教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

10/25 TBS系 世界遺産「赤青緑!3色の湖と世界最大の砂の島」

世界最大の砂の島にある三色の湖

 オーストラリアには世界最大の砂の島であるフレーザー島がある。この島は地下100メートルまで砂が存在する。

 この砂の島の奥には豊かな森が存在する。その中には40もの湖があるが、枯れ葉のタンニンによる赤い湖や、藻が発生した事による緑色の湖。さらに青い湖の三色の湖が存在する。


『世界遺産』10/25(日) フレーザー島 〜 3色の湖! 世界最大の砂の島【TBS】

 砂地の上にはフェンと呼ばれる沼地があり、そこにはモザイク状のフェンが存在するが、亜熱帯地区でこのタイプのフェンが存在するのはここだけだという。

 砂の島に湖が出来るメカニズムだが、実はこの島自体が巨大な水瓶で、地下を掘ると大量の水が湧いてくるという。このように水が溜まる秘密は砂浜に見られるコーヒーロックにある。ロックというが実は岩ではなくて砂の塊だという。これは枯れた植物が砂と共に固まったもので密度が高いので水はけが悪いのが特徴。これが地下にあるために砂の島に大量の水が溜まっているのだという。

 大量の砂は森を埋めることもある。砂に埋もれた森は枯れて腐葉土となり、その栄養タップリの腐葉土が再び森を育む。中には直径5メートル、高さ70メートルの巨木も存在する。このようにして森が再生しているのだとのこと。

 

砂の島を生んだ海流

 この砂の島を生んだのは激しい海流。この海流が砂を運び、その砂は島に4つある火山岩に当たって堆積したのだという。こうして20万年かけてこの島は生まれた。その砂はオーストラリアのはるか南部の内陸の砂岩が砕けて生まれたものだという。今でも砂は島の北端に積もり続けており、この島は少しずつ大きくなっているという。現在の島の南北長は123キロ、東西幅は22キロ。世界最大の砂だけの島である。

 島は生き物の楽園でもある。7月になると海流に乗って南極からザトウクジラがやって来る。満潮になると海水が入り込んで湖のようになった干潟にはマングローブ林があり、多くの生き物を育んでいる。この独自の環境により世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・オーストラリアのフレーザー島は世界最大の砂だけの島である。
・砂の島にもかかわらず、島には森や湖が存在する。島は大量の水を地中に蓄えており、その秘密は枯れた植物が砂と混ざって出来たコーヒーロックと呼ばれる水はけの悪い層が地中に存在すること。
・この島を形成する砂はオーストラリア南部の内陸の砂岩が削られたものが、海流によって運ばれてきたもの。その海流がこの島の4カ所にある火山岩に当たって砂を堆積させた。今でも島の北部では砂の堆積が続いているという。
・この島は生き物の楽園でもあり、干潟のマングローブ林では多くの生き物が棲息している。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・砂だけの巨大な島ってのは確かに珍しいですね。砂州のようなものなら各地にありますけど。確か根室沖にも巨大な砂州があったような。
・だけどそのような地形って、大抵はせいぜい草ぐらいまでしか生えないんです。だからここのように森があって巨木が生えているというのは珍しい。

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