教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

7/4 TBS系 世界遺産「3000の聖なる泉とカリブ海」

珊瑚礁の内陸に広がる円形の泉

 メキシコのカリブ海岸のシアンカアンは珊瑚礁の絶景の海である。ここの内陸には3000にもなる無数の円形の泉が広がる。


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 海岸から内陸に向かって青い水路がつながるが、その両岸にはマングローブが茂る。そこに石灰岩が積もっているために光の反射で青く見えるのだという。湿地にある円形の泉はセノーテと呼ばれているが、実はこの泉の水中には広大な地下世界が広がる。各セノーテは洞窟でつながっているのだという。そしてその果ては海にまでつながっている。

 この地は珊瑚礁の石灰岩で出来ているが、氷河期に海面が下がった時に雨で鍾乳洞が出来、その後の海面の上昇で海水が入り込み、鍾乳洞の天井が崩れたのがセノーテであると言う。

 

豊かな生態系とマヤの遺跡

 豊かな珊瑚礁の海には多くの貴重な生き物が棲息している。その中には乱獲によって激減したマナティも存在している。この地に100頭ほど棲息しているとか。

 シアンカアンには人が住んでいたこともあるという。石灰岩を積み上げて作ったマヤ時代の建物も残っている。彼らはセノーテを聖なる泉と考えていたという。セノーテの潜水調査で、セノーテ奥の水中洞窟に生け贄と思われる人骨などが見つかったという。マヤの時代にはこの洞窟はまだ水が来ておらず、その頃に洞窟の奥に生け贄が捧げられたのだろうと考えられるという。

 シアンカアンは自然の美しさが認められて世界遺産となった。

 

忙しい方のための今回の要点

・メキシコのカリブ海岸のシアンカアンは珊瑚礁の海の内陸にセノーテと呼ばれる円形の湖が3000も存在する。
・これらのセノーテは水中洞窟でつながっており、さらには海にも通じている。
・かつてこの地が海水面が下がった時に雨の浸食で鍾乳洞が出来、その後の海面上昇で鍾乳洞に海水が浸入、さらに天井が崩れてセノーテとなった。
・シアンカアンの豊かな珊瑚礁の海にはマナティなど貴重な動物が棲息する。
・またマヤ文明の遺跡も見つかっており、マヤ人はセノーテを聖なる泉と呼び、セノーテの奥の洞窟から生け贄の人骨も発見されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・石灰岩地形というのは、とにかく浸食されやすいので、鍾乳洞など様々な奇観を作りやすいです。それにしてもあんな狭い洞窟を泳ぐダイバーって、恐らく専門職でしょうね。

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