教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

1/9 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「地方の成功例に学ぶ!高血圧対策」

高血圧解消に取り組んだ長崎県時津町

 高血圧と言えば上が140mmHg以上、下が90mmHg以上になった時に診断されるとされている。なお日本人の中で高血圧は推定4300万人いるとされているが、特別な症状が出ないので見過ごされてる場合が多い。しかし高血圧になると血管壁に傷がつき、そこに血栓が出来ることで動脈硬化が進行、その結果として脳卒中や心筋梗塞などの致命的な病を発症する危険が4倍に増すという。特にこの時期は寒暖差による血管収縮で危険である。

 そのような高血圧対策に地域で取り組んでいるのが長崎県の時津町だという。長崎県北部の人口3万の港町だが、2020年に高血圧に対する取り組みが評価されて厚生労働省健康局長優良賞を受賞したという。時津町では長崎県が高血圧のワースト県になったことを切っ掛けに取り組みを開始したという。

 

 

時津町が取り組んだ減塩メニュー

 高血圧の原因の一つは塩分のとりすぎで、とにかく日本人はこれが多い。時津町の人々の食生活の特徴は長崎全般として薩摩揚げなどの練り製品が多いことだという。これらの練り物は塩分が多くなりがちである。また長崎と言えばちゃんぽんだが、現地ではこれにソースなどをかけて食べる人が多く、調味料からの塩分も多いという。

 そこで時津町では塩分を40%をカットした薩摩揚げを使用するなど、減塩メニューの開発に取り組んだという。これらの減塩料理の浸透の結果、高血圧の減少につながったのだという。

 減塩メニューのコツとしては胡椒や唐辛子などのスパイスを利かせて塩分が少なくなっても味が薄くならないようにするとかの工夫があるという。また胡麻も塩分を減らすのに貢献するという。地域では試行錯誤で減塩弁当などを開発したという。

 時津町の減塩メニューの一つとして、番組では減塩おでんを紹介している。薩摩揚げは当然のように減塩薩摩揚げを使用、さらに大根やこんにゃくなどは表面に切り込みを入れ、油揚げなどはお湯で油抜きすることによって味が浸みやすくなるので調味料を減らせるのだという。

 

 

さらに運動を併用する

 また運動をすると言うことも重要だという。時津町ではスクエアステップなる運動法に力を入れている。元々は高齢者の転倒防止や認知症予防を狙ったものだったらしいが、高血圧予防にも効果があることが判明したという。マス目を書いたシートの上で先頭の人がステップを踏みながら歩き、後がそれを真似するらしい。このような運動では血流の活発化で血管壁が刺激されることでNOが分泌されて血管が拡張されるので、高血圧予防にもなるという。また体を動かすことによるストレス解消効果も大きいという。


 以上、地方が取り組んでいる高血圧対策ということですが、要は減塩と運動です。実は私も最近は年のせいかついに血圧が上昇傾向になり始め、このままだといよいよ長くないのではという気配が漂い始めています。やっぱりいろいろな意味で運動が必要なのだろうとは思うのですが、コロナ禍以降そちらが壊滅的なのが問題です。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・長崎県の時津町で取り組んだ高血圧対策を紹介。
・まずはやはり減塩への取り組み。長崎県では練り物の消費が多く、長崎チャンポンにソースをかけて食べる習慣など塩分が多くなる傾向があったという。そこで減塩メニューを開発した。
・塩分を40%カットした減塩薩摩揚げなどを開発、さらには胡椒や唐辛子を利かせ、さらには胡麻を使用することなどで減塩でも味が薄いと感じない減塩弁当などを開発したという。
・番組では減塩おでんを紹介。大根やこんにゃくなどは表面に切り込みを入れ、油揚げなどはお湯で油抜きすることで味が染みこみやすくなるので調味料を減らせるという。
・また高血圧予防には運動も効果がある。NOが分泌されることで血管が拡張する効果と体を動かすことによるストレス解消効果が期待できるという。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・確かに九州って練り物が多いかな。練り物は元々塩気で魚の身を固めていたから、どうしても塩分が多くなる傾向が昔からあります。とにかく日本料理って、味付けだけでなく加工にも保存にも塩をよく使うので、塩分過多は日本の国民性みたいなところがある。

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