教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/6 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「ひざ痛の悩みを名医がズバリ診断!」

ひざ痛の原因がひざ以外にある

 ひざ痛に悩む患者は日本で推定3000万人いると見られている。その大半はひざ軟骨のすり減りや剥離による変形性ひざ関節症。悪化すると歩行が困難になってしまう。しかし専門家である整形外科医・銅治英雄氏によると、ひざの痛みの原因がひざ以外にある場合が半分ぐらいを占めるという。

 まず最初は変形性ひざ関節症で、ひざの痛みを10年抱えているという62歳の男性。彼によると階段を降りる時にひざの痛みがあるという。歩行時にはひざには体重の2.8倍の負担がかかるが、階段を降りる時には5倍もの負担がかかるとのこと。医師は実際に男性に階段を降りてもらってその時の痛みを診断、痛みがひざだけでなくももまであり、しびれなどもあることから原因が腰にもあるのではないかと診断。

 なぜ腰がひざに影響するかだが、腰には足に行く神経が通っているので、姿勢が悪くて椎間板の髄核がズレるなどを起こすと神経を圧迫することになり、ひざの痛みを引き起こすのだという。患者はデスクワークでの猫背姿勢が原因で腰が圧迫されたと考えられるという。

 これを改善するのが後屈体操。足を肩幅ぐらいに開いて肘を伸ばして壁に手を付く、そして肘と膝を伸ばしてお腹を前に出すことで腰を2~3秒そらせて元に戻す。これを10回行うのだという。実際に先ほどの患者がこれを試したところ、階段を降りる時の痛みが激減したという。

 逆に常に立ち仕事で反り姿勢が多い人などは、前屈体操がお勧め。背中を壁にもたれさせ、骨盤に手を当ててお辞儀をして上半身を前に倒して2~3秒で元に戻すのを10回行うそうな。先ほどの後屈体操とこの前屈体操で楽になる方をすれば良いのだという。

 

正座などによるひざの痛みの原因

 さらに次の患者はひざ痛歴6年という55歳の女性。彼女は仕事柄正座になることが多く、その度にひざがキツいのだという。これは胡座をかく人にも要注意だという。痛みの原因は関節の周りにある関節包でこれが歪むことで痛みが出ているのだという。

 これを改善するのがひざ伸ばし体操とひざ曲げ体操。例によって楽になる方をすれば良いという。まずひざ伸ばし体操は椅子に座って痛む側の足を前に出し、お皿の上に両手を置いてゆっくりと力を入れ、ひざ裏が伸びきるように押す。2秒立ったら力を抜き、これを10回行う。先ほどの女性はこれで痛みがほとんどなくなったという。

 逆に立ち仕事が多い人はひざ伸ばし体操。これは痛む側の足を椅子に乗せ、ひざに両手を添えると重心を前に移動させてひざを突き出して足を曲げる。そして2秒キープの後に戻す。これを10回とのこと。

 基本的に重要なのは運動などをする時にひざに痛みが出ないようにすることだという。カクカクするようなことがあっても痛みがなければ心配はないとのこと。ひざが痛いのに無理して歩くなどというのが一番悪いとのこと。

 

変形性股関節症を軽減するフラダンス体操

 さらに足に悪影響を与えるのは変形性股関節症。この患者は推定500万人いるという。特に女性の方が骨盤と大腿骨のはまりが浅い人が多いために発症しやすいという。これも悪化すると安静時も痛んで生活が困難になることがある。

 これを解消する驚きの体操がフラダンス体操。片側の股関節に人工関節をはめた患者が、もう片方の股関節も悪くなって手術が必要と判断された時、この体操で手術なしで歩けるまでに回復してしまったという劇的なものである。

 股関節を回すことによって凝り固まって滑液が出にくくなっている股関節を、滑液を出して滑らかにすることで痛みが軽減するのだという。やり方は肩幅に両足を広げて両手は腰に当て、ひざを曲げて前傾姿勢にしてから骨盤をゆっくりと20回回すのだという。この時に腰の外側が足の位置よりも外になるように大きく回すことがポイントとのこと。

 

 以上、足回りのトラブルについて。ひざの痛みが腰と連動することはあることは分かっていたが、むしろ腰が主因になる場合は盲点だった。私の今までの認識は、ひざ痛があることで歩き方が不自然になり、それが腰に負担をかけて腰が悪くなるというものだったのだが、どうやらその反対があると言うことであってこれは要注意である。実際に私は以前より腰が悪く(椎間板ヘルニア持ちである)、そちらの調子が悪い時には足にしびれが出ることがよくあるので要注意である。

 変形性股関節症は高齢女性によく聞く症例です。これが悪化すると人工関節になってしまいますので、関節が固化してしまわないようにこのような運動でほぐしてやるということが重要なのでしょう。まあ股関節に限らず、人間は動かしていない関節はすぐにダメになってくるようです。特に老化してくると様々な潤滑が悪くなるので覿面です。私は両手の手首から先の関節は使いすぎによるトラブルが出ているのに、それ以外の関節は使わなすぎによるトラブルが出ているというガタガタな状態です。しかもコロナが運動不足に拍車をかけてとんでもないことに。

 なお今回の内容、絶妙のタイミングでバンテリンサポーターのCMが入るのに笑いましたが、まあ解決策としてサポーターの使用を挙げたわけではないので、一応は許容範囲としておきます(笑)。

まあ一時的な痛みの場合はサポーターの使用も悪い選択ではないですが

 

忙しい方のための今回の要点

・ひざ痛のトラブルは変形性ひざ関節症が原因の場合が多いが、実はひざ痛の原因の半分は腰に原因がある場合がある。腰椎のトラブルが神経を圧迫してひざ痛になるのだという。
・対策は後屈体操と前屈体操。これの内で試してみて楽になる方を実施する。猫背の人は後屈体操、反り身の人は前屈体操だという。
・またひざの周りの関節包が歪むことで痛みが生じる場合も。正座や胡座などを取る人が注意だという。この場合はひざ伸ばし体操とひざ曲げ体操で楽になる方を試す。
・ひざ痛の予防にはひざが痛くなるような生活をしないことが重要であるという。ひざが痛いのに無理して歩くなどは完全に逆効果とのこと。
・また女性に多い足のトラブルが変形性股関節症。これの軽減法として腰を大きく回して股関節を動かすフラダンス体操がお勧め。股関節をいろいろな方向に動かすことで滑液の分泌を促して動きを滑らかにするのだという。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあひざ痛、腰痛は二足歩行するようになった人類にとっての宿命のようなものです。とにかく無理矢理に二足歩行なんてするものですから。四足歩行用になっていた身体を無理矢理に直立させたツケは結構大きいとか。進化というとドンドンと高機能な方向に向かうと思われがちですが、実際は間に合わせの集大成だとか。

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