教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

10/28 NHK ガッテン「使える!魚肉ソーセージ フルふわ不思議食感 新活用術」

魚肉ソーセージに注目

 誤嚥性肺炎が高齢者などの死因に一つとしてクローズアップされているが、これを防ぐには口の中でほぐれやすくて飲み込む時にはまとまるものが良いという。そういう観点で注目されているのが魚肉ソーセージだという。

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魚肉ソーセージの日持ちと食感の秘密

 魚肉ソーセージと言えばおつまみとしても人気だが、人気の理由の一位は「日持ちがするから」というもの。確かに常温で4ヶ月とか持つ。この常温での長期保存の出来る理由は何かということで番組ではソーセージの工場を紹介している。その最終工程はパック入りのソーセージを高温高圧で殺菌する工程。これは缶詰と同じだという。ここで完全に食中毒菌を殺菌するので長期保存が可能なのだという。これは特定の保存料が禁止になった時に加えられた行程だという。

 番組ではさらに防衛大学で衝撃工学を研究しているという山田裕之准教授のもとを訪問、魚肉ソーセージの食感の秘密を調査しようとしている。衝撃を加えて破壊の様子を観察するという装置で観測したところ、魚肉ソーセージとほとんど同じ製法で作られているかまぼこは衝撃を加えてもつぶれないのに対し、ソーセージはある程度衝撃が加わったところで裂ける形で壊れている。

 この食感の違いはソーセージにだけ加えられている油のせいだという。油のないかまぼこではタンパク質同士が密な結合をして空気を取り込んでいるので弾力があり、それに対してソーセージは油のせいでタンパク質同士の結合が緩いので、含んでいる空気の粒が大きくなり、そのことが柔らかさになるのだという。

 なお魚肉ソーセージは高齢者がおやつ的に取ることでタンパク質をこまめに補給する食材として有効とのこと。もっとも塩分がやや多いので高血圧の人は注意との注釈付き。

 

ソーセージマニアのフレンチシェフ登場

 で、お約束の料理について。今回は魚肉ソーセージをこよなく愛するフレンチシェフの高良康之氏が登場。今まで何度かガッテンに出演を依頼したが断られたのが、テーマが魚肉ソーセージだと聞いたら出演をOKしてくれたという筋金入りの魚肉ソーセージファンである。

 その高良氏がした最初の料理は、ニンニクと玉ネギを炒めたところにトマトジュースを入れ、沸いたら魚肉ソーセージを入れる。蓋をして1分ほど煮たらサラダ豆とバターを加えて、さらに蓋をして1分弱火で煮たらできあがり。フレンチ風のソーセージ料理である。ソーセージは出汁が良く出るので、斜めに切るのがポイントだとか。

 さらに登場するのが魚肉ソーセージを使ったポトフ。またシェフのお勧めは里芋と炊いたり、茶碗蒸しに入れるなどの和風もあるとのこと。さらに魚肉ソーセージのタイ風ピラフを紹介。賽の目に切ったソーセージを炊飯器に入れ、みじん切りした玉ネギとニンニクを塩を振って電子レンジ2分加熱してから炊飯器に入れ、そこに米を入れて混ぜ合わせてから水を入れて、香り付けのナンプラーと皮を剥いて輪切りにしたレモンを敷き詰めて炊くだけとのこと。

 最後はメーカーの魚肉ソーセージ開発秘話を紹介しているが、戦後に食卓が洋風化してきた時、まだ高嶺の花だった豚肉などのソーセージをもっと身近な食材で安価に作れないかと開発されたのが魚肉ソーセージとのこと。なおメーカーお勧めの食べ方は熱湯に袋ごと1分ほどつけるお湯漬け。プルプルした食感になるとのこと。

 

 以上、戦後世代には非常に馴染みのある魚肉ソーセージです。なお私も給食などで何度も口にしてますが、正直なところ苦手です。当時の魚肉ソーセージはビニルの味がして私は吐きそうになりました。その頃の記憶が焼き付いているので、今でもあれは口にすることはありません。

 誤嚥性肺炎予防のところから始まったのですが、それが保存性やらお約束の料理やらに飛んだので番組内容が散漫な印象を受けました。もう少しストーリーを一貫させた方が良かったような印象を受けたのが今回。私だったら、誤嚥性肺炎予防の話は最後に持ってきたかな。魚肉ソーセージの特徴やら料理やらを紹介しておいてから「実はこの魚肉ソーセージが医療の分野でも注目されているのです」と高齢者にとって食べやすい上に手軽なタンパク質補給になるという紹介をしてエンド。その方が番組の動線が錯綜しなかったような気がする。

 

忙しい方のための今回の要点

・魚肉ソーセージは高齢者にも食べやすいので誤嚥性肺炎防止の観点からも注目されている。
・魚肉ソーセージは常温で4ヶ月と保存期間が長いが、それは製造工程で高温高圧による殺菌を行っているから。
・魚肉ソーセージの食感の秘密は油を加えていること。そのおかげで弾力がありながら口の中で壊れやすくなっている。
・なおメーカーお勧めの食べ方は袋のまま熱湯に1分つけるお湯つけだとか。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・魚肉ソーセージだけでなく、この時代には魚肉ハムというものもありました。とにかく貧しい時代だったので、肉が高くて買えなかったのです。もう既にそんな「昭和」も遠くなりましたが。今ではむしろ健康の観点で魚肉が注目されていたりする。なお最近のソーセージは無添加のものが多いと番組では言ってましたが、そもそものソーセージは添加物の塊みたいなもので、とても子どもに食べさせたいような食品ではありませんでした。眞鍋かをり氏の感覚って私の感覚に近いです。つまりは彼女も「昭和」の人なんだろうな。

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