正常範囲内だから安心というわけではない
健康診断は「異常なし」と診断されるとそれで安心して終わりになっている人が多いと思うが、もっと注意してみたらチェックするべき場所があるという健康診断の有効活用法。
集められたのは健康診断で異常なしとされた男女3名。しかし彼らのデータは細かく見ると要注意ポイントがあると言う。
最初は70才の男性。彼の場合はγ-GT(GTP)の値が正常値の下限ギリギリなのが要注意だという。各種数値は高いといけないものが多いが、低すぎる場合も要注意である。γ-GTがギリギリまで低いと言うことは、肝臓内でホルモンが作られていない可能性があり、それは原料となるタンパク質が不足しているからだという。タンパク質摂取量の目安は体重kg×1gだという。実際に彼の日頃の食生活を見ているとタンパク質が必要量に到達していない。タンパク質の不足が続くと筋力が低下して、将来的にはフレイルにつながる危険性がある。なおタンパク質不足はヘモグロビンや赤血球数の低さにも出るという。
次に登場した30才の女性も検査結果は異常なし。ただ要注意は3年の間に血糖値が増加傾向にあることだという。健康診断は時間経過による変化も重要であり、彼女のように徐々に血糖値が増加している場合は将来的に糖尿病に結びつく可能性がある。そして彼女の血糖値が上昇した原因も実に今日的なものであった。元々彼女は定期的にダンススタジオに通っていたのだが、それがコロナで閉鎖され運動不足になっていたのだという。運動不足になったことによって筋力が低下し、そのために糖の代謝が悪くなったと考えられるという。
最後の60才の女性の場合はBMIが徐々に増加傾向にあるのが要注意。女性の場合は徐々にBMIが増加するパターンは脳卒中のリスクが上がるのだという。特に閉経以降の女性は体重が一気に増えることがあり、この場合に内臓脂肪が増加するので血管が老化してしまうのだという。
医師お勧めの人間ドックのオプション診断
次が人間ドックでお勧めのオプション検査を医師が紹介。まず消化器系の専門医はABC検診をお勧めする。これでガン死亡原因3位の胃がんのリスクが分かるという。これで胃がんの原因になるピロリ菌感染の有無と胃の痛み具合が血液検査で分かるという。
脳卒中の専門家は頸動脈エコー検査をお勧め。首の動脈硬化の程度が分かるので、心筋梗塞や脳梗塞が発生する前にそのリスクが予測できるという。最後に肝胆膵専門の医師は腹部エコーを勧めている。自覚症状の出ていない胆石や腫瘍などが発見できるという。
以上、健康診断について。ちなみに私も職場で毎年受けていますが、毎回所見ありです。思い返すと、入社以来問題なしの診断になったことは一度も無いという超健康不良人であります。今時のようなとにかく企業の選抜の厳しい時代だと、健康だけではねられそうなところですが、時代の勢いで入社してしまいました(笑)。
元より内臓はボロボロなんですが、最近はこれに難聴が進んできて、こちらも有所見という状態。恐らく人よりも老化が早いんでしょう。毎回健康診断の結果が返ってくる度に「お前はもう死んでいる」と書いてあるようなものです。いつも結果を見ながら思わず「あべし」と叫んでます。
忙しい方のための今回の要点
・健康診断において問題なしという結果が出ているからと安心していてはいけない。正常範囲内でも注意すべきポイントはある。
・例えばγ-GTは高いと肝臓に障害があるが、低すぎる場合はタンパク質が不足している可能性がある。これが続くと筋肉量が低下してフレイルにつながる可能性もある。
・また正常範囲内でも血糖値が徐々に増加していっているような時は要注意。将来的に糖尿病につながる可能性がある。
・さらに女性の場合、BMIが正常値の範囲内でも増えて言っている時は脳卒中のリスクがある。特に閉経後の女性は急激に体重が増加することがあるので注意。
・医師がお勧めする人間ドックのオプション検査として、胃がんリスクを発見できるABC検診、動脈硬化が判定できる頸動脈エコー検査、肝臓などの異常を調べる腹部エコーなどが上がっている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・健康診断は毎年職場でありますが、人間ドックを受けたことは1度しかないです。正直なところ受けた方が良いのは分かっているのですが、面倒臭いのと、金がかかるのと、どうせ結果がボロボロだろうことなどからどうしても足が遠ざかります。
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