重篤な病気を引き起こす脂質異常症
血液の問題として重要なものの一つが脂質異常症。それ自体は自覚症状はないが、放置しておくと将来的に脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を呼び起こす。今回はこの脂質異常症の注意点とコントロール方法を専門医が伝授する。
脂質異常症の基本はいわゆる悪玉コレステロールことLDLコレステロールの量が多いと言うこと。これが増えすぎると血管内にコレステロールを蓄積させるので動脈硬化を引き起こす。このコレステロールを掃除するととされているのが善玉コレステロールことHDLコレステロールである。これらのコレステロールに中性脂肪のどれか1つが基準値からはずれている状態を脂質異常症と呼ぶのだという。
LDLコレステロールは食生活で増加する
番組では50代男性と50代の女性の2人の被験者の診断を行っている。2人とも運動不足や体重増加が気になっているという。まず最初の女性だが、血液検査の結果を見るとLDLコレステロールの値が高い。これが高くなる原因は普段の食事にあると言う。そして彼女の食事を見るとあからさまにカロリーオーバー(必要カロリーの倍を摂取している)。これらが脂肪として蓄積するという。さらに動物性の脂(飽和脂肪酸)を多く取るとLDLコレステロールが高くなると言う。特に女性は40~50代の閉経後になると、女性ホルモンの減少で脂質異常になりやすい上に血管も傷みやすくなるのだという。
次の男性はLDLは基準値内なのだが、総コレステロール値が高い。総コレステロール値からLDLとHDLを足したものを引いた残りが隠れたコレステロールであり、これは小悪玉コレステロールであり、これも気にした方が良いという。総コレステロールからHDLを惹いたものが総悪玉コレステロールであり、これが170を超えるとアウトだとか。そしてこれが増えているのは中性脂肪が増加しているからだという。なお30年間でこれが100から220以上に上昇した場合、女性で4.3倍、男性で3.4倍血管系の病気になりやすいという。
では彼がそうなった理由だが、キノコなどの鍋は良いのだが、そこに入れていた大量のうどんが問題。そしてそこにアルコール。これで肝臓での中性脂肪がガンガンと増えているのだという。
改善のための方程式
食事ではやはりコレステロールを気にするべきということで、番組では焼き鳥で比較しているが、コレステロールが高いのはうずら玉子にレバーなど、低いのはささみやももとのこと。LDLコレステロールが高い人は1日の摂取量を200mg以下にして欲しいとのこと。
最後は脂質異常症の改善につながる4つの方程式として、1.肉を食べたら次は魚(魚のEPAやDHAが血中コレステロールや中性脂肪を減らす) 2.副菜は野菜や海藻を(食物繊維が余分なコレステロールや中性脂肪を排出、腸での吸収も抑える) 3.大豆を生活にちょい足し(大豆の中のイソフラボンがコレステロールや中性脂肪の上昇を防ぐ) 4.週3日のウォーキング(週3日1日30分の有酸素運動がHDLコレステロールを増やす) 以上である。なお効果の出る人は1ヶ月以内で現れることがあるという。で、先の被験者が実行したところ、体重が3%減少(これが効果が出るちょうどいい塩梅だという)、中性脂肪も減少している。なお中性脂肪が元々高かった人は、コレステロールが減少する時に一時的にLDLが増加することがあるとのこと。
以上、高脂血症について。うーん、私はこちらの方は目下のところは問題ないんですが、やはり年齢のこともあって徐々に怪しくなってきてます。やっぱり運動不足と食べ過ぎが諸悪の根源であることは重々分かっているのですが・・・。
忙しい方のための今回の要点
・動脈硬化から脳梗塞や心筋梗塞につながる脂質異常症についてのポイントと対策を紹介。
・まずLDLが高い場合は要注意。LDLが上がる原因は摂取カロリー過剰と肉などの飽和脂肪酸の摂取。
・さらに総コレステロール値からHDLを引いた総悪玉コレステロールにも注目。LDLとHDLが基準内でもこれが170を超えていたら要注意。
・中性脂肪が増加すると総悪玉コレステロールが増加する。中性脂肪を増やすのは炭水化物の取りすぎとアルコール。これらによって肝臓で中性脂肪が合成される。
・脂質異常症の改善には、まず肉を食べたら魚を食べる。野菜や海藻を摂る。大豆を摂る。週3日のウォーキングなど。早い人は1ヶ月で効果が出るという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・私の場合、これで脂質異常症が出たらもう棺桶直行だと言われています。やっぱり運動だよな・・・。
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