教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/16 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「認知症、早期発見のポイントとは」

発症者に聞く認知症の注意点

 65歳以上の5人に1人が発症するという認知症。さらに最近は40代ぐらいでも発症する若年性認知症も問題となっている。今回は実際に認知症と診断された当人の話を聞くという内容。認知症は早期対処が重要であるという。

 

危険な物忘れの兆候

 まず登場するのは近藤英男氏。営業の仕事をしていたのだが、メモをしていたのに内容を思い出せなくなって再確認するなどが出て来たのだという。このような最近の物事が思い出せないというのが危険であると言う。記憶の一部が欠けていて、ヒントで思い出せるようなものは良性の物忘れだが、エピソードが丸ごと抜け落ちてしまってヒントがあっても思い出せないというのは危険な物忘れだという。約束の内容でなくて約束をしたこと自体を忘れるような場合が要注意だという。

 また近藤氏は今まで30分ぐらいで出来ていた仕事が2時間3時間かかるようになったという。料理などの段取りが分からなくなるのは前頭葉の機能低下が原因であると言う。彼はアルツハイマー型認知症の診断を受けたという。彼は11年前に診断を受けて治療を行っているが、何とか進行を遅らせているのは散歩や講演会など刺激を積極的に与えているのが効果があるという。人との関わり合いというのが脳を活性化するという。

 

幻視が現れるレビー小体型認知症

 次は4年前に認知症と診断された66才の松浦謙一氏。彼に現れた異変は突然にいるはずのない子供が見えるようになったのだという。これは以前にガッテンでも登場していたレビー小体型認知症である。視覚処理の後頭葉の働きが落ちることで幻視が生じるのだという。また無気力症状もよく現れるという。また記憶力の低下も起こることがあると言う。記憶力の低下に不安を感じる松浦氏は、少しでもそれを食い止めようと音楽活動に力を入れているという。さらにはオンラインゲームにはまっているとか。なお松浦氏によると、認知症に気づくのは本人ではなく回りの家族だという。

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認知症の予防体操と最新の根治療法の研究

 また糖尿病の血流障害などで認知症が起こるという。また難聴は認知症の原因にもなるので要注意だという。番組が紹介する認知症予防体操がスリスリトントン体操。右手はスリスリとさする動作を左手はトントンと叩く動作を行い、その後「ハイ」というかけ声で左右を入れ替えるのだという。これを繰り返すだけで脳を刺激するのだという。実際にやってみるとかなり混乱するが、これ自体が脳への刺激だという。実際に私がこれをすると、入れ替えの度に「脳が引きつる?」のを感じる。

 認知症の治療は現状は症状の緩和の薬。しかし東北大学病院の進藤智彦氏のグループでは根本治療の開発を目指している。それは超音波による物理治療だという。器具をこめかみ部分に当て超音波を脳に当てるのだという。認知症の原因となるアミロイドβの蓄積を、超音波の刺激でNOを発生させて血管を拡張することで防ぐのだという。実際にマウスの実験での効果が認められており、人での治験を進めているという。現在はさらに蓄積したアミロイドβを除去する根治療法を研究しているという。


 認知症については私自身が高危険群に属しているので気にはなってます。とは言うものの、大抵は本人は気がつかないという。どうすりゃいいんだ? 今まで出来ていた仕事が出来なくなるなどと言っていたが、正直なところ、しばらくぶりの仕事はなかなか上手く行かないというのは実は日常茶飯であり、「まさかボケた?」って思うこともしばしば。私の人生なんて、これで最後にボケた日には、悲惨すぎて目も当てられん。

 

忙しい方のための今回の要点

・今や65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症であり、それ以下の若年性認知症も増加している。
・危険な物忘れはエピソードを丸ごと忘れる物忘れ。また脳機能の低下で段取り能力が落ちて料理などが出来なくなると言う。
・また視覚処理の機能が低下して幻視が見えるレビー小体型認知症も存在する。
・認知症は本人は気づかず、家族などの周囲が気づくことが多いという。脳に刺激を与え、社会と関わり合いを持ち続けることが重要であると言う。
・番組お勧めは、右手でスリスリ、左でトントン叩く動作を「ハイ」で入れ替えるスリスリトントン体操。脳が混乱することで刺激されるのだという。
・また認知症の根本治療として、脳内のアミロイドβの蓄積をを超音波の刺激で脳血管を拡張させて阻止する方法が研究されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・認知症の根治療法というのは望まれるところであります。また適度に刺激がある健康的な生活というのが一番の理想なんでしょう。しかし私は日常的に過度にストレスがある不健康な生活を送ってるので先行きは・・・。

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