中国の赤い山々・丹霞
今回の世界遺産は赤い奇岩の山々の間を1000を越える滝が流れるという中国丹霞である。このような風景は中国に点在するがその中の6カ所を言うらしい。
『世界遺産』3/21(日) 中国丹霞 〜 1000の滝が流れる赤い山々【TBS】
一番南に位置する丹霞山は最も美しいと讃えられる。標高は600メートルあまりしかないが、様々な形が存在するのが特徴であり、それらが想像力をかき立てる。中には子宝観音と呼ばれる山などもある。
山はみな赤色を帯びているが、これは砂岩の色である。含まれる鉄分が酸化して赤く着色している。かつてこの一体は湖で、堆積した土砂が砂岩となり、それが隆起した後に浸食されたのが今日の姿という。隆起はおよそ7700年前なので、永らくの浸食で今日の姿となったという。横方向に溝が見えるが、これは小石が混ざった粗い地層だという。それが崩れ落ちて溝になったのだという。
水の浸食が生んだ地形
丹霞山には無数に縦の筋が入った岩山があるが、これは山上の森に溜まった水が落ち葉の層などを抜けて酸性化して流れたときに岩を溶かしたものだという。
この地形は多くの滝を生み、1000の滝の故郷と呼ばれている。中国丹霞の一番西の赤水には孤を描くような崖があるが、これは滝の浸食によって生じたものだという。最大の水量を誇る赤水大瀑布は落差76メートル、幅は80メートルに及ぶ。亜熱帯に位置する赤水は多くの雨が降り、これが数え切れないほどの滝を生んだのである。
赤水は深い森に覆われているが、岩山の表面が亜熱帯の環境で急速に風化したことによって植物が根付くことが出来たのだという。
浸食初期の赤水に対し、さらに侵食が進むと丹霞山のように様々な山が生じる。江郎山にはさらに浸食が進んだ地形が見られる。それはそびえ立つ石柱。高さ300メートルもの石柱が立つのは江郎山の象徴的風景だという。これが浸食の最終形態。赤い岩山の生き残りである。眼下に広がる平地はかつての砂岩の山地のなれの果てであると言う。
忙しい方のための今回の要点
・中国の丹霞は砂岩が隆起して浸食を受けることで生じた絶景である。
・砂岩に含まれる鉄分が酸化したことで赤い山がそびえることになっている。
・丹霞山には赤い山が多数存在するが、これは浸食の中期になる。
・赤水は多くの滝が存在し、その浸食で孤を描いた崖が出来ている。この状態は浸食の初期に当たる。
・浸食の末期に当たるのが江郎山で、象徴的な巨大な石柱がそびえるが、これが山のなれの果てだという。やがてこれらも浸食で崩れ去り、平地となるのだという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・中国だな・・・という言葉しか出ない風景ですわ。それにしても江郎山の絶壁に細い階段が掘ってあったのは目眩がした。あんなところ死んでも登りたくないわ。
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