健康な暮らしに重要な「朝たん」
今回のテーマは「朝たん」。この言葉だけだと何のことかは分からないが、これは「朝にタンパク質を摂ろう」という意味である。ではなぜ朝にタンパク質が必要なのかだが、これは人間の体の特性が影響している。
番組ではガッテンボーイが実験台になっているが、その実験とは寝る前に筋肉量を測定してから寝るだけ。たっぷり8時間寝た後に筋肉量を測ってみたら、何と一晩で600グラムも減っている。
まあ水分の状態なども変化するので、これが単純にすべて筋肉というわけでもないが、実際に夜に寝ている間に筋肉が減少するのは普通なのだという。人間は食事でアミノ酸を補給し、このアミノ酸が筋肉の増強などに使用されている。しかしアミノ酸を使用するのは筋肉だけでなく、内臓やホルモンの製造などあらゆる場面で使用されている。それが夜になるとアミノ酸の補給がなくなる。さらにアミノ酸は備蓄が効かないのでアミノ酸が枯渇する。そうなった時に筋肉が分解してアミノ酸を供給するのだという。
朝食にさらに10グラムのタンパク質をプラスする
だから朝はアミノ酸が不足した状態になっている。さらに筋肉も減っている。ここで再び筋肉を増やすようにスイッチを入れることになるが、その時にアミノ酸が不足していたらスイッチが入らないのだという。だからこそ朝に朝食でアミノ酸をとることが重要なのだという。
さらに言えばトレーニングなどを行っていても、アミノ酸が不足していたら筋肉は増えない。番組では実際に日々トレーニングなどを行っているにもかかわらず筋肉が減ってしまうと困っている人物の食生活を分析しているのだが、朝のタンパク質量が足りないのだという。彼らは1日では十分な量のタンパク質を摂っているのであるが、朝のタンパク質は10グラム以下とやや少ないという。理想は各食で20グラム以上摂ることとのこと(ただし食事のバランスを崩さないことは重要)。
そこで朝ご飯にタンパク質を10グラム増やすことを目的にして朝食を見直した。番組ではタンパク質量を記したカードを作り、そこから10グラム分を選ぶという方法でメニューを見直している。ちなみにこのカードは番組HPで公開中とのこと。
で、先ほどの人たちが実際にこれで朝食のタンパク質を10グラム増やしたところ、被験者全員が5週間後に筋肉が増加していて目出度し目出度しという結果になっている。
以上、朝にタンパク質を摂ることが筋肉を増強、また維持するのに重要だというお話。筋肉量は30才ぐらいをピークに減少していくとのことで、実際に私なども最近は目に見えて筋肉が落ちていっていることを感じている。これは早速参考にしてみたい。
また筋トレをした後に糖質を摂ることがタンパク質の吸収を高めるという話が以前に小豆の時にあったはずである。この辺りを組み合わせたら効果的に筋肉の増強が出来そうである。
もっとも問題は確かにタンパク質を摂ることで筋肉の減少は防げるかもしれないが、減ってしまった筋肉を増強するには何らかの運動は必需なんだよな・・・。実は今はなかなかこの運動が出来ないから困っている。体力・気力が落ちているということもあるが、物理的に運動の時間が取れないというのが実は一番大きい。しかも運動不足で筋力が低下すると、体を動かすのがしんどいので余計に動かなくなるという恐怖の悪循環である。まずこの悪循環を立たないことには何事も始まらない。
忙しい方のための今回の要点
・人間は寝ている間に筋肉量が減少する。そのために朝にタンパク質を十分に摂ることが筋肉の維持のためには重要である。
・寝ている間はアミノ酸の補給がないので、筋肉が自らを分解して臓器や免疫などの維持のためのアミノ酸を提供することが寝ている間に筋肉が減る原因である。
・摂取するタンパク質の量としては、1日3食で1食あたり20グラム以上、特に朝食は重要なのにとかくタンパク質が不足しがちなので注意する必要があると言う。
・番組では食品のタンパク質量が分かるカードを作成、これを元に朝食のタンパク質を増やしたところ、それまでトレーニングしても筋肉が増えないと悩んでいた人たちが、全員筋肉が増加して目出度し目出度しである。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・筋肉の減少はそのまま運動量の低下につながり、ひいては寝たきり一直線ですから、特に高齢になってくると死活問題になります。しかし高齢になってくると朝から肉類とかはキツくなるんですよね。だからタンパク質の取り方に工夫が必要です。
・そう言えば高齢でも元気な人って、朝からステーキモリモリ食うような人ばかりだったな。やっぱりあれって本当に効くようですね。
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