教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

9/11 TBS系 世界遺産「7つの不思議!ミステリアスな遺産」

謎の多い世界遺産

 今回の世界遺産は世界の謎を秘めた遺産のオムニバス。まあネタが尽きてきている証拠ではある。


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断崖に描かれた壁画に謎の球体、円形の湾

 最初に登場するのは空からたどり着けないという秘境。コロンビアのチリビテケ国立公園のテーブルマウンテンの300メートルの断崖にあるのは、現代文明と接触しない原住民たちが1万年前から描き続けた岩絵。何と断崖の中腹にあると言う。番組ではヘリでギリギリまで近づいて撮影しているが、動物の絵のようなものが見える。1万年前から現代に至るまで書き加えられて来たものだという。文字を持たない原住民にとっては重要な連絡手段なのかも知れない。駅の掲示板のようなものだろうか? XYZとでも書いておく?

 まるで地球とは思えない光景のアルゼンチンの月の谷にあるのは多くの奇岩。しかしその中で極めつけの光景は無数の球体が転がる大地。直径30センチほどの球体がころがるが、これは自然に出来たものだという。生物の死骸などを核にして、カルシウムなどが丸く固まったものだと考えられているという。赤い断崖には風によって削られた真っ直ぐな滑らかな筋なども観測される。

 イギリスのドーセットと東デヴォンの白亜の断崖の海岸は太古のチョークの地層が露出したものである。化石も多く発見され、ジュラシックコーストとも呼ばれている。ここにある不思議な湾は綺麗に丸く抉られた湾。直径430メートル。これは硬さの異なる地層が原因となっている。かつての川の跡から水が入って柔らかい地層が削られることで丸い湾になったと考えられる。

 

 

巨大な地下構造物に謎の巨大石球

 4つ目はインドの巨大な階段。地表から30メートルから掘り下げられた地下空間で1000年前に作られた。壁などは砂岩で出来た凝った作りだが、これは実は井戸だという。地下は7層で壁にはヒンドゥーの神などが掘られ、最深部には聖なる井戸が湧く。風化されやすい砂岩が今日までこんなにしっかりと残ったのは、ここは実は19世紀まで洪水による土砂に覆われて保護されていたからだという。発掘は20世紀になってからで、おかげでタイムカプセルとして彫刻がそのまま残ったのだという。

 中米のコスタリカには巨大な石球が転がる。ディキスの石球のある首長制集落郡である。ここの熱帯雨林には9世紀から16世紀に原住民の居住地があったが、ここには直径2メートルもの巨大な石球が200以上も転がる。これは人の手で作れたもので、今ではこの地のシンボルだという。原住民の末裔によると、この石球は特別な力を持ち、儀式などに使われたものだという。

 

 

最古の人類の手形にシルクロードの呪いの棺

 南米の最果てのパタゴニアの大渓谷で太古の民の痕跡が残っている。リオ・ピントゥラスの手の洞窟。ここには無数の手形が残されており、858も存在するその手形のほとんどは左手だという。なぜ手形を残したのかは謎で、中には6本指のものもあるとか。太古の民は何を考えていたのだろうか?

 最後はシルクロードの呪いの棺。ウズベキスタンのサマルカンド、シルクロードのオアシス都市である。建物の美しい青いタイルがこの町の繁栄を物語る。14世紀に興って中央アジアから西アジアを支配したティムール帝国のかつての都であった。国を興した英雄アミール・ティムールの霊廟は壮麗な建物である。装飾が施された建物の中でティムールは一族と共に眠っている。その棺は閉ざされた地下室に存在するが、この棺を開けば禍が起こるという言い伝えがある。しかし一度だけ1941年6月に調査のために開かれたことがあるという。中には確かに遺骨が存在した。しかし翌日、この国が属する旧ソ連とドイツの戦争が始まり、棺の蓋は直ちに鉛で封印されることとなったという。それ以降、呪いの棺は開かれたことがないという。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・世界遺産の中から謎を含む遺産を7つ選んで紹介。
・最初はコロンビアのチリビテケ国立公園の300メートルの断崖に描かれた壁画。文字を持たない原住民が1万年前から書き続けたものだという。
・アルゼンチンの月の谷には謎の球体が転がる。生物死骸などにカルシウムなどが付着したものだという。
・イギリスのドーセットと東デヴォンの白亜の断崖には円形の湾が存在する。これは地層の柔らかい部分のみが浸食されることで生成した。
・インドにある巨大な地下への階段は聖なる井戸。1000年前に作られ、その後洪水で土砂に埋もれていたことで、20世紀になって発掘された時に神々の彫刻などがそのままの姿で残っていた。
・中米のコスタリカの熱帯雨林には、原住民が作った巨大な石球が200以上も転がる。これらの石球は特別な力を持つと考えられていたという。
・南米の果てのパタゴニアには太古の人類が左手の手形だけを大量に残した遺跡が存在する。
・ウズベキスタンのサマルカンドには建国の英雄であるアミール・ティムールの棺が霊廟に収められている。この棺は呪いの棺と言われ、開けると禍が起こると言われている。かつて一度だけ調査のために開かれたが、その後に戦争が勃発して直ちに鉛で封印された。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回はオムニバスです。この番組もかなりネタ切れ感があり、同じネタを切り口を変えたりいろいろと苦労している節があります。

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