教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

7/18 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「夏の脳梗塞!早期発見のポイントは?」

夏に増える脳梗塞に要注意

 このうだるような暑さの中、増加するのが脳梗塞である。今回はその体験者に話を聞いている。

 最初の患者は夏の脳梗塞で半身麻痺をした(現在はほぼ回復)という65才の川勝弘之氏。彼が脳梗塞を発症したのは東京で観測史上最も高い39.5度を記録した日の深夜だった。川勝氏は異常に喉が渇いて目が覚めたという。これは脱水症状になっていたということで脳梗塞になりやすい状態だったという。川勝氏が立ち上がろうとした時、左の足の下に地面がないという感覚がしたという。そしてそのまま倒れてしまったのだという。横で寝ていた妻が見に行ったところ目にしたのは、なかなか立ち上がれない夫の姿だったと言う。しかしこの時には「疲れているのかな」ぐらいの感覚ですぐに救急車を呼ぶという発想にはならなかったという。これは正常性バイアスであるという。実はこの後、ネットで父親の症状を調べた息子が救急車を手配したという。川勝氏は右側の脳に壊死した部分が生じており、これによって左半身に麻痺が出たのだという。

 半身麻痺の自己チェックとしては、まず「イー」と声を出して顔の半分に麻痺が出ていないか調べる。さらに両手を手のひらを上にして前に出し、目を閉じて10秒数える間に片手が下がってこないかを見る。さらに「いきじびき」という言葉をキチンとしゃべれるかを確認するという。脳梗塞の治療は早期ほど後遺症が残らないので、すぐに救急車を呼ぶのが重要である。半身麻痺が出やすい顔(Face)腕(Arm)言葉(Speech)、さらに早期治療(Time)ということで、頭文字を取ってFASTがポイントであると言う。

 

脳梗塞の前兆症状

 次の患者はまだ左半身に麻痺が残っている58才の佐藤氏(仮名)。彼は35度の猛暑日に法事に出ていて何度もハンカチを落とすという異常が出たのだという。さらには納骨式が終わって帰る時にまっすぐ歩けないという状態になったのだという。そこで救急車を呼んだとのこと。落とし穴は目眩・吐き気・ふらつきなどは熱中症と区別が付きにくいこと。これに半身の麻痺などが出たら直ちに救急車を呼んで欲しいとのこと(熱中症でも呼ぶべきと思うが)。彼は5ヶ月入院の後に社会復帰したが、今から思えばその半年前に30秒間左半身の感覚がなくなるという現象を経験したという。あの時に気づいていればという後悔はあるという。これは一過性脳虚血発作といい脳梗塞の前兆の可能性が高いという。一時的に血栓で脳の血管が詰まった状態だという。これを発症すると48時間以内に脳梗塞を発症することが多いので、異常を感じたらできるだけ早く専門病院にかかるべきとのこと。

 脳梗塞を発症した場合、回復のためのリハビリが非常に重要だという。脳の機能が混乱しているために、それを元に戻すにはリハビリが非常に重要で回復期と呼ばれる時期に機能回復を積極的に行うことがポイントだという。また家族のサポートも重要であるという。また患者本人としては「人生の目標を持つ」ということがメンタル面で重要であるという。


 以上、脳梗塞についてですが、患者の実際の経験を聞くと言う割には当たり前の内容で、今ひとつ目からウロコのような話はなかったなと言う印象。何にせよ脳梗塞は素早い対応が重要なんですが、これって運にかなり左右されるんですよね。何だかんだ言っても、誰もいないところで一人で倒れてしまったらそれまでだから。

 

忙しい方のための今回の要点

・夏に増加する脳梗塞について実際に患者に体験談を聞いている。
・一人は暑い夜中に脳梗塞を発症した例。身体が脱水状態になることで脳梗塞を発症しやすくなるのだという。しかし妻は「疲れているのかな」ぐらいで救急車を呼ぶという発想にはならなかったという。これが落とし穴。脳梗塞は直ちに救急車を呼ぶべき。
・ポイントは顔、腕、言葉などに半身麻痺が出ていないか。もしそれが見られたら、一刻も早く救急車を呼ぶ。
・もう一人は真夏に法事に出ていて脳梗塞を発症した男性。実は半年前に30秒ほど左半身が麻痺する症状が出たという。それは一過性脳虚血発作という状態で、これが出ると48時間以内に本格的な脳梗塞の発作を発症する場合が多いので、専門医で診断を受けるべきであると言う。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・脳梗塞は夏の水分不足が大敵です。これを起こすと元々体質的に問題がなかった者でもも突然に脳梗塞を発症することがあります。そもそも血管にトラブルがあった者などは一発で命取り。早めの水分補給を心がけるべきでしょう。というか、そもそも炎天下は出来るだけ出歩かないようにするべき。今の日本の夏の都会は殺人的だから。

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