ヨーロッパ最高の絶景の湖群
今回はヨーロッパ最高の絶景とも言われるクロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園。渓谷に沿ってコバルトブルーの湖が何段にもなって連なっており、それらが92もの滝でつながっている。
アドリア海に面する石灰岩の山脈であるディナル・アルプス山脈の山中にプリトヴィツェは存在する。下の湖から登ってくと最大の湖である長さ2.3キロのコジャック湖に到着する。この湖には遊覧船も運航している。
ここからさらにまだ湖は上に続いている。途中には美しい滝も存在する。湖は全部16、高低差130メートルで長さは8キロに渡っている。一番上の湖からさらに水源まで上っていくと、森の中の地中から湧き水が出ていた。この水は大量の石灰分を含んでいる。この石灰分がこの計算の秘密であると言う。
石灰が産んだ階段状の湖
湖の境目には木々が茂っているところもあるが、そういうところでは水が森の中を流れている。水は非常に透き通っているが、それは水中の不純物に石灰分が付着して沈殿するからだという。またその石灰分が石灰華として析出してそれが倒木などに付着することで積み重なり、それが天然のダムになって湖の階段が出来たのだという。ここは元々は一本の川だったのである。12万年前にはこのような階段状の湖が出来ていたと考えられるという。
そしてその景観は現在でも変化している。壁が成長したり、さらにこの地に多いブナの木は根が浅いために倒れやすく、湖の中に倒れた木に石灰華が付着して新たな壁が生成していく。こうやって景観は変化を続ける。
冬になるとマイナス10度以下の世界で滝は凍り付く。緑の森も真っ白となり白い氷の世界が広がることになる。水や氷の重みで石灰華の壁が崩れることがある。こうしてまた景観が変化していく。
忙しい方のための今回の要点
・ヨーロッパ最高の絶景と言われるクロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園は16の湖が階段状に連なり、それが大小92の滝で連なっている。高低差はトータルで130メートル、長さは8キロに及ぶ。
・このような景観が出来た理由は、石灰分を大量に含む水のせい。石灰岩の地中から湧き出した水が含む大量の石灰分は、石灰華として析出して倒木などに付着する。それが生長して湖を仕切るダムが生成するのである。
・このような階段状の湖は12万年前には生成しいたと考えられるが、今もこの景観は変化し続けている。周囲のブナは根が浅くて倒れやすく。湖中に倒れたブナに石灰華が付着して新たな壁が生成していく。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・非常に綺麗な湖ですが、あのコバルトブルーの色も石灰分が影響している気がしたのですが、その説明はありませんでしたね。
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