教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/4 TBS系 世界遺産「空から見る京都 四季の絶景」

 今回はドローンを使って撮影した京都の特集とのこと。

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嵐山にある世界遺産の庭園

  京都で絶景と言えば秋の嵐山。そこにある天龍寺の曹源池庭園は嵐山を借景とした庭園の名作である。石組みで滝を現した枯れ山水の先駆けだという。嵐山のさらに奥地にある世界遺産は高山寺。国宝のお堂である石水院は紅葉の中の一服の絵画のような風景。

 京都が都と定められたのは風水で縁起のよい土地だから。その北の龍安寺はサクラが有名だが、夏になると緑に覆われる。そんな中白い砂で覆われる石庭がある。これは水を使わずに水を表現した究極の枯れ山水と言われている。この白い砂は花崗岩で生まれた白川砂である。

 京都の東の東山連峰の大文字山と比叡山の間を流れるのが白川。白川砂はこの川の砂なのだという(現在は採取禁止)。地面からせり上がった花崗岩が水で崩れて白川となり、両脇の固い地層が残って大文字山と比叡山になったのだという。

 東山にある世界遺産が清水寺。去年の暮れに清水の舞台が10年がかりの大改修で張り替えられた。高さは13メートルもある。真新しい舞台を見られるのは20年に一度だけだという。元々崖のギリギリに建てられていた建物を、参拝者が増えたことから崖に迫り出すようにしたのだという。

 

川の近くの神社と歴史を語る二条城

 京都は水が豊かな土地である。南を流れる宇治川周辺は平安貴族に人気の別荘地で、そこにあるのが平等院鳳凰堂。この世に極楽浄土を作ろうとした建物である。川を挟んで反対側にある世界遺産が檜皮葺の宇治上神社。平等院の守り神だという。本殿は現存する日本最古の神社建築で平安時代に建てられたものである。拝殿は鎌倉時代のもので寝殿造りで建てられている。

 鴨川の上流の合流地点にある森が下鴨神社。境内のほとんどが森で、この糺の森は大都市の中で古代の植生を奇跡的に残している空間である。下鴨神社は20もの社殿が並ぶ聖域となっている。

 合流地点から左に行くと川の名前は同じ音でも賀茂川と変わる。ここにあるのが世界遺産の上賀茂神社。桓武天皇は上賀茂神社と下鴨神社で遷都の成功を祈り、それ以来ここが平安京の守り神となった。

 そして世界遺産二条城。家康が京都の拠点として築いた城だが、大政奉還はここで行われた。そして皇室の所有となったことで、葵の紋から菊の紋に付け替えられた。ただし御殿の中は未だに葵の紋のまま残っているという。

 

忙しい方のための今回の要点

・京都の世界遺産をドローンで空撮。
・嵐山では天龍寺の枯れ山水の原型となった曹源池庭園に、枯れ山水の傑作である竜安寺の石庭。石庭の白砂は東山の白川で採取した白川砂で、花崗岩が風化したものである。
・東山の清水寺は10年がかりの大修理で舞台が張り替えられた。
・宇治川の近くには平等院鳳凰堂とその守り神である宇治神神社が存在する。
・鴨川沿いにあるのが下鴨神社と上賀茂神社。ここは桓武天皇が遷都の成功を祈った寺院で、平安京の守り神である。
・都の中央にあるのは家康が築いた二条城だが、ここは大政奉還の舞台となり、皇室の所有となったことから葵の紋が菊の紋に付け替えられた。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回みたいなひたすら風景を見せるだけって回は、このブログが一番困るんですよね(笑)。実際のところ「映像を見てください」で終わりだから。

 次回の世界遺産

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前回の世界遺産

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