教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

12/20 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「侮れない!脂肪肝の恐怖」

実はこわい脂肪肝

 脂肪肝と言えば肝臓に脂肪が溜まった状態。俗に「人間フォアグラ」なんて言われたりするが、特に自覚症状がないだけに気づきにくい上に診断が出ても軽く考えがち。しかしこれが実は怖い病気であるという話。

 人間ドックを受けた人の1/3が指摘されているという病気が脂肪肝。そもそも肝臓の障害は自覚症状が出にくいために「沈黙の臓器」などとも言われている。それだけに症状が出た時には手遅れという危険が高い。

 まず肝臓だが、男性で1.5キロもあり、人体の臓器の中でも最大級だという。その働きはまず胆汁を生成して食べ物の脂などを分解する。さらに栄養素をエネルギーに変換する。腸から吸収された栄養素は肝臓でエネルギーに変換されて全身に送られるのだという。そしてさらに肝臓は解毒の役割も果たしている。身体に有害なアルコールなどを分解するのが肝臓。肝臓は500種類以上の働きをしているという。この肝臓に脂肪が蓄積するのが脂肪肝で、これが続くと大体15%が肝硬変となり、こうなると肝臓の機能が3割以下になってしまうという。

 さらには脂肪肝を放置したために肝臓ガンを発症してしまった患者も登場。肝機能を現すALT,ASTさらにγ-GTPで異常が発見されたのに自覚症状がないために放置し、生活改善などは一切しなかったのだという。しかし16年後に6センチもの肝臓ガンが発見されたのだという。こうなっていても自覚症状がなかったというのが沈黙の臓器と言われる所以。肝臓内には痛覚神経がないのが自覚症状がない理由だとか。

 

脂肪肝の原因

 では脂肪肝を発症する原因は。まず一番多いのが飲み過ぎ。肝臓がアルコールの処理にかかりきりになりエネルギー供給能力が落ちることで肝臓内に脂肪として溜め込んでしまうのだという。また食べ過ぎも大きな原因。栄養を過剰摂取すると肝臓がエネルギー生産にかかりっきりとなり、筋肉や皮下に送り出せずに肝臓内に蓄積されてしまうのだという。

 さらに意外な原因として女性の過剰なダイエットも脂肪肝の原因となる。極端なダイエットによってタンパク質が不足することで、肝臓で作り出したエネルギーを全身に運ぶのに必要なタンパク質が足りなくなり、やはり肝臓に脂肪が蓄積されるのだという。

 なお番組ではレポーターとして病院を訪問したうしろシティ(私の全く知らない芸人だ)の2人が血液検査とエコーを受けたのだが、阿諏訪の方が完全に脂肪肝であるという診断を受ける。64までが正常値とされるγ-GTPが918という先生も「非常に珍しい」というようなトンデモ数値。当然ながらエコーの検査もあからさまに脂肪の蓄積が見られ、直ちに治療が必要との宣告。明らかに飲み過ぎとの自覚はあるようで、ハイボールを少なくて1Lという無茶っぷり。それを聞いた先生が「肝臓の硬さも精密検査をした方が良い」と超音波検査した結果は、明らかに肝硬変が始まりかけている。ただしこれでも今から直ちに治療を始めると回復の見込みはあるということ。良い仕事をもったものですね。もしかしたらこれで命拾いです。

 また脂肪肝が進むと出血が止まりにくいなどの症状が出ることがあるという。血を固めるタンパク質が合成されにくくなるのだとのこと。彼は今から治療すると治るが、肝硬変までなってしまうと手遅れになるとのこと。肝硬変になってからも酒を飲み続けた場合、5年生存率は35%になるという報告もあるとか(と言っても飲兵衛は「35%は生きてるじゃん」とか言いそうな気もするが)。さすがに最近結婚したという阿諏訪も「お酒はやめます」とのこと。なお完全に断酒した方が良いです。酒とかタバコとかの中毒性のある嗜好品は量を減らすというのはまず続かないので(断酒の会はかなりが成功するのに、節酒の会は大抵全滅するとか)、オールオアナッシングで完全に0にしてしまった方が良いと言います。

 さらに脂肪肝は男性のイメージがあるが、女性も特に閉経後には女性ホルモンの働きが落ちることで脂肪肝になりやすいとのこと。また最近は血液検査に現れない隠れ脂肪肝もあるとのことなので、エコー検査などを受けた方が良いとのこと。

 

脂肪肝チェックリストと予防法

 で、お約束の脂肪肝チェックリスト 1.週に3回以上お酒を飲む 2.通勤や買い物に車を使う 3.20才の頃に比べて10キロ以上太った 4.ジュースなど甘い飲み物を好む 5.眠る2時間前に食事をすることがある 6.平均睡眠時間が6時間未満 これらのうち3つ以上チェックがあれば危険とのこと。ただし特にアルコールは危険因子なので注意だという。ところでこれはそのまま糖尿病の危険度チェックも兼ねているような気もする。ちなみに私は2,3,5,6が該当で以前は4も該当しました。と言うわけで紛いのない脂肪肝です。

 では肝臓を労る食事はどうするかだが、番組お勧めは納豆に黒ごまを加えたもの。納豆のタンパク質にビタミンB2に黒ごまのビタミンEは脂肪肝に有効といわれているとのこと。また食後や飲酒後は30分横になって肝臓に血液が回るようにするのが良いとのことだが、これは牛になりそう。


 以上、沈黙の臓器肝臓のお話。血液検査の度にALT,ASTのγ-GTPいずれかもしくは全てが引っかかっている私にはかなり耳の痛いお話。もっともそんな私でもγ-GTPが高いと言われても64までが正常値のところの80ぐらいまでで、918なんて人跡未踏の数字は見たことがないです(笑)。まあ彼の場合はあからさまにお酒が原因でしょう。私は酒は全く飲みませんので。もっとも私はこれでお酒やタバコをやっていたら、今頃はとっくに死んでいるといわれています。

 

忙しい方のための今回の要点

・肝臓の病気は自覚症状が出にくいために沈黙の臓器とも言われる。最近人間ドックを受けた人の1/3が引っかかるのが脂肪肝だという。
・脂肪肝は特に自覚症状がないので軽視されがちだが、放置すると肝硬変から肝臓ガンにつながる危険がある。
・脂肪肝を発症する原因としてはまずは飲酒。さらに食べ過ぎなども脂肪肝の原因となる。また極端なダイエットによってタンパク質が不足することも脂肪肝の原因となる。
・効果のある食事としては、番組では納豆に黒ごまをかけることをお勧めしている。納豆のタンパク質及びビタミンB2は肝臓に良く、黒ごまのビタミンEは脂肪肝に効果があるとされている。
・また食後は30分ほど横になって肝臓に栄養素が血流に乗って流れやすいようにした方が良いという。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・脂肪肝については私は実は大学生の頃に既に指摘されており、それから実に長いつきあいになってしまってます。私の場合はこれの調子が悪い時は、とにかく体がダルくて疲れやすいという症状が出ます。実は大学生の時にとにかく異常に疲れるという症状が出て病院に行ったところ、脂肪肝の診断が下った次第。なお私の場合、暴食だけでなく、実験などで有機溶媒等を扱うのもさらに肝臓に負担をかけており、それが異常な体のだるさにつながっていた模様。

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