地元密着戦術を打ち出す無印
無印は現在、衣食住の各分野に乗り出して行こうとしているという。現在第2の創業を謳っている無印では拡大路線を進めている。そのための戦略は地域への土着化だという。
直江津では閉店したイトーヨーカドーの後に巨大店舗を出店した。地域を調査して上越の商品を取り扱うコーナーなども設置したという。さらに地域食材を利用した食品を食べられるフードコートもあるという。さらにはなくなりつつある本屋コーナーも作り、体操教室を開催するなど地域に密着した活動を行って売り上げは上位に入ったこともあると言う。
さらにはバスを使って地方での移動販売も行っている。月に3~5回、山間部を中心に回るという。バスの到着は役所と提携して有線放送で伝えている。目先の利益よりも将来的な地域の盛り上がりを考えているという。
しかし求められている商品が無印良品が手がけているものとは違う場合もある。そこで市役所を通じて地元のスーパーなどに移動販売車を出してもらうように依頼する。無印がきっかけとなり、地方の買い物事情が変化しつつある。
横浜や浪江などでも地域密着
出張販売は横浜でも考えられているという。高齢化した団地では買い物事情が悪いところがあるのだという。横浜の駅前にオープンする無印で出張販売が検討されていた。ここでは地下ではスーパーと提携しての地域密着店を目指している。
週一回の移動販売で80歳の男性から押し入れの収納の相談を受け、収納器具の提案を行う。こうやって御用聞きとして無印の輪を広げている。
さらには浪江では道の駅へも出店した。これは無印で初めてだという。浪江では地震の影響でまだ戻ってきていない住人も多い。ここに志願してやって来た佐々木氏は地元の出身。彼女は産業振興課の一員として浪江町役場で働いている。彼女は新たな特産品の発掘と宣伝が使命である。彼女が気になっていたのは浪江の農家が手がけているえごま油。販路に困っていた油の販売を無印で手がけることにする。
もろに無印の宣伝という内容がこの番組らしくはあるが、地域密着とか地産地消というのはこれから向かうべき方向として私も同意する。もっとも無印の場合、それは社会事業ではなくて最終的にはビジネスにしないといけないわけであるから、どういう風に収益を上げるかが問題だろうが。
とにかく今までの効率一辺倒で中央集約化を目指してきた経済は、その弊害で限界に来つつあるので、その逆の方向として地域密着は出てくるべき動き。問題は無印だけの話でなく、これをいかにして日本全体に広げていくか。地域の活性化は日本全体の活性化につながるだけでなく、一極集中の重みでつぶれつつある東京をも結果的には救うことになると考えるのだが、短期的には自身の利益に反するために抵抗する者も出るだろう(それが特に政権中枢周辺に)。その辺りをどうするかも政治的な課題ではある。
忙しい方のための今回の要点
・無印は新たな拡大路線との一環で地域密着を掲げている。
・直江津の巨大店舗では地元産品を扱うコーナーを設け、山間地への移動販売なども行っている。
・また移動販売は横浜の高齢化した団地でも開始した。無印が地域の御用聞きとなるのだという。
・浪江ではみちの駅に出店。地元の特産品の発掘と販路の開拓を目指している。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・見ているとだんだんと無印が総合スーパーの方向に向かっているようにも見えるんですよね。結局はそうなってあらゆる業界がクロスしだした結果、流通業界にまた大きな再編成が必至な気がする。
次回のガイアの夜明け
前回のガイアの夜明け