氷河が作った平行に並ぶ島々
ノルウェーのヴェガ群島は青い海に細長い島々が筋状に並んでいる。島の数は大小6500もあるという。
ヴェガ本島には険しい山々がそびえ、標高は800メートルを超えるという。この島々は今も隆起を続けているという。9500年前の海岸線は今では海抜70メートルの高さにあるという。1万3000年前まで北欧は分厚い氷河覆われていたのだが、それが氷河期が終わって氷が溶けると、その重量から解放された大地が隆起しているのだという。氷河が溶けた直後には年間3センチも隆起したという。そして今でもわずかに隆起は続いている。
また島々が平行に並ぶのも氷河の働きによる。氷河に運ばれた石が大地を削って太い筋を作り、それが氷が溶けて隆起した時に、筋状の出っ張り部分が島になったのだという。
1000年前から続く人の営み
無人島ばかりに思える島だが、実は人が住んでいる島もある。ここの島は岩石質のためにこの島に住む人は海藻に家畜の糞を混ぜて発酵させることによって土を作ったのだという。そうやって1000年かけて緑の島を作った。しかし表土はほんの数センチしかないので農業には向かず、牧草を生やして羊を飼っている。
さらにここには世界が注目する産物がある。あちこちに小さな小屋が建っているのだが、実はこれは野生のホンケワタガモの巣である。4月に小屋の中に海藻を敷いて用意をしておくと、5月頃にやって来た鴨は小屋の中を巣にして産卵する。その時に自らの柔らかい羽根をむしって布団代わりに敷くのだという。そして2ヶ月後にひなたちが巣立ちしていくと後には羽毛が残っている。この羽毛を拾って丹念にゴミを除けると羽毛の宝石とも呼ばれる最上級のダウンが誕生するのである。このダウンを詰めた布団には1枚100万円もの値が付くという。
忙しい方のための今回の要点
・ノルウェーのヴェガ群島は6500もの島が平行に並んでいる。
・これらの島は氷河が削って生まれたもので、氷河期が終わって氷が溶けたことで重量から解放されて陸地が隆起、そして今日のような島になったという。
・この島には人が住んでいる者もあり、岩石質の島の上に海藻と家畜の糞を混ぜて発酵させることで土を作り、牧草を育てて羊を飼っている。
・またここには野生のワンケワタガモが子育てにやって来るので、彼らのために巣を用意しておくと、巣立ちの後に羽毛がそこにのこる。これは最上級のダウンであり、布団にすると100万円もの値が付くという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・100万円の布団のインパクトに全部持って行かれたような気がするな。確かに1つの巣から17グラムのダウンらしいから、布団作ろうとしたら大変なのは分かるが。
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