オリンピック選手ともなると、メーカー側も専用のシューズを開発したりなど特別な対応をしている。そんなメーカーの動きを2年間にわたり取材した。
桐生祥秀の新型シューズを開発したアシックス
陸上の桐生祥秀選手、その足下を手がけているのがアシックスだという。桐生選手用に開発したのはカーボンを使用したスパイクのないシューズ。ピンレススパイクは地面から靴が離れやすいのでそれがタイムの向上につながるのだという。
アシックスの小塚氏は桐生選手のスパイクを手がけて3年だという。桐生選手は「あまりシューズがコロコロ変わると感覚が変わる」という思いがけない反応。しかし小塚氏はシューズの改良を諦めたわけではなかった。さらに軽量化するために靴底を100%カーボンにした上で、地面をしっかり捕らえられるように3カ所の突起をつけた。試しに履いてみた桐生選手の反応も上々で、これで本番に挑むことになった・・・のだが、ここでコロナが直撃。アシックスも在宅勤務の状態になったとのことだが、ピンレススパイクは一般向けの販売も行われることになったという。
池江璃花子と水着の共同開発を行った美津濃
競泳の池江璃花子の水着を手がけたのが美津濃。多くの日本選手の水着を手がけている美津濃だが、世界シェアではスピードなどに大きく水をあけられている。そこで美津濃では池江と新型水着の共同開発を行っていた。しかしその池江が白血病になったことで困難に直面する。開発者の吉井宏見氏は頭を抱えることに。
吉井氏は女子選手の腹筋を支えるシステムを入れた水着をトップスイマー試してもらって感触を調べる。かつて北京オリンピックの時にはスピード社の水着に惨敗した苦い経験から雪辱を期していた。
そして7月、池江璃花子が帰ってきた。インカレに望む池江璃花子の勝負水着は吉井氏が開発した美津濃の新型。見事に復帰を果たす。池江選手も吉井氏もパリオリンピックを睨んでいる。
うーん、オリンピックを睨んで仕込んでいたネタなのに、オリンピック自体がほぼ絶望的になったことから、ここで慌てて出して来たって印象。結論が付いていないので内容に締まりがないのは仕方ない。
忙しい方のための今回の要点
・アシックスでは桐生祥秀選手のためにカーボンで作った軽量のピンレススパイクを開発した。
・美津濃は池江璃花子と水着の共同開発を行っていたが、池江の白血病で一時暗礁に。しかし開発を続けて池江の復帰戦のインカレはその水着で飾っている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・最近はスポーツ用具のハイテク開発競争がすごいんですが、正直なところそういうのを見ていると、オリンピックってそもそも何なんだという疑問が湧いてきます。
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