教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

3/14 TBS系 世界遺産「アドリア海の真珠」

アドリア海の真珠ドゥブロヴニク

 アドリアの真珠と呼ばれる絶景の町がクロアチアのドゥブロヴニク旧市街である。一周2キロの城壁に囲まれた城塞都市である。交易都市として栄え、500年前に今の姿になったという。メインストリートを中心に石造りの赤い屋根の家々が並んでいる。


『世界遺産』3/14(日) ドゥブロヴニク旧市街 〜 赤と青の絶景! アドリア海の真珠【TBS】

 複雑なクロアチアの海岸線に存在するのがドゥブロヴニク。その美しい街並みは「ドゥブロヴニクを見ずして天国を語るなかれ」と言われたという。この都市は海に突き出した岩場の上に立てられ、城壁の高さは最大25メートル、8世紀から16世紀かけて建設されたという。端には聖イヴァン要塞が建造され、これが交易港を守っている。ヴェネチアやオスマン帝国からの交易船が立ち寄ったという。

 城壁は陸側にもあり、外には堀が掘られている。この堅固な防御は自治を守るためのものだった。総督は選挙で選ばれ、独裁を防ぐために次々と入れ替わったという。

 

海のそばに人工的に建造された大都市

 町の中央には幅の広いメインストリートが存在する。脇には交易品を扱う店が並んだという。道も建物も防火のために石造りが義務づけられたという。また町の中は起伏に富んでいるが、これは元々は半島上に作った町を入り江を埋め立てることで拡張したので、中央が低い構造になったのだという。

 この都市で使用される水は背後の山から12キロの大水路で運ばれていた。川の水の一部を地形に沿って築かれた水路で都市まで輸送したのである。

 このような都市を建造するための資金源となったのは「白い黄金」とも呼ばれた塩の輸出。35キロ離れた入り江の奥には塩田が存在し、そこでは天日干しによる塩の製造が今日でも行われている。背後の山には塩田を守るために全長7キロの城壁も巡らせている。14世紀にここを領地としたドゥブロヴニクが建造したという。最盛期には都市の収入の1/3を占めたという。

 また交易都市ならではの施設が検疫所ペストなどの疫病を防ぐために感染の可能性のある者は徹底的に隔離されたという。このドゥブロヴニクは都市の傑作として世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・クロアチアのドゥブロヴニクはアドリア海沿岸に築かれた交易としてある。
・全長2キロの城壁内部には石造りの街路に赤い屋根の石造りの建物が並ぶ。
・ここはかつて海沿いの半島に築かれた町を、入り江を埋め立てることで拡張した。そのために中央が低い構造となっている。
・都市で利用する水は背後の山の川から12キロの水路で引かれている。
・この都市の大きな財源は「白い黄金」とも言われた塩。35キロ離れた入り江の奥で今でも天日干しによる製塩がなされている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・鉄壁の城塞都市に見えますが、明らかに防御の弱点は水ですね。もし包囲を受けたら一番最初に水路を断たれるでしょう。ですから大規模な他国の侵略をここで迎え撃つことは想定していないでしょうね。恐らくせいぜい海賊の略奪に対処するぐらい。

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