教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

3/7 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「身体の疑問SP」

あくびがうつるメカニズムと緊張するとトイレが近くなるわけ

 今回は身体に関する小ネタ集という趣の6題。

 最初はあくびはなぜうつるか。あくびをなぜするかについては、かつては酸欠を解消するためと言われていたのだが、近年の説は脳を冷やすためというものらしい。で、あくびがうつるメカニズムだが、これは情動伝染という心理的現象で相手の行動や感情などが移るものらしい。だから親密な人ほどあくびがうつりやすいという。番組の実験でも他人があくびしてもうつらないが、夫があくびしたら妻もあくびをするという結果が出ている。ちなみに飼い犬にまでうつるらしい。なお生あくびは片頭痛、低血糖、熱中症、脳卒中などのサインの時があるから要注意とのこと。頭痛を伴う場合は検査を受けた方が良いという。

 次は緊張するとトイレが近くなるのはなぜという話だが、これは交感神経が働きすぎたときに尿道が過度な緊張で締まりすぎ、それが膀胱に刺激となって尿意センサーが誤作動するのだとか。私は以前に「緊張によって膀胱が収縮する」と聞いたのだが、どうやらそうではなかったようだ。なお頻尿などの症状で苦しむ人もいるが、頻尿の定義は昼の排尿が8回以上、夜の排尿が2回以上だとのこと。私も老化で以前より尿頻度が上がったように感じていたが、まだ頻尿ではないようだ(昔は昼に3回程度だったのが、今は5~6回)。なお頻尿改善には骨盤底筋トレーニングが効果があるとのこと。やり方は肛門を筋肉を3秒締め、2秒緩めるのを1セット10回で1日2セット実行するのだとか。もっとも肛門の筋肉を締めてと言われても、それをどうしたら良いか分からない者も少なくないような気もする(うちの親父がもろにそれで、ろくにトレーニングしなかったせいで垂れ流しになった)。

 

別腹と鳥肌と心臓ガン

 3つめは別腹は存在するかだが、これはかなり昔にガッテンで実験していた。その時は甘いものが好きな人は満腹であっても甘いものを見れば胃が動いて無理矢理に食物を腸に送ってスペースを作るということをレントゲンで示しており、「世界初」と銘打っていた。この番組ではその同じことを再び行っている。

 4つ目は寒さや恐怖・感動などで鳥肌が立つのはどうしてかという問いだが、これはアドレナリンの分泌によって立毛筋が収縮するものだという。野生の動物が寒いときに毛を立てて空気を多く取り込もうという反射の名残だという。だから毛がほとんどない人間にとってはあまり意味のない反射だとか。ちなみに感動で鳥肌が立つという現象だが、私も比較的最近ではハイティンクの指揮でロンドン交響楽団のブルックナーの交響曲を聴いた時に、冒頭のホルンがあまりに良い音を出すので、ホルンが聞こえてきた途端にゾワゾワと鳥肌が立ったという経験がある。さすがに鳥肌が立つほどの名演というのは、私もそうそう経験したことはない。実際にこの時の演奏は記憶に焼き付くぐらいの名演だった。

 さらに5つ目は身体のあちこちに出来るガンだが、心臓ガンというのをあまり聞かないのはなぜという問い。実はこれは私も以前から疑問は持っていた。なお心臓にガンが出来る頻度は0.02%だそうな。心臓がこのようにガンになりにくいのは温度が関係するという。ガンは温度が低いときに分裂しやすく、心臓は常に運動していて温度が高いのでガンになりにくいのだとのこと。だから平熱が低い人はガンになりやすいとのことであるから、私はもろに危ない。最近は身体の筋肉が落ちたせいで極端に平熱が低下しており、入場ゲートで体温チェックなどをされたら、低すぎてエラーが出ることもあるぐらい(34度って言われたことも)。運動や入浴で体温を上げるのはガンの防止にもなるそうな。

 

しゃっくりのメカニズムと止め方

 最後はしゃっくりはなぜ出るかとどう止めるか。まずしゃっくりの理由だが、これは異常な飲み込み反射だという。食べ物を飲み込むときに喉に詰まりそうになると危険を察知してしゃっくりスイッチが入るのだとか。このスイッチを受けて脳の中枢がしゃっくりで飲み込ませようとするのだという。なるほど、それで老化で飲み込みが怪しくなったせいでしゃっくりがふえるようになったのかと納得。で、止める方法だが、耳の穴に指を入れることで耳の奥の迷走神経を刺激してしゃっくり中枢の働きを抑えるというのがあるという。さらには水を飲むことで喉に何もつかえていないことを脳に伝える方法。さらにはビニール袋再呼吸法というものがあるという。ビニル袋を使って30秒ほど呼吸をすることで動脈の二酸化炭素濃度が上がるので、脳が窒息すると勘違いして呼吸を優先するようになるのだという・・・とのことだが、この方法って過去に過呼吸の対処方として言われていたが、危険であるので止めろとなった方法のはずでは。なお同じ原理で息を止めるというのも効果はあるとのことだが、私の経験では大抵息が止まったまましゃっくりが出てしまう。


 以上、身体に関する小ネタ集。役に立ちそうなのは骨盤底筋トレーニングとガン予防にしゃっくりの止め方ぐらいか。耳に指を突っ込むのは今度やってみよう。内容的には面白いが、今ひとつ実用性のある内容ではなかったな。

 

忙しい方のための今回の要点

・あくびがうつるのは情動伝染のためなので、親密な関係ほどうつりやすい。
・緊張したときは尿道の過度な収縮を受けて、膀胱の尿意センサーが暴走することでトイレが近くなる。
・別腹は無理矢理に胃にスペースを作って食べようとする現象。
・鳥肌はアドレナリンの分泌によって立毛筋が収縮することで発生する。
・心臓にガンが出来にくいのは、心臓が常時運動をしていて温度が高いから。
・しゃっくりは喉に詰まった食べ物を飲み込もうとする反射の誤作動。耳に指を突っ込む、水を一気に飲む、ビニール袋再呼吸法などが止め方として存在する。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・情報的にはまずまず面白かったが、別腹についてだけは「うん、知ってた」だな。ガッテンでかなり以前に派手に宣伝してたので。

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