教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

1/24 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「必見!ガン検診をイチから学ぶ」

ガン検診について紹介

 受けておいた方が良いと思いながら、何だかんだで受けずに済ませている人が多いというガン検診。しかしガンを早期で発見するということを考えると、やっぱり受けた方が良い。実際に健康な人でも毎日がん細胞が5000個は生まれているとされており、その都度免疫細胞が退治しているのだが、免疫力の低下などでこの免疫細胞が取り逃がしたりしてしまうとガン細胞が増殖してガンを発症してしまうということになる。だから早期発見が重要ということになる。

 では実際にどんな検診がされるのかを紹介。まずガン検診が普通の健康診断と違うのが、普通の健康診断は一渡りのいろいろな病気について調べるのだが、ガン検診は特定のガンについての検査を徹底的に行うというところである。厚生労働省が推薦しているのは肺がん、胃がん、大腸ガン、さらに女性の乳がん、子宮頸がんの検診であり、これらは自治体で検診が出来て公費補助が出るので負担は少ない。

 

肺がん、胃がん、大腸ガンの検診

 まずは肺がん検診。これは死亡者数で男性1位、女性2位というものだが、これの検診は胸部X線撮影。健康診断で行うものと同じである。これで異常の有無を判断するのだという。40歳以上は1年に1回は受けた方が良いという。

 次は胃がん検診。死亡者数は男性2位、女性4位である。これはまずは健康診断でも行うバリウムを飲んでの胃部X線検査。さらに内視鏡検査である。内視鏡検査はツラいという人には今は鼻から入れる内視鏡などもある。なおバリウムでの検査は検査台上でグルグル回ったりすることになるので、若い人にお勧めとか。精度としては直接見られる内視鏡の方が高い。これらの検査は50歳以上は2年に1回受けた方が良いとのこと。

 さらに大腸検診。死亡者数は男性3位、女性1位。これはまず行うのは便潜血検査。便の表面をブラシでこすってそこに含まれる血液を検査するというもの。なおこれで引っかかったら大腸内視鏡検査をすることになるが、実際はここで異変が見つかるのは3%ぐらいとのこと。なお「痔があるので便潜血は陽性になる」と言う人もいるが、これは関係ないというのは以前にガッテンで放送されていた。実際にこの検診でガンが見つかって命が助かった人も番組に登場している。私の先輩も実際にこれで大腸ポリープが見つかって内視鏡手術を受けていた。この便潜血検査は40歳以上で1年に1回受けた方が良いとのこと。

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 なお番組参加者からPETや血液検査はという質問が出ていたが、これらはガンの予後の観察には使われるが、早期ガンが引っかからないので今のところはガン検診には向かないとのこと。血液検査の精度が上がればより手軽になって良いのだが。

 

女性用の乳がん、子宮頸がんの検診

 そして女性の用の検査はまず乳がん検診。これは年間死亡者数1万4000人もいるガンである。検査としては乳房を挟んでX線検査をするマンモグラフィー。痛みを伴うこともあるので不評な検査ではある。月経前は乳房が張って痛みが出る場合があるから避けた方が良いとのこと。40代以上の女性は2年に1回は受けた方が良いという。

 さらに子宮頸がんの検診。このガンは30代から40代がピークで日本では20代が増加していると言うので注意。検査は婦人科での細胞を取っての検査となる。20代以上で2年に1回は受けた方が良いとのことで、これは特に若い人必須である。

 なおこれ以外のガンとしては膵臓ガンが症状が出にくいのに進行が早いので要注意とのこと。糖尿病や肥満、さらに喫煙者に多いという。検査は腹部超音波検査になる。

 最後は痛いと評判の悪い乳がん検診の新方法について。神戸大学で研究中の方法はマイクロ波マンモグラフィーというもので、胸に外からマイクロ波を当てるだけなので痛みがないとのこと。またより小さながん細胞も見つけられるという。ただこの番組で見た限りではかなり検査時間がかかりそう。


 以上、ガンを早期に見つけるガン検診について。ただこのコロナのご時世下ではなかなか検診というわけにも行かず、それで病気が悪化している人が多いというから要注意。かく言う私もガン検診だけでなく、そろそろ人間ドックも定期的に行った方が良い年齢なんですが、それもままならないというのが現実だったりします。

 

忙しい方のための今回の要点

・ガン検診について紹介。厚生労働省が検診を勧めているガンは、肺がん、胃がん、大腸ガンに女性は乳がんと子宮頸がんがあり、これらは自治体で検査を受けられ、公的補助もあるので負担が少なくて済むようになっている。
・また痛いと不評な乳がん検診については、外からマイクロ波を当てるだけの新しい手法が研究開発中である。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・検診を受けていない人の一番の理由は「健康に自信があるから」だそうな。だけどガンはそういうの関係ないですからね。なおこの中身は実は「自分は病気にかかると思いたくない」という正常性バイアスの象徴みたいなのが大半です。

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