暑さから来る疲労が熱中症の原因となる
これからのシーズンに問題となり、場合によっては命を落とすこともある恐ろしい熱中症。またこれからの8月には熱中症の第二波が来るという。熱中症を防ぐにはどうすれば良いか。
熱中症とは何であるかだが、暑さや脱水で体内にこもった熱を逃せない状態のことを言う。めまいや頭痛、倦怠感、筋肉のけいれんなどの症状が現れる。これから危険な第二波は夏の疲労が原因となるという。
30代の被験者に夏の気候を再現した人工気温室で30分滞在してもらったところ、ただ座っていただけで疲労が蓄積しているという結果になったという。これは自律神経の機能低下だという。熱い環境に居続けると体温調整などを行う自律神経が機能低下して体温コントロールが狂うのだという。この疲労は運動の疲労と違い、回復しにくいという性質を持っているという。
運動の疲労は一時的なものなので身体を休めると回復するが、暑さの疲労は身体を休めても自律神経は常に働いているので回復がしにくいのだという。そのために疲労が蓄積してしまうということになるという。
さらに自律神経の疲労は本人に自覚しにくいという特徴があるという。そのために自覚のないまま疲労が溜まっていって、8月に爆発して熱中症を起こすことになりやすいという。
高齢者の注意ポイントと恐ろしい後遺症
なお高齢者は夜の熱中症に注意だという。8月は熱帯夜が多いので危険なのだという。そして高齢者は暑さを感じにくくなっているのでエアコンをつけずに寝ている間に疲労が蓄積したり脱水したりで熱中症につながるという。だから夜にエアコンをつけることが重要だという。質の高い睡眠を取ることで疲労を回復する必要があると言う。なおエアコンの効率をあげるためにすだれを勧めている。
なお塩分の補充については、三食をキチンと取っていたら十分であるが、一食でも抜くと塩分不足になりやすいという。そう言う時には塩分を補給した方が良いという。
さらに恐ろしいのが熱中症の後遺症だという。40代の女性がランニングの最中に熱中症になり、それ以来飲み込みがつらくなって麺類が食べられなくなったり、頭痛が続いたりしているという。熱中症で血流が滞り、臓器の酸素や栄養が不足したことで臓器の機能が低下したのだという。彼女の場合は脳への血流が滞り、筋肉運動を調整する小脳の機能が低下したのではという。物が飲み込みにくいのはそれではないかという。さらに歩行困難や認知症につながる危険もあると言う。熱中症を放置するのは後遺症につながる危険があるという。
熱中症の応急処置としてはFIREがあるという。Fluid水分補給、Icing冷却、Rest休憩、Emergency call救急車を呼べ という例によって4つめがやや苦しめのこじつけがありますが、内容的にはまあ妥当。
これから危険度が上がっていく熱中症ですが、本当に死者が出てますので侮ることが一番危ないです。なお私は意識を失ってぶっ倒れるレベルの熱中症まではいったことがないですが、この時期は昼に表を歩いたら、部屋に戻ってから激しい倦怠感でぶっ倒れて活動停止ってのは常です。ちなみに私の職場で以前、炎天下で防災訓練を行った結果、参加者が次々と熱中症で倒れて救急搬送者まで出るという「馬鹿じゃないの?」案件が発生し、それ以降は防災訓練の時期が見直されることになりました。私はその時は現場では倒れなかったんですが(途中で馬鹿らしくなって日陰に自主避難したおかげですが)、職場に戻ってから激しい倦怠感で動けなくなり、激しいめまいなどでその日はそれ以降は結局全く仕事になりませんでした。
ちなみに熱中症になると体温調整機能が完全にダウンするので、汗などはむしろ全く出なくなります。ですから水分補給と共に冷却が必要になります。深部体温が上がりすぎるとそれだけで臓器に損傷が出て、それが後遺症の原因となります。この時、首筋や脇などの大きな動脈を冷却するのが良いと言われています。
忙しい方のための今回の要点
・これからの八月は疲労の蓄積からくる熱中症の第二波に注意。
・暑さから来る疲労は自律神経の疲労であり、身体の疲労に比べて回復しにくく気付きにくいという特性があるので、気がついたら限界に達するという恐れがある。
・また高齢者は8月の熱帯夜から来る熱中症に注意。高齢者は温度感覚が鈍っているので気付かないうちに脱水や熱中症になる危険がある。夜でもエアコンをつけるのが大事。
・さらに塩分補給については、三食キチンと摂っていると大丈夫だが、一食抜くと不足する危険があるので、その時には補充が重要。
・熱中症の処置としてはFluid水分補給、Icing冷却、Rest休憩、Emergency call救急車を呼べのFIREがポイント
忙しくない方のためのどうでもよい点
・高齢者の中には未だに「エアコンは贅沢」という考えを持っている人がいて、それが高齢者の熱中症の原因になるといいます。感覚が鈍っているのに「この程度の暑さは大丈夫」と考えてしまうとか。数十年前の暑さとは今の暑さは本質が変わっているということを認識することが重要です。
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