レモンが骨密度を上げる
今回のテーマはレモン。レモンの産地で島民はレモンを毎日食べているという大崎上島では、島民の骨密度が高いということが分かったそうな・・・って何か聞いたことがあると思ったら、大崎上島とレモンと言えば以前に健康カプセルで登場していた。しかしその時は骨密度のことは全く触れず、クエン酸とポリフェノールのことだけ紹介していたな。骨密度までたどり着かなかったか。あっちは取材がやや浅いな。
で、ガッテン取材班は実際は「産地に聞くレモンの美味しい食べ方」の類いの取材に行ったら、骨密度の話に出くわしたらしい。レモンを2日に1個食べている人は骨密度が15%ほど高かったとのこと。島民は1人につき、平均すると生レモン73個を食べているらしい。
レモン島こと大崎上島を取材して、実際に島民がどのようにレモンを食べているかを調べると、子供たちは牛乳にハチミツとレモンを加えたレモンラッシーを愛飲。それようのレモンが自宅の庭に生えているというのがすごいところ。さらに寿司は酢の代わりにレモンの絞り汁を使用し、刺身なんかもレモンを搾って食べるそうな。さらには皮を刻んでかき揚げにタルタルソースに。レモンのの漬け物や塩レモンにレモン胡椒などありとあらゆる者がレモンである。なおレモンラッシーはスタジオでもゲストが飲んでいるが、眞鍋かをり氏が番組そっちのけでグビグビと飲んでいる。志の輔氏曰く、クセになる味だそうな。
ではレモンを食べると骨太になる理由だが、レモンのクエン酸がキレート効果でカルシウムを水溶性にするので、カルシウムの消化吸収が良くなるのではとのこと。
実はここからが本題だったそうで・・・
で、後半はレモンサワーの話になるのだが、実は今回はこれをテーマにするつもりで取材していたら、レモンの骨太効果が判明したので、急遽それが加わって前半のネタになったと言うことらしい。まあ後半だけの内容だと中身が薄いのでそれでちょうどだろう。
このレモンサワーの話なんだが、近年やけに缶チューハイなどの類いでレモンサワーが増加しているのだが、それはよりレモンらしさを増す方法が判明したからなのだという。
番組はまずはレモンサワーを製造している酒造メーカーに行っているが、そこの工場ではまずレモンの果汁を搾る。これがレモンの酸味の元。さらに残った皮を絞ってそこからオイルを取っている。このオイルがいわゆるレモンの香りになるのだという。それで終わりかと思ったら、残った皮をさらに粉砕している。実はこれがいろいろと使い途があるのだという。つまりはレモンは果汁の酸味、さらには皮の油胞に入っているオイルによる香り、これ以外のもう一つが存在するという。
レモンの味を深める苦味
それが何かということで、番組はレモンサワーで有名な店で取材しているが、そこでの常連客の様子を見ていたらレモンの絞り方が違う。搾ったレモンをさらにコップにすりつけてグリグリやっている。実はここにポイントがあるのだという。普通にレモンを搾るだけでなく、こうすることで全く風味が変わるのだという。
番組ではこの風味がレモンの何から来ているのかを調べるのに、わざわざ6時間以上かけてレモンを粒の一つ一つまで分解して数えているのだが、結果としてはこれは無意味。志の輔氏も「これ必要だったの?」とツッコミを入れてましたが、実際にレモン解体まではともかく、粒の数まで数えたのは全く不要。で、結論だが、ポイントになるのはレモンの綿の部分に含まれている苦味なのだという。この苦味は実はポリフェノールの一種とのことで、単独では不快でとても食べられないものらしい。しかしこの苦味が加わることで味に奥行きが加わるのだという。これは苦味の使い方として良くある例。なお味だけでなく、香水なんかでもわざと臭いものを少し加えることで香りに深みが出るという話もある(以前にヒューマニエンスで放送していた)。人間の感覚器官とは神秘的なものである。
というわけで、レモンを搾る時はフォークを使ってゴリゴリ綿の部分まで削って、白いもろもろが入るような状態で絞るのが正解とのこと。
レモンの香りは皮に含まれるので、レモンを搾る時はまず皮の方から絞れというのは以前に言っていたような気がするが、今回はそこからさらに踏み込んで、綿の苦味まで加えると来たか。これって同じ原理で考えると、柑橘類はやっぱり皮ごと食べた方が良いってことかも。
にしても、後半のこのネタだけだったら正直一本作るのはしんどい内容でしたが、前半との合わせ技一本と言うところか。取材で格好のネタが浮上しておめでとうというところ。この番組のことだから、単にレモンの絞り方だけでなく、ついでにレモンに健康効果でもないかと先生のところに取材に行ったんだろう。
なお私はアルコールは一切受け付けない体質なのでレモンサワーは無関係です。ですから、今度レモネード作る時に試してみよう。
忙しい方のための今回の要点
・レモンの産地である大崎上島では、島民の骨密度が高いことが分かっており、レモンをとり続けることが骨密度を上げることが分かったという。
・島民はあらゆる料理にレモンを使用しており、平均すると年間1人あたり73個ものレモンを食べているという。
・レモンに含まれるクエン酸がキレート効果でカルシウムを水溶性にするために、消化吸収が良くなるのが骨密度上昇の原因と考えられるとのこと。
・レモンを搾る時に一工夫でレモンの味が全く変わるという。
・レモンは果肉に含まれる果汁が持つ酸味と、皮にある油胞に含まれるオイルによる香り、これに加えて綿の部分のポリフェノールの苦味があるという。この苦味が加わることで味に深みが出るのだという。
・だからレモンを搾る時は、フォークを使って綿の部分まで崩して、白いもろもろが入るぐらいに絞るのが正解。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・経験的に綿の部分に苦味があるということは分かっていましたが、これを加えることによって味に深みが出るというところまでの発想はありませんでした。
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