教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/12 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「冷蔵庫&お弁当作りに落とし穴!今こそ気をつけたい食中毒」

食中毒防止のポイント

 これからのシーズンに気をつける必要があるのが食中毒。特に弁当などは気をつけないと食中毒菌が繁殖することになりかねない。そこで注意すべきポイントを紹介している。

 まず冷蔵庫での食材保存だが、入れる量は7割程度しておきたいという。7割と9割で温度を比較したところ5℃も差が出たという。また肉などはチルド室に入れて菌の繁殖を防ぐのが重要という。

 生肉に潜む危険な細菌としては、まず鶏・豚・牛などの腸内に棲息するカンピロバクター。感染すると2~7日ほどの潜伏期間の後に発症、下痢や腹痛などから発熱や頭痛、倦怠感などの全身症状が出たりすると言う。これを撃退するには調理器具を他と分ける、スポンジやまな板は熱湯をかけるなどが有効。さらに食材はよく加熱することで、中心部分を75度以上で1分以上加熱するべきという。また鶏肉などをシンクで洗うと菌が飛び散るので食中毒の危険性が増すことになるのでやめるべきだという。

 次はサルモネラ菌、これは食肉に付着しており、感染すると下痢や発熱などの症状が出る。これも対策はカンピロバクターと同じである。

 さらにO-157も危険。これは腎臓や脳に影響を与えて命を落とすことさえある。これらの腸管出血性大腸菌は牛の腸にいるので、解体時に肉の表面についてしまうことがあるので、ミンチや整形肉にすると表面の菌が内部に混ぜ込まれる可能性があるので要注意だという。だから芯まで75度以上で1分以上加熱が重要だという。そのためにはハンバーグなどを焼くときにはフライパンに蓋を使うのがポイントだという。

 

 

弁当などの工夫

 また弁当の際には水分があると菌が増殖しやすいので、生野菜などの水分の多いものはこれからのシーズンは要注意だという。だから野菜を入れるときには茹でて水分をしっかり切った者を粗熱を取ってから入れるべきとのこと。

 殺菌効果のある梅干しを使用するのも手だが、丸まま入れたのではその周辺しか殺菌されないので細かく刻んでご飯に混ぜ込むのが良いという。

 なお冷蔵庫の野菜室は温度が高い上に汚れやすいので菌が繁殖しやすいという。だから野菜をしまうときは下に新聞を敷いたり袋に詰めておくとよいという。

 

 

食中毒からまさかの重病に

 さらには食中毒からとんでもない病気になった例。運動神経にマヒが起こるギラン・バレー症候群をカンピロバクターが原因で発症したという。患者は二週間前に屋台の牛クシで食中毒を起こしており、それが原因とのこと。ギラン・バレー症候群は症状が出るまでに1週間~3週間ほどかかるという。ウイルスや細菌の感染がきっかけとなって免疫系が異常を起こし、それが神経を誤って攻撃してしまうことで発症したのだという。顔や手足などのしびれや脱力感が出たらすぐに病院へとのことである。


 私は中学生の時に夏休みの自由研究でご飯の腐敗について実験したことがあり、その時に梅干しの殺菌効果についても実験しましたが、確かに梅干しが付いている部分のご飯は腐りにくいのだが、その他の部分が容赦なく腐るというのは体験してます。なおこの時に一番劇的な効果があったのが酢で、一定量以上の酢を加えていたらご飯は全く腐りませんでした。ちなみに私はこの時の実験のサブタイトルとして、当時流行していた映画「復活の日」の「愛は人類を救えるか」というコピーをパロって「梅干しにぎりは人類を救えるか」と掲げていたのですが、最終結論は「寿司飯が人類を救えそうだ」でした(笑)。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・食中毒防止のポイントを紹介。
・冷蔵庫の保存は容積の7割ぐらいまですること。入れすぎると庫内の温度が上昇して食中毒の原因となる。
・食肉に潜む危険な菌は、カンピロバクター、サルモネラ、O-157など。調理器具は熱湯で殺菌し、食品は芯まで75度以上で1分加熱すると殺菌できる。
・弁当に水分があると細菌が増殖しやすいので、これからの季節は生野菜などは避けるべき。
・また梅干しなどはご飯に混ぜ込むと殺菌効果が期待できる。
・カンピロバクターの食中毒の後にギラン・バレー症候群を発症した例がある。細菌のせいで免疫系が暴走して神経細胞を攻撃したためだという。顔や手足のしびれが出たら要注意。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・ギラン・バレー症候群と言えば、テニプリでこの病気で身体が不自由って設定のキャラがいたな。手術で復活したことになったが、そもそもギラン・バレー症候群は手術で治るものでないとツッコミが入って、急遽「ギラン・バレー症候群に似た症状」って変更になったようだが。物理法則は豪快に無視する作品でも、流石に医学常識をまともに無視するのはヤバかったか。

次回はこちら

tv.ksagi.work

前回はこちら

tv.ksagi.work