教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

12/18 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「放置すると認知症の原因に!?聞こえの悪さと付き合う方法」

65才から増加する難聴

 65才を越えると急激に増加するのが難聴だという。誰でも老化に伴って現れる症状であると言える。しかしこの難聴、単に生活に不便というだけでなく、放置すると認知症の原因の最たるものになるとのいう指摘もある。今回のテーマはその難聴と付き合う方法。

 難聴は徐々に進行するので気付きにくいという。早い人だと40代から始まるという。チェック法としてはまず親指と人差し指をこすって音を出し、そのまま両耳に当て少しずつ離し、どこで音が聞こえなくなるかをチェックするのだという。これが50~60センチぐらいまで聞こえれば問題ないが、それ以下だと2000ヘルツ(小鳥のさえずり)以下の難聴があるかもしれないという。

 

 

放置すると認知症の原因になることも

 番組では「聞こえ」に問題を感じだした人が集まっての座談会。そこで登場したのは体温計などの電子音が聞こえないという話。これは高齢化すると高音から聞こえにくくなるからだという。これは蝸牛の中の有毛細胞が減少することによって起こるという。入口から進行するので、入口に近い高い音から聞こえにくくなるのだという。これが加齢性難聴だという。

 さらに出た話題が「聞き間違い」や「相手の言っていることが聞き取れない」などが起こる。音域の関係でカ行、サ行、タ行、ハ行が聞き取りにくくなるため、7時(シチジ)を1時(イチジ)に聞き間違うなどということが起こるのだという。

 このような加齢性難聴を放置すると認知症になりやすいのだという(糖尿病などよりも影響が大きいという)。聞き取りにくいことによるコミュニケーション不足や孤立が原因だという。音の刺激などの外からの情報量が減ることで脳の萎縮などが原因となって認知症を発症するとのこと。

 

 

加齢性難聴悪化の防止法と対処のための補聴器

 加齢性難聴を悪化させないには、イヤホンなどで長時間大音量で音楽を聴くなどをしないこと、さらにメタボも難聴の悪化要因になるという。メタボが動脈硬化につながることで耳の血管が劣化して有毛細胞が損傷するのだという。

 さらに年齢に関係なく誰でも起こる可能性があるのが突発性難聴だという。原因は不明だが不眠やストレスなどによる血流障害だと考えられており、放置すると有毛細胞が損傷する危険があるという。さらにイヤホンなどで大音量の音楽を聴き続けたり、極端に大きな音が耳に入ると騒音性難聴や音響外傷などが発症することがあるという。1時間に1回はイヤホンを耳から外すとのこと。

 加齢性難聴への対処法といえば補聴器。ただ爺クサいなどと悪いイメージを持つ人も多く、日本では補聴器の使用率は欧米などよりはかなり低いという。そこで補聴器を実際に使用している人に話を聞きに言っているが、オーダーメイドの小型補聴器だと外からは分からないという。ただ最初に付けた時にはかなり違和感があったという。自分の声やら生活音や機械音が五月蠅く感じたという。そのために調整もかなりしたとのこと。慣れるのには半年かかったという。調整には最低でも2ヶ月はかかるという。医師によるとなるべく早く補聴器の使用を検討して欲しいとのこと。

 

 

 さて今回のテーマは難聴でしたが、ここでカミングアウトしますと、実は私も1年ぐらい前から補聴器を使用しています。私の場合は、難聴が急激に増えるという65才よりもかなり早い時点で難聴が進行してしまいました。最初の兆候が現れたのは30代の頃で、会議の音声が聞き取りにくいと感じるようになり耳鼻科に行っての診断を受けましたが、その時の診断は「突発性難聴」。ちなみに原因不明の難聴はすべて突発性難聴と診断されるようです。血流改善の薬などももらいましたが結局は改善せず、その後も順調(?)に聴力は落ち続け、数年前には会議になった時に何を話しているか半分ほどは聞き取れない、また声質によっては何を喋っているか全く聞き取れない人がいる(しかも都合の悪いことにそれが直属上司だった)などという状況になり、ついに補聴器の使用に踏み切ることになりました(マスクの使用がそれに拍車をかけた面もあった)。

 なお私もやはり「まだ50代なのにあまりに早い」という気があったのと、両耳で30数万円と高価であることからかなり悩みましたが、このままだと明らかに仕事に支障が出る(というよりも既に出ていた)ということで決断した次第。なお装着当初は番組で言っていたように「自分の声が全く違って聞こえる」「生活音や機械音が五月蠅い」という感覚はありました。特に驚いたのは自分が身体を動かした時に衣服がすれたりして起こるカサカサという音が結構うるさいこと。また私の部屋がPCのファンなどで異常に喧しいことなどが分かりました。なお番組に出演した方は慣れるのに半年かかったとのことですが、私は結構早く、慣れるのに2週間かかっていないと思います。ただ今でも耳の中の異物感は若干慣れないところがあります。ちなみに私のタイプはインナーイヤー型でなくて耳かけタイプですが、本体が小さくて耳の影に隠れるので補聴器を使っていると言わないと相手も気付かないことが多いです。

 ちなみに私も「補聴器はなるべく早めに使用を始めた方が良い」と言われました。聴力がかなり落ちてから使用を始めた方が違和感が強くて慣れにくいということがあるのと、聞こえにくいまま適当に話を聞き流す習慣がついていると、段々と脳の言語認識能力の方が落ちてきて、単純に音を補正しただけだと言葉がうまく聞き取れなくなるとのこと。慣れるという意味で特に使用当初はなるべく長時間付けた方が良いようです。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・65才をすぎると急激に増加するのが難聴。加齢に伴う必然的な能力の衰えの側面があるが、放置すると認知症の原因の最たるものになる可能性がある。
・早い人だと40代ぐらいで始まるが、徐々に進行するために気がつきにくいという。加齢性難聴の特徴は高音から徐々に聞こえにくくなることで、進行するとカ行やサ行などの死因が聞き取りにくくなり、聞き間違いが増えるという。
・聞き取りにくさがコミュニケーション不足や孤立につながると、音の刺激などが減ることで脳が萎縮し、これが認知症につながることが指摘されている。
・加齢性難聴を進行させやすい要因としては、イヤホンなどで長時間音楽を聴くことなどがある。またメタボによる動脈硬化も血流を悪化させて耳の機能に損傷を来すことにつながりやすい。
・さらに年齢に関係なく、長時間のイヤホンの使用や大音量が耳に入ることによる騒音性難聴や音響外傷などもある。
・加齢性難聴への対応は補聴器の使用。早期からの使用をお勧めするという。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・補聴器の問題はとにかく高価であること。これはもう少しなんとかならないものかと思うところです。やはり症状に合わせての細かい調整が必要なので、それが価格が高い理由になるとか。

次回の健康カプセル

tv.ksagi.work

前回の健康カプセル

tv.ksagi.work