教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/4 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「劇的進化!最新医療の世界」

VRやAIを駆使した最新医療技術

 今回は最新医療技術について紹介する。

 最初に登場するのはゴーグルをつけて怪しい動きをしている医師。実はバーチャルリアリティを手術の予行演習に使用しているのだという。ゴーグルをつけると肝臓を透視した映像が見え、血管などの位置が表示される。肝臓は見えない場所に多くの血管があって手術の難度の高い臓器であるので、血管や腫瘍を正確に確認できるVRで予行演習をするのだという。さらには実際の手術でも腹腔鏡手術などで患部のイメージを把握するために、実際の映像と重ね合わせて使用されるという。これで手術の危険度が低下するのだという。またインターネットを通して離れた場所にいる医師との相談するなども可能である。

 さらに手術をサポートするロボットも登場している。それは変形性膝関節症の手術を助けるロボットだという。人工膝関節を入れる場合に膝の骨を削るのだが、その場合に膝の骨の削り方の正確さが重要になる。これが歪むと体重が真っ直ぐにかからずに、痛みが出たり関節の寿命も短くなる。このロボットは膝の骨を測定してどう削ったらよいかを表示し、医師はカッターを前後に動かすだけ。ロボットがどれだけ削るかを調整し、さらには回りの腱などを損傷しないようにまで配慮する。従来の手術だと3度ぐらいの誤差が出ることがあったが、この手術ロボットの導入で1度以下になったという。実際に番組のレポーターがこれを使って人工骨を削ってみたが、誤差が0度となった。恐るべし。実際にこれを使って人工関節を入れた患者は、関節には何の違和感もなく、現在は1日100回のスクワットを日課にしているとか。

 

遠隔手術の機械やAI搭載内視鏡に医師が発明した小さな金具まで

 番組では最先端医療について愛知医科大学医学部の植田美津恵氏に聞いているが、最新のロボットではセンハンスという手術支援ロボットがあり、これは離れた場所から腹腔鏡手術を行えるロボットだという。触覚をフィードバックすることが出来るので、医師が他の臓器を傷付けたり押さえすぎたりなどということを防ぐことが出来るようになっているという。手ブレがないので精細な手術を出来るのだという。これを使用した手術は保険適用だとのこと。

 またガンの検査では大腸内視鏡にAIを搭載して、人の目だと見落とす小さなガンをAIが発見するなどという技術も進んでいるという。また抗がん剤についても遺伝子解析をすることでその人に合った抗がん剤を選択できるシステムの開発が進んでいるという。さらに高血圧患者に向けて、AIが患者の血圧をコントロールして症状の予測や改善方法のアドバイスをするアプリも開発中とのこと。

 また医師が開発した新しい医療器具が入院期間を大幅に短縮した事例を紹介。東京慈恵会医科大学の谷諭氏が開発したのは、変形性頸椎症の治療のために切って広げた脊柱管を固定するための金具である。従来はセラミック製の部品を糸で固定して挟んでいたので、それが固定されるまで2週間ほどの入院が必要で、さらに1ヶ月は首の固定が必要だった。しかし谷氏が開発した金具はしっかりとネジ止めで固定できるので、順調に行けば2日で退院が可能で首の固定は必要ないという。メーカーと苦労して共同開発したとのこと。

 

 以上、最新の医療技術についてですが、やはりAIが絡んだものが多かったですが、最後の例は小さな金具というベタなものだったのが、やはりこの時代になってもこういうものも重要なんだよなと思わせられた。

 まあどれだけ技術が進んでも最終的には医師の能力というのも重要なんであるが、最近はどうもそれが心許ない。特にこのコロナ禍であり得ないようなインチキ情報を発信していた医師が少なからず存在した現状を見ると。最近は官僚だけでなく、医師まで政権への忖度を競うようになったか。

 

忙しい方のための今回の要点

・最新の医療技術を紹介。
・まずは肝臓の血管表示などのVRを実際の映像と重ねて表示できる技術。これによって手術部位の確認などが可能で、手術の危険度を下げることが出来るという。
・また変形性頸椎症の治療で、人工関節を正確に取り付けるために膝の骨を正確に削るサポートロボットも登場している。これによって従来は3度ぐらい出ることがあった誤差を1度以下にすることが出来たという。
・腹腔鏡手術を遠隔で行えるセンハンスというロボットは触感のフィードバックも可能で、他の臓器を傷付けたり押さえすぎたりなどを防ぐことが出来るという。
・またAIを搭載して人間の目が見落とす小さなガンも発見できる大腸内視鏡なども登場している。
・一方、変形性頸椎症の治療で切り開いた脊柱管を固定するための金具を医師が開発したことで、2週間の入院期間が2日に短縮されたなどの進歩もあり。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・現在研究が進んでいるのが自動手術機だという。ただそうなると人間の医師はなにをするのという問題になってくる。また医師が手術が出来なくなり、機械が無いと何も出来ない医師がゾロゾロ増えるのではないかなんて気もしてくる。そうなると災害などが起こって電気が止まったら「私は医師ですけど治療は出来ません」なんてことが起こるのではないかということを心配になったりするのだが。
・そう言えばシン・エヴァでは、トウジが手術機を操作することで、実際には医学の心得があるわけでもないのに医師として働いているという描写があったな。

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