教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/21 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「心臓のSOS 意外と知らない不整脈とは」

心臓の不調サインである不整脈

 今回は致命的な病気につながりかねない心臓の不調のサインである不整脈。しかし実際には症状が特になく気づいていない者も少なくないという。

 まず不整脈とはどういう状態かであるが、心臓を制御している電気信号は右心房にある器官から制御信号が出ており、その信号によってまず収縮してから、次に心室を収縮させるというリズムを1日に10万回繰り返しているのだという。いわゆる心電図というのはこの電気信号の波形を取ったものである。これが乱れると不整脈となる

 

不整脈のチェック法

 では日常ではどうやって気づくか。動悸や息切れと言った症状が出る場合は分かりやすいが、全く症状が出ない人もいる。そこでまず調べるのは脈。まずは脈のリズムに乱れがないかを調べる。次に10秒間脈拍を数えて、それが9~16回なら正常とのこと。8回以下だと遅すぎるし、17回以上なら早すぎるという。

 しかしこれだけだとまだ正常とは言い切れない。そこで長時間心電計で1日の脈拍を測ることになる。今回はレポーターの芸人と、普段から息切れしやすいと言っている女性の二人が被験者。

 さて芸人の方だが、若いこともあって心拍はいたって正常。心拍が上がった瞬間は朝のジョギングと、仕事の打ち合わせをした時とのこと。なお突然に波形の乱れが発生した部分があるが、これは期外収縮という不整脈の一種で、通常の場所以外からの電気信号が発生した事によるのだという。ストレスや睡眠不足、アルコールが誘因になることもあるが、健康な人でも日常的に起こることであり極端に頻度が高くない限り心配ないとする。

 問題の女性の方だが、概ね問題なし。ただしウォーキング時の心拍上昇が多すぎる傾向があるという。交感神経が働きすぎている傾向があり、不適切洞性頻脈症候群という体質の可能性があると言うこと。これが彼女が訴えている息切れの原因のようだ。ただし信号が乱れているわけでないので、普段の生活に支障がなければ問題ないとのこと。症状が強い場合には薬に抑えることも出来るという。

 

不整脈に潜む死に至る危険な病気

 なお安静時の脈拍が10秒間で17回以上だと頻脈性不整脈と言い、息切れや動悸の症状が現れることがあるという。

 そしてこの頻脈性不整脈に、今後増加していくことが懸念されている心臓の異常が潜んでいるという。それが心房細動。心房細動は心房が痙攣するようになるのが特徴だという。肺静脈から余計な電気信号が出て発生するのだという。こうなると血流が滞り、血栓が生じてその血栓が流されて脳梗塞を起こす危険があるという。4割が無症状であり、高血圧や糖尿病の人はなりやすいという。

 なお逆に脈が遅すぎる場合だが、1分間に50回未満だと徐脈という症状だという。これが40回以下になると血液供給が不十分になり息切れなどが現れるという。さらに徐脈があると一時的に心拍が停止することがあり、これが3秒程度続くとめまい、5秒以上止まると失神する危険があると言う。この場合の治療法はペースメーカーとなるが、現在は心臓の中に入れ込んでしまう超小型のものまで開発されているという。

 さて心房細動の治療法だが、アブレーションというカテーテルを使用した手術で行えるという。足の付け根の静脈からカテーテルを入れて心臓に到達させ、4つの肺静脈の周囲を焼いて余分な信号が出なくするのだという。近年はバルーンを使用して液体窒素で冷却、1回で静脈回りの細胞を凍傷で壊死させることで回路を遮断するという患者の負担の少ない方法も開発されており、4本の血管が20分程度処理できるという。80才の患者がこれで手術した例もあるとか。医学の進歩の賜物である。なお程度の軽い場合は不整脈を抑える薬で、それで効果のない場合には手術となるらしい。

 

 と言うわけで心臓に気をつけて、普段から脈を取る習慣を身につけておく方が良いとのこと。となるとこれを買えってことか?

   
AppleWatchは心拍測定機能付きです

 なお私の場合、今のところは特に問題はありませんが、きつい運動をした時などに何度も「心臓がヤバい」と感じたこともあり、恐らく最後は心臓関係の何かで命を落とすのではという予感がしております。

 

忙しい方のための今回の要点

・不整脈が心臓のトラブルの予兆として現れることが多いが、自覚症状がない場合が多い。
・不整脈を調べるにはまず脈拍を見ること。リズムに異常がないかを調べたら、次に10秒間に回数が9~16回の間であるかを調べる。
・これが多すぎる場合は心房細動が起こっている可能性がある。心房細動は高齢者に多いが、心臓内で血液が滞留することで血栓が出来、それが脳の血管に詰まって脳梗塞を発生させる。
・逆に少なすぎる場合は徐脈と言い、これが1分間に40回以下となると息切れなどが現れる。また徐脈がある場合は一時的に心拍が停止することがあり、これが長時間続くと失神する危険がある。この場合の治療法はペースメーカーとなる。
・心房細動は肺静脈の周囲から余計な電気信号が出ていることが多いので、カテーテルでこの信号の回路を焼き切ったり、バルーンを使って液体窒素で壊死させることで回路を断ち切るアブレーションという手術がある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・常にキチンと動いていて当たり前で、そこに異常が生じたら直ちに命に関わるというのが心臓です。大抵の内臓系が機能低下と共に徐々に命を奪いますが、心臓は一発でドカンですので、日頃からのチェックが重要と言うことのようです。不整脈は装置が不調になってガタガタ言いだしている状態のようです。

次回の健康カプセル

tv.ksagi.work

前回の健康カプセル

tv.ksagi.work