教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/14 テレ東系 ガイアの夜明け「コロナなのに…なぜ株高!?」

コロナ禍での金余りが株式の高騰につながっている

 コロナの影響で生活に困窮する人々がいる一方で、コロナ流行直後には下落した株価が、なぜかその後は一本調子で上昇、この期に株に参戦してくる若者も増えているという。今回の株高は今までのパターンとは違い、今まで45億円儲けたというカリスマ投資家でさえ読み違えて一時は8億円の損失を出したとか(その後に立て直して最終的に2億5000万円の利益を上げた)。彼によると「一寸先は闇」とのこと。

 なぜこの状況で株価が上昇するのか。今回の株高は、各国の中央銀行がコロナ禍の経済を支えるために紙幣を増刷している一方で、ロックダウンなどで使う場所がなく、結果として余剰となった資金が株式市場に流入しているのだという。行き場のなくなった金はあちこちに回り、ポケモンカードまでが高騰するという状況だとか。NYダウは日本以上に上昇中である。また現在アメリカではコロナからの回復基調にあり、これがV字回復につながっているという。さらにアメリカの政権が金に糸目をつけずに経済を下支えしていることが影響しているという。

 

巨額マネーが向かう先

 これらの巨額のマネーはどこに向かうか。現在投資の対象として脱炭素社会を睨んだ企業などが浮上しているという。テスラに次いで電気自動車で注目されているのがルーシッド。「第2のテスラ」と呼ばれるこの会社のCEOは元テスラのチーフエンジニアだという。まだ1台も販売していないが、サウジアラビアの政府系ファンドから1000億円の出資を受けたという。現在、バッテリーやモーターなどすべてを自社での開発能力を持つのはテスラ以外ではルーシッドだけだという。アメリカでは電気自動車のベンチャーが続々と登場している。

 環境に良いビジネスにマネーが流れる一方で、環境を悪化させるビジネスには世間の視線は厳しいという。チェース銀行は石油会社や石炭会社に巨額の融資をしていることで批判を浴びている。またイギリスのウーバーと言われているデリバルーは最近に株式を上場したものの、投資家からの厳しい洗礼を受けたという。同社では配達員の待遇を巡って労働争議が起こっており、そのことが批判につながったのだという。環境に対する優しさだけでなく、人に対する優しさも求められる時代になったという。

 

存在感を増す高速取引

 株式市場で最近注目されているのが高速取引の会社である。高速回線を使用したコンピュータ売買で100万分の1秒という世界で売買を繰り替えることで儲けるのだという。現在金融庁に登録されている高速売買の会社は55社だが、ほとんどが外資系。その中で1社だけダルマ・キャピタルなる日本の会社が存在する。番組ではダメ元で取材を申し込んだところOKが出たらしい。同社は社員9人の小さな会社だが、技術に長けたエリートを集めている。彼らがプログラムを駆使して1日に数百億の売買を繰り返すらしい。この数十倍の規模という海外の大手会社と向こうを張って戦っているのが彼らのモチベーションとか。どうも社長はこの世界自体が胡散臭いように一般に感じられていることから取材に応じた模様であるが、やはり私は会社の中を見ても「胡散臭い」という印象は拭えない。

 同社は最近、福岡証券市場から市場活性化のための協力を要請されたという。福岡証券市場は観察していても売買がほとんど動かないという閑散とした状況。そこに同社が参入することで売買を活発化させるという考えらしいが、これって単なる八百長賭場ではと思えてならないのだが・・・。

 

 うーん、結局はマネーゲームの世界であり、やはり私の目には「ところでこういう連中が社会にとって何の貢献をしているの?」という疑問はどうしてもつきまとう。高速取引なんてマネーゲームの最たるものであり、そんなものが社会に貢献しているとはどう考えても思えない。

 脱炭素社会が投資の選択基準になるという辺りは分かるのだが、それも単なる一過性のブームに終わらないかどうかも今は読み切れないところである。なお「人に優しくない企業」はさっさと潰れて結構だと私は思っている。また電通のような中抜きしかしない企業も。

 

忙しい方のための今回の要点

・コロナ禍で株だが進行しているが、これは各国政府が増刷した金が、株式市場に流れ込んでいる影響が大きい。
・投資先として注目されているのが脱炭素社会を睨んだ企業。テスラに次ぐ電気自動車メーカーのルーシッドは巨額の資金を集めている。
・一方、環境に優しくない会社や配達員の待遇を巡って抗争中のデリバルーのように人に優しくない会社は投資家からも厳しい視線を注がれている。
・また株式市場で存在感を増しているのが高速回線を使用して100万分の1秒の世界のコンピュータ売買を繰り返して利益を上げる高速取引の会社。そんな中の一つ、ダルマキャピタルでは福岡証券市場の活性化に協力することとなった。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・私は株というものは確かに企業が活動する資金を集めるためのシステムとして必要なものであると考えるが、それを動かして利ざやを稼ぐことだけをやっている連中が一番巨額の利益を得るなんてシステムは不毛だと前々から感じてます。そういうわけで今回の内容はキツいな。ほとんど社会に意味のあることをやっていると感じる者が登場してないので。

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