教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/24 TBS系 世界遺産「大発見!古代神殿の大トンネル」

メキシコの古代文明の都市遺跡

 メキシコの古代都市テオティワカンは、紀元前1世紀から6世紀頃まで栄えた巨大都市である。ここにはアメリカ大陸最大規模のピラミッドが存在する。このテオティワカンで大発見が相次いでいるという。


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 テオティワカンは標高2000メートルを超える高原にある。面積は20平方キロ。北の端に月のピラミッドがあり、その南で都市の中央に太陽のピラミッドがある。太陽のピラミッドは高さ65メートル、底辺の長さ223メートルもある。石の道具しかない時代に石で石を切り出して積み上げたのである。その頂上では何らかの儀式が行われたと考えられている。

 最盛期の4世紀に10万人が暮らした巨大都市。月のピラミッドから南に延びる長さ4キロ死者の大通りと呼ばれる道沿いには階段があり、建物が整然と配列されていた。南の端の城塞と呼ばれる広場にある羽毛の生えた蛇神殿の調査の結果、83センチが建築の基準単位になっていることが判明した。発掘の結果、多くの宗教儀式に関わる道具も発見されている。また貴族の屋敷も見つかっており、階級社会だったことが覗える。しかし文字がないために詳しい歴史が分からないのだという。そしてまだ王の墓は見つかっていない。

 

 

神殿の地下での大発見

 そんな中での大発見は羽毛の生えた蛇神殿の真下だった。ここの地下に神殿の真下に届く103メートルのトンネルが発見されたのである。13万点の出土品や1700年前の花束が見つかったという。黒曜石のナイフや焼き物などが発見されており、王の墓なのではないかと言われている。さらには137体の生け贄の人骨も発見されているという。神殿の彫刻は羽毛の生えた蛇と王冠であり、確かに王の墓に相応しいものではある。

 さらにはマヤとの交易の証も見つかったという。それは長さ30センチの巨大な貝で、海のないテオティワカンでは入手しようがない。またマヤに特有の絵柄が描かれている。マヤとテオティワカンは黒曜石と翡翠を交易で交換していたという。翡翠の装飾品は月のピラミッドの頂上でも見つかっている。さらにマヤの様式で描かれた壁画も見つかっており、大量の食器類が発見されたことから、テオティワカンとマヤでの高官同士の交流があったと推測されている。テオティワカンには他の国との交流の証も見つかっており、当時の国際都市だったと考えられている。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・メキシコの古代都市テオティワカンにはアメリカ最大のピラミッドがある。
・テオティワカンは紀元前1世紀から6世紀に渡って繁栄し、最盛期には人口10万人に及んだという。
・貴族の屋敷が発見されていることから階級社会であることは分かっていたが、今まで王の墓が見つかっていなかった。
・しかし南部の羽毛の生えた蛇神殿の地下にトンネルが見つかり、そこから大量の出土品や花束などが発見されたことから、ここに王の墓があるのではないかと推測されている。
・またテオティワカンにはマヤと交易を行っていたことを示す出土品が見つかっており、マヤを含む他の国家と国際交流をしていたと推測されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・古代の交易都市というところですかね。南米とかでもかなり進んだ古代文明が発達していました。もっともそれをすべて破壊したのが野蛮人である侵略者スペイン人なんですが。

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