教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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番組リスト

7/20 NHK 歴史探偵「鎌倉バトルロイヤル」

またも大河の宣伝企画です

 今回は三浦義村役の山本耕史氏を招いて、大河ドラマの今後の展開を歴史の面から・・・って、また大河の宣伝か。この番組って放送回の半分は大河の宣伝って気が。そこまでやらないといけないぐらいネタがないのか大河が苦戦してるのかしらんが。

 で、大河の方はちょうど頼朝が死んだらしい。そしてこの後は残った13人のバトルロイヤルになるという展開。その中から北条時政が台頭してきて、その過程で佐藤二朗演じる比企能員が暗殺されると言うことになる・・・のだが、既にこの辺りは先に「にっぽん!歴史鑑定」がすべてやってるので完全にそれと被りである。

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頼朝暗殺を目論んでいた北条時政

 まずは番組は曽我兄弟の事件から始まっているが、この顛末についても以前に「英雄たちの選択」で細かくやっている。要は曽我兄弟の仇討ちの成功の背後には北条時政の協力があり、時政はあわよくばついでに頼朝と頼家も始末することを考えていたが、それは叶わなかったという話。ただ曽我兄弟に討たれた工藤祐経の領地は鉄を産したので、時政はその領地が欲しかったということがあり、これはまんまと成功したようである。

 そして時政が頼家を殺す必要があった理由は、頼家を比企能員が後見しており、頼家が将軍になると比企氏の力が強くなって北条氏が阻害されることになるからだった。そこで頼家が将軍になると時政は先手を打って比企能員を屋敷に誘い出して暗殺、さらに比企氏を滅ぼしてしまう。

 この顛末については吾妻鏡によると、病床の頼家が比企能員と北条排除の謀議をしているのを政子が立ち聞きし、直ちに時政に報告して時政が先手を打ったということになっている。しかし政子が謀議を立ち聞きというのがあまりに不自然であり、実際は時政が問答無用で比企能員を嵌めたのだろう。なお比企能員があまりに無防備に時政の屋敷にやって来たのは、時政の館で栄西の仏事が行われると騙したからだという。栄西は頼家が深く帰依していたので、栄西主催の仏事となると比企能員も断るわけにはいかなかったし、仏事となると重武装して軍勢を引き連れてともいかなかったのだろうという。

 

 

実朝排除をも目論んで、ついに義時に追放される

 比企能員を暗殺した時政は、頼家を無理矢理に排除した挙げ句にこれも殺害してしまう。そして自分の影響下にある実朝を将軍にするのであるが、これで終わらない。ついには実朝を排除して自分の娘婿の平賀朝雅を将軍にしようと画策する。これに北条義時が激怒、さらには御家人達も義時に付いたことで時政は追放されることになる。

 

 以上、今後のあらすじなんだが、ハッキリ言って大河の宣伝以上でも以下でもない。内容的にはこれまであちこちで登場してたものをなぞっているだけで新味は皆無。いよいよくだらない番組になってきたな・・・。もう比企能員が退場するんだったら、そろそろ佐藤二朗も不要では。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・大河ドラマのこれからの筋を歴史事実に基づいて紹介という大河宣伝企画。
・まず北条時政は曽我兄弟の事件に乗じて頼朝と頼家を亡き者にすることを考えていたが、それは失敗する。時政が頼家を排除したかったのは、頼家の後見である比企能員が力を持つことを恐れたから。
・頼朝が急死して頼家が将軍となると比企能員が力を持つ。そこで時政は比企能員を館に誘い出して暗殺、さらに比企氏を滅ぼしてしまう。さらに頼家を無理矢理に引きずり下ろして後に殺害、自分の影響下にある実朝を将軍にする。
・しかしさらに実朝を排除して、娘婿の平賀朝雅を将軍にしようと画策するが、これに対して義時が抵抗、御家人達も義時に付いたことで時政は追放されてしまう。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・なんなんだろうな、この中身の薄さ。大分嫌になってきた、この番組。

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