教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/20 TBS系 世界遺産「謎とロマン!古代文明の世界遺産」

古代文明に関するオムニバス

 今回は古代文明総集編の模様。この番組もコロナの影響もあって題材に困ってるのかな?


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 最初に登場するのはストーンヘンジ。高さ7メートルの巨石が並ぶが、これを築いた者達は文字を持たなかったために何の記録も残っておらず、今でも謎が残る遺跡である。

 スーダンではメロエの謎の古代遺跡が。これはエジプトをも脅かした文明で、250ものピラミッドを建造した。

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 エーゲ海は古くから民族の交差点である。多くの文明が生まれて滅んでいった。ギリシアのペロポネソス半島に3500年前に築かれたミケーネとティリンスの遺跡がある。ギリシアの吟遊詩人が「黄金に富む都」と伝えたという(なんか「黄金の国ジパング」と同じで表現としてはいささか陳腐だな)。メインゲートである獅子門が存在する。シュリーマンが19世紀に発掘するまでは伝説だとされていたのだという。獅子門の近くでは王の墓が発見され、そこから出土した黄金マスクが有名である。ミケーネは紀元前12世紀に滅亡する。

シュリーマンの発見した黄金マスク

 

 

密林の中の滅びた都に岩山奥の幻の都

 スリランカの熱帯雨林の中にある消えた都がシーギリヤ。わずか11年で滅亡した幻の都である。1500年前に堀に囲まれた王宮が築かれ、高さ180メートルの岩山に宮殿が築かれた。切り立った岩山の上に木造建築が並ぶ天空の宮殿で、父を殺して王となったカッサバ1世の宮殿だったが、弟の軍に包囲されて自害、わずか11年で滅ぶことになる。

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 ヨルダンの岩山には古代都市ペトラがある。全長1.2キロの断崖の間の長い道を抜けた先に岩をくりぬいて作ったエル・カズネが存在する。2000年前に遊牧民が築いた都だったが、ローマ帝国の支配下に置かれて滅亡した。ヨーロッパの探検家が200年前に発見したという。

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 イランのシューシュタルの歴史的水利システムは総延長100キロに及ぶ大運河である。築いたいたのはペルシア帝国。砂漠を潤すことを目的とされ、あちこちに水力を使用した製粉所も建設された。古代ペルシアには地下水路を掘って水を流す技術があった。いくつもの水路が水車を回していた。これらの水路はまだ現役である。ペルシア帝国は水を操る高度な技術を有していた事が分かる。

 

 

ローマ帝国による大規模鉱山跡

 スペインの奇岩の森ラス・メドゥラスはローマ帝国最大の金山を砂金を掘って山を崩壊させて出来た地形である。古代ローマ人は水の力を利用して山を崩していた。水路を山に張り巡らせて大量の水をトンネルに入れて水圧で山を崩したのである。

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 アイルランド東部の平原にあるボイン川沿いにあるのは奇妙な遺跡。巨石を使用した直径85メートルもある遺跡である。5000年以上前に作られたが、中には石室があり墓だったことが分かる。天井には渦巻きの模様が刻まれており、入口上の窓からは当時の朝になると窓を通って光が奥まで届くのだという。

 イタリアのバルーミニのヌラーゲ遺跡は3500年前に作られた巨大遺跡。巨大な塔の回りに迷路のような石組みがなされている。石を積み上げた巨大な塔は漆喰などを使っていない。まだこの遺跡の正体は不明だという。

 インドネシアのジャワ島にある巨大遺跡がボロブドゥール寺院。高さ35メートルもあり、独得の構造をしている。お堂への入口が存在しないが、実は自然の山に盛り土をして建造したものであるという。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・世界の古代文明遺跡を紹介。
・最初は謎の巨石のストーンヘンジ、さらにスーダンのメロエの遺跡など。
・エーゲ海にはミケーネの遺跡が存在する。これはシュリーマンが発見するまでは伝説だと考えられていた。
・スリランカの熱帯雨林の中に失われた都・シーギリアがある。父を殺して王となったカッサバ1世の宮殿が岩山の上に築かれたが、11年で弟の軍に包囲されて自害、そのまま滅亡した。
・ヨルダンの岩山の奥にあるのが遊牧民が築いた都のペトラ。岩山をくりぬいた建物が残る。
・イランのシューシュタルの水利システムは高度な技術で砂漠の灌漑に利用されており、現在でも機能している。
・スペインのラス・メドゥラスはローマ帝国が水の力で山を崩して砂金を掘った跡である。
・アイルランドのボイン川沿岸にある遺跡は、巨石を使用した墓。
・イタリアには巨大な石組みのヌラーゲ遺跡があるが、この建造物の目的は未だに不明である。
・インドネシアのジャワ島のボロブドゥール寺院は、山に盛り土をして丸ごと寺院にした例。信仰の聖地であった。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回はオムニバス形式。ネタに困った時の過去のアーカイブ頼りというパターンで、年に数回はこのパターンですね。上を見たら分かるように、私のブログで既に扱った回もありますが、該当がない項も多いので、かなり昔のアーカイブまでひっくり返しているようです。

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