断できるようになったとのこと。
雷を観測して落雷場所の検知システムを作る
497メートル地点には雷の観測施設がある。ここではタワーに落ちる雷の電力を測定しているという。雷を測定するには雷が落ちる場所が分からないと困難なのであるが、スカイツリーには年間8回ぐらいは落雷があるので格好の測定場所なのだという。落雷が発生した時に、その電力を測定する装置がセットされているが、一回の落雷でも実は何度か電気が流れているなどということも測定されているという。また雷は電気が通りやすいところを進むため、空気中でジグザク趨ることになる。一度雷が通ったところは電気が通りやすくなっているので、2回目以降のピークの方がシャープなのだという。
ここでの研究は雷の落ちた位置を測定する技術のために使用されているという。落雷時に生じた電磁波を検出する装置を地上にセットし、スカイツリーに落雷した時のデータを繰り返し測定することで、その精度を向上させているとのこと。落雷場所を素早く察知することで、早急な復旧作業につなげることが出来るとのこと。
スカイツリーが意外な用途にも使用されていますという話。あれだけ特殊な建物だとこういう用途に使われるのも当然であるが、そのような施設があるというのは私は初耳だった。なかなかに興味深い内容。こういうのってこの番組の真髄ですね。
忙しい方のための今回の要点
・東京スカイツリーにはその高さを利用した研究施設がある。
・天望回廊の上の458メートル地点には雲の観測施設があり、都会のゲリラ豪雨の予想のためのデータが採取されている。
・さらに高度の高い497メートル地点には雷の電力を測定する施設があり、これらは落雷の位置を正確に探知するシステムの開発に使用されているとのこと。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・非常に興味深い内容でした。まああれだけの建造物ですから、できる限り有効活用しないとね。
次回の目がテン