教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/26 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「お腹の痛む場所でわかる!?腹痛に潜む危険な病気」

命に関わる危険な腹痛について紹介

 お腹が痛くなるというのはよくあることだが、中には命に関わるような危険な病気の場合がある。ある患者の場合、激しい腹痛の後に右腰の痛みに襲われ、検査の結果は腹部大動脈瘤破裂とのことで緊急手術になった例もあるとのこと。そのような危険な腹痛について紹介。

 お腹のどこが痛むかで考えられる病気が諸々あるのだが、該当する病気が多いので診断が難しいという。圧倒的に多いのは胃腸炎だが、その中に見逃してはいけない病気が潜んでいるのだとのこと。

 まずは脇腹の痛み。脇腹が痛んで、10分ぐらいで激痛になったと言う場合、尿管結石があるという。尿管中で結石が発生して詰まることで激痛につながるのだとか。中年以降の男性や閉経後の女性に多いという。さらに尿管結石は再発率が高く、この患者も4年後に再発している。再発防止には生活習慣の見直しが必要で、流れ出た石を調べたら予防方法もわかるという。例えば尿酸の場合はプリン体が原因だという。

 

 

鳩尾やへそ回りの危険な腹痛

 みぞおちの痛みについては胆石だという。胆管がつまることで鳩尾の辺りに激痛を感じるのだとか。胆汁内で析出した結石が胆のうの動きで胆管に排出されて詰まるので、胆のうが動く食後や夜中にみぞおちに急激な痛みが出るのが特徴だという。脂肪分の多い食事が原因となるので、食生活の変化で患者が急増しているという。

 さらにみぞおちが痛む場合には心臓の病気のこともあるという。鳩尾に今まで感じたことのない激痛のした患者が病院に駆け込んだところ、急性心筋梗塞だったという。心臓に痛みが発生しているのに、脳が錯覚して関連痛として胃の痛みと勘違いするんだという。腹痛して現れる不調は、実は身体のかなり広範囲に及ぶという。

 次にへそ回りに痛みが現れた場合。へそ回りが締め付けられる痛みと吐き気を感じた患者は虫垂炎だったという。最終的には右下に痛みが出るが、最初はへそ回りに関連痛が出ることが多いという。これもよくある病気で早く発見しないと腹膜炎を発症して命に関わる。

 

 

謎の腹痛の診断方法と治療法

 さらに長年に渡って原因不明の腹痛に苦しめられていた58才の男性。左下腹部をナイフで刺されたような鋭い痛みが1~2ヶ月繰り返し出ていたが、検査をしても原因がわからなかったという。このようなはっきりと右左はわかっている場合は腹壁が原因の場合があるという。特に筋肉を動かした時に痛い場合は腹壁痛だという。腹壁痛とは腹筋を貫く神経が原因で、左右どちらかのお腹が痛くなるのだという。動くと痛みが出るのが特徴で年齢性別を問わないという。原因不明の腹痛の15~30%が実は腹壁痛というデータもあるとか。検査では分かりにくいのだが、番組に登場した医師が1分で診断できるという触診方法、カーネット兆候を紹介している。

 これは足を曲げて仰向けになり、痛みがある場所を押すのだという。この状態で頭を持ち上げて痛みが強くなるとカーネット兆候で腹壁痛だという。これが逆に痛みが楽になると原因は内臓にあるのだとか。治療としては麻酔薬を注射して興奮している神経を鎮めて筋肉を緩めるのだとか。大体2~3回の注射をすると半分ぐらいの患者は痛みから解放されるという。なお過敏性腸症候群と誤診されやすいという。ここ10年ぐらいで知られるようになった病気なので医師も知らない場合があると言う。

 

 

 以上、危険な腹痛について。私の記憶に残るとんでもない腹痛と言えば、恐らくアニサキスが原因と思われる腹痛でした。今まで経験したことのない異常な腹痛に、私は親に「救急車を呼んでくれ」と言ったんですが、「腹痛ぐらいで救急車なんて呼ぶものじゃない(典型的な昔人間の考え方)」と言われて一晩苦しみました。しかし翌朝に病院に行った頃には大分治まっていて結果は原因不明でした。アニサキスが原因だというのはあくまで私の後付け推測です。ちなみにその時の私はまだ中学生だったので親に従いましたが、この判断は命を落としかねない危険な判断であり、今なら迷わずに自分で救急車を呼びます。

 古い人間ほど「たかが腹痛」という考えがあるのですが、確かにすぐには命に関わらない胃腸の不調が大半とは言え、中には今回のような命に関わる危険な腹痛があるので侮ることなかれです。要は「いつもと異なるレベルの腹痛」であるかとうかがポイントでしょう。ただ日頃から便秘気味で慢性腹痛というような人は判断が難しいでしょう。私の場合は神経性胃炎が慢性化しているので、鳩尾の痛みは年中です。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・お腹の痛みと言えば胃腸炎などが大半であるが、中には危険な腹痛が潜んでいる。それらの危険な腹痛について紹介。
・脇腹の激痛は尿管結石の場合があると言う。なお尿管結石は再発することも多いので生活環境の見直しが必要。排出された石を検査したら結石の原因が判明するという。
・鳩尾の痛みは胆石の場合がある。これは脂っこい食事などが原因となる。
・さらに心筋梗塞などでみぞおちに痛みが出る場合がある。これは関連痛であり、脳が混乱して痛みの場所を勘違いしているのだという。
・へそ回りに痛みが現れた場合は虫垂炎がある。やがて痛みは右下に移行するが、最初はへその辺りに現れることが多いという。よくある病気だが、放置して腹膜炎を発症すると命に関わる危険な病気でもある。
・原因不明の腹痛で苦しんでいた人の原因が腹壁痛であると判明した例がある。痛みが左右のどちらかハッキリしているのが特徴で、筋肉を使用した時に痛みが生じるのだという。原因は神経にあり、検査では分かりにくいがカーネット兆候という触診で判断できるという。ただし最近に認識された病気なので知らない医師も多いとか。麻酔などで治療するという。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・最近お腹の痛みがよく出ますので、部位から大腸ガンなんかも疑ったんですが、便潜血検査は問題なしとの結果でした。どうも内臓よりも腹筋が原因のような気もします。運動不足で腹筋が弱まったせいかと思っていたのですが、そう言えば今回の腹壁痛に症状がかなり該当するような気も。

次回の健康被せる

tv.ksagi.work

前回の健康カプセル

tv.ksagi.work