教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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11/6 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「もしかしたら大病のサイン!?身体にできるシコリの正体」

危険なシコリの見分け方

 身体のあちこちに現れる違和感の元である「しこり」。しかし中には命に関わるような危険なものも含まれている。そこで今回は危険なしこりについて紹介する。

 まずシコリとは何であるかだが、身体のどこでも出来る可能性があって、皮膚の下とか身体の中に異物として認識している塊となるらしい。多くの場合はリンパ節の腫れや腫瘤に分けられるという。リンパ節は免疫器官であるが、ここに細菌が入ると腫れてシコリを感じることがある。なおシコリについて良性のものは軟らかくて動きやすくて痛いのだという。悪性のものは硬くて動かなくて痛みがないのだという。悪性の方が痛みがないというのがポイントである。

 

 

部位別のシコリの紹介

 顔にできるシコリは脂肪腫があるという。これは良性の脂肪の塊であり、何らかの原因で脂肪細胞が増殖したものだという。なお脂肪腫は体重や体脂肪率は無関係であるという。良性なので放置で良いが、大きくなって生活支障が出るようなら切除するとのこと。

 次に扁桃腺にできるシコリだが、これは悪性リンパ腫がある。これは血液のガンであり、年間3万6000人が発症するという。扁桃腺に出た場合は痛みのない凸凹したシコリが現れるという。白血球の一部が腫瘍化したものがリンパ腫である。実際に体験した患者は突然に声が出なくなり、風邪と診断されたが喉にシコリがあったことから別の病院で診断を受けてようやく分かったとか。

 次に顎に出やすいものとして粉瘤。これは皮膚から剥がれ落ちるはずの垢や脂肪が袋の中に溜まって皮膚を押し上げてシコリになるものだという。自然に治癒する場合もあるが、白い臭い液が中央から出てくることもあり、普通は痛みがないが、細菌などに感染して痛みがある場合には医師に相談をとのこと。

 首に出る危険なシコリは甲状腺ガン。喉仏のすぐ下の甲状腺にガンができることで痛みのないシコリが出るのだという。初期は小さなシコリだが、放置すると声が出なくなったり痛みが出ることがあり、この場合はガンが進行している可能性があるという。ただしこのガンは早期発見しやすいガンになるという。

 

 

危険なシコリについて

 なお喉にできるシコリで菊池病というのが20~30代の若い女性に発症が多いという。別名は組織球性壊死性リンパ節炎で、発熱やリンパ節の腫れを伴う病気だという。発熱が数ヶ月続いたり、首に複数のシコリが出るという。名前は発見者にちなんでおり、治療法は分かっていないが概ね自然軽快が多いという(免疫疾患の一環のような気がする)。

 胸に出るシコリはやはり乳ガン女性では大腸ガンや胃がんよりも多い。そして盲点は男性でも発症するということ。毎年650人ほど確認されており、男性の方が生存率が低いという。だから男性でもシコリを感じたら検査を勧めている。

 腹部に出る危険なシコリが腹部大動脈瘤。これは高血圧や動脈硬化が原因となって大動脈が膨らんで鳩尾辺りにシコリができる。これが破裂すると大出血によるショック状態で死に到ることがある。だからシコリを感じたら直ちに病院で検査すべしとのこと。

 さらにふくらはぎでの悪性のシコリが肉腫。これは筋肉や神経などの軟部組織から発症する悪性腫瘍である。なお身体のどこでも発生する可能性があるという。また症状は出ないのが問題だという。痛みなどが出ないので見落としやすいという。

 なおシコリに気付くには入浴の時に手で触ってチェックするのが良いとのこと。気付いた時には内科か皮膚科、総合診療科などへとのこと。

 

 

 以上、危険なシコリについて。脂肪腫や粉瘤などは私も何度か体験はしてます。こんなものでも大きくなって張ってくると痛みがありますので、加熱消毒した針でつぶしたりしたこともありますが、こういう素人療法はあまり良くないでしょう(笑)。

 なお男性の乳ガンの話が出て来ましたが、やはりものがものだけに女性の病気と思い込んでいる人が少なくなく、まさか自分がというのが患者の大抵の反応だと言います。そのために発見が遅れるのが生存率の低さの原因とのこと。なお患者はやはり精神的ダメージが結構あるので、男性乳ガン患者の会というのがあるというのを以前に聞いたことがあります。自分が特別におかしかったわけではないと理解できるだけでかなり救われるようです。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・あちこちにできるシコリについて危険なものの見分け方を紹介。
・基本的に軟らかくて動きやすく痛みがあるものは良性、固くて動かず痛みがないものは悪性だという。
・顔にできやすいシコリは脂肪腫で、これは脂肪細胞が増殖した良性のもので大きくなりすぎた場合は切除したりするが、基本的には問題ないという。
・扁桃腺のシコリは悪性リンパ腫の可能性がある。これは自覚症状がないのが特徴だという。シコリを見つけた時には早期の検査を。
・顎にできやすいのは粉瘤。これは袋に垢などが溜まったもの。自然治癒する場合が多いが、痛みがある場合には医師に相談。
・首のシコリは甲状腺ガンの可能性がある。痛みがない場合が多く、痛みが出るようならかなりガンが進行している危険があるという。なお若い女性に多い菊池病も首にしこりができる。
・胸のしこりと言えばやはり乳ガン。早期発見が重要。なお男性でも発症することが要注意。
・腹部の鳩尾辺りにできるシコリは大動脈瘤の危険がある。これは高血圧や動脈硬化で大動脈が膨らんだもので、破裂すると大出血によるショックで死に到る危険がある。
・またふくらはぎにできた痛みもないシコリが悪性腫瘍の肉腫だった事例もある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・たかがシコリ、されどシコリというところか。そもそもシコリとは異物であるから、確かによろしいものではなかろう。それに早めに気付いたのなら幸運と言うべきなのかも。

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